《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》2.追放 ①
頃合い......?あ、ああ、テレポストーンの使う頃合いと言うことか。
そうか、る程。彼はギリギリまで攻略の可能を探っていたんだ。
僕なんかすぐに魔石をつかうという判斷をしてしまったのに......流石は冒険者ギルド始まって以來の天才とよばれたロキ・ヴィドラドールだ。
しかし、そんな尊敬するロキの口から、僕は信じられない言葉を耳にする事になる。
「――今、この時をもって......レイ、君を俺のパーティーから追放する」
「......」
......え?
一瞬なにを言われたのか理解出來なかった。
そのまま腰が抜けたように、よろよろと一歩二歩と後退し、やがて苔だらけの壁に背があたると、そのままずり落ち餅をついた。座り込む僕を侮蔑の目で皆が見る。
「え......?」
言われたことを信じられず、僕は目を見開いてロキを見つめた。
「何を呆けているんだい? 聞こえなかったのか?」
「き、聞こえてる、聞こえてたよ......で、でも、なんで?」
「そんなこたァ、言われなくてもわかんだろーがァ」
イラついたようにパーティーの戦士の男、スグレンストがそう言った。次に雙剣士のヒメノが聲をあげた。
「ほんっと、どんくさくてイヤになっちゃうし。 戦闘中とかもじろじろと見てくるしさ......本當にいやらしい」
そ、それは、怪我や致命傷を負ったときにすぐヒールできるように......皆のきを見ていただけで。そんな風に思われていたのか。
そう理由を話そうとすれど、場の雰囲気がそれを許さない。そう、ここでは何を言おうと僕が悪で敵なのだ。
この人達は、どうにか僕を追放したいらしい。
「......」
殘りの一人、黒魔師のフェイルは視線を落とし、沈黙を決め込んでいた。助けてはくれないだろう。おそらく彼もきっと皆と同じ思いなのだろうから。
黙りこみ、うつむく僕にらちがあかないと思ったのか、更にロキは言葉を重ねた。
「レイ、君程度の白魔導師では、この先の強力な敵と戦うには心許ないんだ。 一度のヒールで魔力を空にするヒーラーなんて、ありえないだろ? 更には魔力の枯渇でけなくなるなんて......足手まといもいいところだろう」
確かに、僕は魔力がすぐに枯渇してしまう。けれど、他の事で一杯補ってきたつもりだ......敵の挙を観察し、弱點を分析したり、ダンジョンの報収集、更には皆が快適に旅を続けられるように、料理や洗濯までも全ての雑用をも一人で擔ってきた。
しかし、そんな僕の考えを察してか、ロキはとどめをさすようにいう。
「はあ......君は、この俺のパーティーがどれほど期待されているのかわかってないようだな。 このパーティーは世界を掌握せし魔王を倒すべく、王から期待をされているパーティーなんだ。 その一員である白魔導師が君のような未で末な者だと、この先の未來がないという話だよ」
力不足、確かにそうかもしれない。けど、でもじゃあなぜ僕を選んだ?
奴隷の......まだ11歳だった僕を拾ってくれた、理由は?
「で、でも......じゃあ、なんで? なんで僕をえらんだの?」
そうだ、選ばれた理由があるはずだ。それを聞けばまだ挽回出來るかもしれない!
僕の存在価値......僕は僕の居場所を守りたい。
「そんな事、言われないでも理解してくれよ。 ハァ......本當に頭の悪いやつはこれだから」
やれやれと大袈裟に手をヒラヒラさせ、肩を落とした。
「君自に理由なんかない。 ただ、手頃な奴隷に貴重なヒーラーの素質があっただけの話だよ。 お前を買った頃はまだ駆け出しのEランク冒険者だったからね......安くて白魔導師になれそうな奴だったら誰でも良かったのさ」
夢の中にいるように、頭がふわふわとする。その話を理解することを拒んでいるようだった。
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