「あ、あの！」

側にへたり込むが口を開いた。見れば黃金のしく長い髪、青の瞳を潤ませこちらを見ている。歳は十二くらいか。

手にかかる錠と鎖から察するに、すぐに奴隷なのだとわかった。

「だ、ダメです！ すぐに逃げてください、殺されてしまいます！ 早くッ......！！」

彼は掠れるような聲で僕へとぶ。

「殺される？ 君は逃げないの？」

「彼の目的は私なんです、だから早く......！」

「......る程」

狀況を見るに、おそらくは殺されるかどうかの瀬戸際。自分だって怖いだろうに......。

彼を思い出すな。自分の事より他人を思いく、彼の事を。

そうだ、僕は......僕も、彼のようになりたい。

◇◆◇◆◇◆

ん～、何だか抜けたじの男だねぇ。なぜあれほどの臭いが染みついて小汚ないのかはわからないけど、現場の人間は皆殺しと決められているしね。

......あ、そうだ。いいこと思い付いたぁ。

助けようとした人間が目の前でぐちゃぐちゃになって殺されたらどんな反応するかなぁ。

より深い絶に顔を染める？

金切り聲で悲鳴を奏でる？

ふひっ......イイね！とてもイイ！！

こいつは逃がすふりをしてまた後ろから斧で斬りつけようか。今度は一撃で殺さないように、両腳を斬りおとしてきのとれないようにしよう。

それからこのに見せつけるように、のこりの腕を落として遊ぼうか。

「うん、いいよ。 君は逃がしてあげる。 これ以上殺しても喰いきれないしねぇ......君は行っていいよ。 そのを見捨てるのであればね」

「......わかった」

え、ん？

こいつ、を見捨てるのか？......てっきりを助けるか逃げるかで悩み苦しむところが見られると思ったんだけどなぁ。

まあ、いい、かわりにこのの苦痛に歪む様を楽しませてもらうからさ。

男はくるりと後ろを向き、道なりに歩いていく。

ん、あれ、こいつ人間だよな？足でさ迷っていたのか？ここ山の中だぞ？

......いや、まあ、いいか。

斧へと手をかけ、狙いをつける。その時それに気がついた奴隷のがぶ。

「――ダメですッ！！ 後ろーッ！！」

――遅いッ！！！

投げつけた戦斧は綺麗に奴の両足を刈り取った。飛沫（しぶき）が舞い、転がるようにごろごろと草むらに転げ消えた。

奴隷のびが悲鳴へと変わり、バイガンは満足げに口の端をにたりとあげた。

「ん～！ さてさて、まだ生きてるハズだからねぇ。 拷問して遊ぶのにちょうどいい」

「......あ、ああ......なんて事......」

その景を目の當たりにし、奴隷のは絶句していた。

い～い、表だああああ！！！！

その絶で固まった表は、これからどんな風に変化するんだ？いつか殺される自分を、こいつと重ねて泣きわめくのか、神が狂い笑うのか。失してぐちゃぐちゃに暴れたもいたが、お前はどうなるのかなぁ～？

歩いていくとに染まった草むらで、を発見した。拾い上げようとした時

――スパーンッッッ！！！

世界が反転した。

上下逆さま。そしてすぐに後頭部にゴンッという衝撃が襲った。當たったのはどうやら地面らしい。

に力をいれてもけない。なぜ？魔力も練られない......なんだ、どうなっている？

視界のはしにうつる見覚えのあるもの、俺はそれに恐怖する。

それは「首の無い自分の」だった。首がないが、出もない。

「あ......え、が......お、おれ」

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