《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》23.Sランク (ロキ 視點) ★

――暗く長い巖におおわれた道。

周囲に注意をはらいながら、ゆっくりと慎重に進んでいく。

「......なんか、この窟」

ヒメノがそこで言葉を止めた。なんかこの窟......なんだよ?最後まで言ってくれよ。気になるだろーが。

「ん、どうしたヒメノ? 何か気になる事でも?」

「本當にAランクなのかな? 私の剣聖の加護が強く反応してる......」

「って、ことはダンジョンにはAレート以上の大がいるってことか......」

ヒメノに宿る『剣聖の加護』は選ばれた剣士のみに発現するもので、一時的な能力の向上、反神経強化等の戦闘能力が発的にあがる。

そのおまけみたいな力で、自と同等以上の強敵が付近にいるとそれが反応して知らせてくれる。

「......どうしますか、A以上はかなり危険かと」

カナタが不安そうな顔でこちらをみる。

......確か、レイがいたときは......それでも行ったよな。だが皆無事に帰って來た。

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あれ、ていうかAランクダンジョンって、二回攻略したけどどっちもレイがいたときだったよな。

思えば、最後にAランクダンジョンを攻略してから五年もたってるのか。

......よし、このAランクダンジョンを攻略してレイの影を払拭する。

俺のパーティーがSランクの地位に居るのは、あいつの力ではないということを証明してやろう。

「いや、大丈夫さ。 俺たちはSランクパーティー......Aランクのダンジョンなんて攻略できて當然だからな」

Aランクダンジョンの気を付けねばならないポイントは大きく分けて二つ。

①魔の平均ランクがD~Aで、必ず一匹の魔ごとに狩っていく事。

例えDランクの魔であっても、數が多ければ危険な狀況に陥りやすい。

②ダンジョンは侵者を逃さないよう、迷宮になっていて迷いやすいので目印をつくる事。帰り道がわかるようにしっかりと魔力痕でマッピングしておかなければならない。※魔力痕=壁や地面に魔力を流して目印にする。

で確認した時、ふと思い出す。

......そうだ、レイがいた頃はそうした『まとめ狩り』だって出來てたんだよな。

あいつが敵の気を引きながらいていたから。

しかし、あいつはもう居ない。......そして、いらない。

そうだ。俺がそれをやればいいだけの話だろう?戦いの流れ、全的なパーティーメンバーのきを観ながら、俺が敵の注意を引く。

回避能力と狀況判斷力が求められるが、レイが出來ていたんだ。俺に出來ない訳はない。

「......行こう、初陣だ」

「あ? 初陣?」

「カナタがお初だからでしょー?」

「あ、はい、よろしくお願いします!」

「......」

いいや、これは初陣さ。奴の影を......レイの存在意義を俺が埋めてやる。

あいつは殺して正解、俺がいればこのパーティーはどうにでもなるんだから。

俺あってのSランクパーティー、グンキノドンワだ。

「――いるね」

ヒメノが言った。

「何匹だ?」

「一匹」

「......強いか?」

ちらりと見たヒメノの表が強張っていた。

「多分、ダンジョンマスター」

「ダンジョンマスターだと!? 最下層のフロアボスが何故......!?」

「わかんない......けど、逃げろって加護がんでる。 このじは、レートA+~Sくらいかも」

「おいおいおい、マジでかよ! そのレベルはユグドラシルの魔クラスじゃねえかよ! どーすんだ、リーダー様よォ!?」

このくそゴリラ......いや、今はこんなのにイラついている場合じゃない。

......。

いや......大丈夫だ。あれから、ユグドラシルから五年もの時が経っているんだぞ?

俺たちはいくつもの戦闘を経てあの頃よりも強くなっている。

「――やろう。 ......あの頃の俺たちとは違う。 勝てるさ」

それにこれはラッキーだ。ここでダンジョンマスターを殺せばあとは最下層までゆっくり進むだけ。

コイツより強い魔は居ないからな。

「ははっ、いーねえ! 流石グンキノドンワリーダー様じゃねえか!!」

「あーもう! 仕方ないわね! 久しぶりにギリギリのスリルあるバトルになりそうね......本當は嫌だけど!」

「......ッ......」

「が、がんばります......よろしくお願いします」

ひたひたと暗がりの向こうから歩く音が聞こえる。

やがてランプの燈りが屆く範囲にり、その相貌が文字通り明るみに出た。

それは、の人型アンデッドテラーだった。

「......こんにちは、冒険者のみなさん」

の部分部分がゼリーのように溶けている。

言葉を喋る......特異個

城で自分が言った言葉を思い出す。

アンデッドテラー......勇者パーティーでも四人で狩らねばならないレベル。

「あら......お喋りは、嫌いですか?」

アンデッドテラーはにこりと微笑んだ。

......いいさ、勇者パーティーと同等になってやる。

【とても重要なお願い】

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執筆を続ける力になりますので、どうぞよろしくお願いします( ノ;_ _)ノ

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