《人類最後の発明品は超知能AGIでした》01.研究者が見る夢
作中の科學技については、近未來に起こりえる事象をベースに書いています。
とはいえ、あまり専門的に突っ込んだことにはお答えできませんので、あくまで小説としてお楽しみいただければ幸いです。
「ロボット三原則……? 馬鹿げてるな」
目の前に座った友人は、そう言ってジョッキに殘ったビールをあおった。
午後9時の大衆居酒屋。
同じ大學の理工學部を卒業した柏木は、酔いが回ってきたらしい。
赤らんだ顔でゆるんだネクタイを引っ張ると、とうとう外してしまった。
「ハリウッドのロボット映畫じゃあるまいし、冗談でもそんなファンタジーを語っていると所長に呆れられるぞ」
所長以前に、お前が呆れているじゃないか。
酒のったのままに言い返そうと思ったが、正當に反論しようと思い直す。
「俺はただ、汎用人工知能に世界の支配権を與えないためには、どうしてもロボット三原則が必要になると言っただけだ」
「だから、それが馬鹿げてるんだ」
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騒がしい週末の店には人の聲がたえない。
薄暗い小上がりに陣取った俺たちは、飽きもせずに子供じみた論爭を繰り広げていた。
俺も柏木も勤める會社は違えど同業者だ。
商業的に役立つ、特化型の人工知能(AI)を世に送り出す仕事をしている。
オフとはいえ、ロボットテクノロジーに傾倒しているふたりが顔を合わせれば、仕事の話になるのは仕方がないことだった。
「馬鹿げてなどいない。AIが人間の知能を超えれば反は十分起こりえる。それを防ぐにはロボット三原則を組み込むことが最善じゃないのか?」
俺の言葉に柏木は肩を落とした。
「俺も將來的に、AIは人間を凌駕すると思ってる。だがそれはまだ先の話だ。超知能を持つデジタル生命が誕生して、暴走するだの人類を支配するだのを懸念するのは、月の土地が高騰化するのを今から心配するようなもんだろ」
「うまいことを言うな」
「茶化すなよ。それに俺はロボット三原則などという機械奴隷的な考え方は好かん。『人間に服従し、危害を加えず、かつ自分を守れ』だって? AGIに対する被害妄想も甚だしい」
AGIは汎用人工知能のことをいう。
AIよりもさらに汎用、自律に富んだ人工知能の総稱だ。
すらも持つといわれる、強いAIのことを指す。
「俺は別に、機械が奴隷だとは思っていないが……」
そう言いかけた俺を手で制して、皿に乗ったザルの枝豆をつまみながら柏木は言った。
「もうやめよう、この話は。AIの未來予測について楽観と不安を論議しようとすること自が間違いだ。俺とお前の間で見解が一致するわけがない」
「それもそうだな」
もとよりこれは、AI研究者たちの間では深い問題だった。
人類は人間レベルのAIを作ることが出來るのか。
さらにその上の、人間よりも優れた超知能を作り出すことが出來るのか。
そしてそれが葉ったとき、人類にとって良い結果になるのか。ならないのか。
恐ろしく悲観的な研究者もいれば、とことん楽観的な研究者もいて、両者の間でこの論爭は極端に別れ火花を散らしている。
その答えは、今のところ誰にも分からない。
「俺はな、AIの進化に懸念を抱いちゃいない。実のところ、超知能が生まれるのを見てみたいと思っているよ」
柏木がらしくもなくそんなことを言った。
夢見るような視線に気づいてしまえば、俺を弁護するだけのセリフとも思えなかった。
「超知能、か……」
「AIの手で生み出される超知能AGIだ。園(みその)、お前も見てみたいだろう?」
その問いに、俺はわずかな間を置いて答えた。
「もちろん、見てみたいよ」
時間不定期、毎日更新予定。
全10話。完結まで2萬文字弱になります。
【書籍版4巻7月8日発売】創造錬金術師は自由を謳歌する -故郷を追放されたら、魔王のお膝元で超絶効果のマジックアイテム作り放題になりました-
書籍版4巻は、2022年7月8日発売です! イラストはかぼちゃ先生に擔當していただいております。 活動報告でキャラクターデザインを公開していますので、ぜひ、見てみてください! コミック版は「ヤングエースUP」さまで連載中です! 作畫は姫乃タカ先生が擔當してくださっています。 2021.03.01:書籍化に合わせてタイトルを変更しました。 舊タイトル「弱者と呼ばれて帝國を追放されたら、マジックアイテム作り放題の「創造錬金術師(オーバーアルケミスト)」に覚醒しました -魔王のお抱え錬金術師として、領土を文明大國に進化させます-」 帝國に住む少年トール・リーガスは、公爵である父の手によって魔王領へと追放される。 理由は、彼が使えるのが「錬金術」だけで、戦闘用のスキルを一切持っていないからだった。 彼の住む帝國は軍事大國で、戦闘スキルを持たない者は差別されていた。 だから帝國は彼を、魔王領への人質・いけにえにすることにしたのだ。 しかし魔王領に入った瞬間、トールの「錬金術」スキルは超覚醒する。 「光・闇・地・水・火・風」……あらゆる屬性を操ることができる、究極の「創造錬金術(オーバー・アルケミー)」というスキルになったのだ。 「創造錬金術」は寫真や説明を読んだだけで、そのアイテムをコピーすることができるのだ。 そうしてエルフ少女や魔王の信頼を得て、魔王領のおかかえ錬金術師となったトールだったが── 「あれ? なんだこの本……異世界の勇者が持ち込んだ『通販カタログ』?」 ──異世界の本を手に入れてしまったことで、文明的アイテムも作れるようになる。 さらにそれが思いもよらない超絶性能を発揮して……? これは追放された少年が、帝國と勇者を超えて、魔王領を文明大國に変えていく物語。 ・カクヨムにも投稿しています。
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