《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第6話 初戦闘……?

クマのサヤに持ち運ばれながらの移中、ふと気付いたことがあった。

「ところで、サヤに一つ質問」

「ん? なに?」

「クマってズバリ『赤の群集』向きな気がするんだけど、なんで『灰の群集』にしたんだ?」

「あ、その事か。えっと、このゲームさ、リア友と一緒にプレイしようって事になってて、所屬分けみたいなのがあったら一緒なのにしようって事になってさ」

「ほうほう。リア友と一緒にか」

「で、キャラメイク中に外部通信が使えるか分からないから、始めから最後の選択肢にしちゃえって決めててね」

「それで『灰の群集』を選んだって訳か。なんかもったいないな」

「そうでもないかもよ? キャラ枠が他にもあるから、解放條件整ってからそっちを『灰の群集』向けに選んでもいいしね」

「あーなるほど」

そういや二枠目、三枠目があると言ってたな。三枠ある意味も考えろと言っていた。枠が増えれば解放される要素があるのか……? うーむ、オフライン版には一切無かった要素だからさっぱりだな。

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「……で、肝心のリア友は?」

「……初期地點って、バラバラみたいじゃない?」

「まだ合流出來てないって事か」

「その通りでございます。一回ログアウトして連絡は取ったんだけど『ばったり遭遇するまで自由行!』って事になって、ログインし直したところで誰かさんに転ばされて……」

「その節は本當に申し訳ありませんでした!」

「うむ、許す」

って事はそのうちばったりとサヤのリア友と遭遇する可能がある訳か。そうなったらどうしようか? ま、その時考えるか!

それにしてもなんかサヤとは初めて會った気がしねぇな。なんか楽しいわ! それにしても変なタイミングで攻撃しちゃった訳か。あ、そういえばあれってダメージはどうだったんだろうか?

「そういや転ばせちゃった時ってダメージはどうだったんだ? 攻撃として使えそう?」

「……うん、ケイはもうしヘルプをちゃんと読もうか。同所屬のプレイヤーにはダメージ無効だよ」

「そうなのか。このゲーム、死んでもメリットあるからでのポイント稼ぎの防止か?」

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「多分そうだろうね。あと、短期間での同容でのポイント取得は2回が上限だってさ」

「まぁそうなるか。てか、ヘルプの容ってかなり重要なの多くない!?」

ちゃんとヘルプを全部読む人ばっかりじゃないと思うんだ。うん、言い訳じゃないよ!?

化でポイントが貰えたのが2回なのはこの上限回數に引っかかったのか。まぁ、あれで上限なしだといくらでもポイント稼げるもんな。

「でもまぁ、あのらせるのって有効だとは思うよ? ダメージこそ同所屬だからけなかったけど、転んだ時は結構な衝撃だったしね。でも有効だとは思うけど、決め手に欠けるじかな」

「転ばせるだけだしな……。となると、尖った石でも足元にあれば有効か……? 土魔法とかしくなるな」

「地味だけどえげつない戦法だね」

「俺もそう思う。なんか取れるスキルでもないかな?」

「私もちょっと確認しようかなー」

俺とサヤは揃ってスキルの取得一覧を開いてみる。多分駄目だろうけどな。各種進化ポイントを消費してスキルの習得も出來るようになっているが、現時點では取得可能なスキルはなかった。

気になったのは融合進化ポイント10で取得可能な『増』だな。初めて見るスキルだけど、オフライン版には型モンスター用の『繁』とか、植系モンスター用の『株分け』とかがあったからもしかしたら同種のスキルな可能も……。

でも『繁』も『株分け』もで取れる系統のスキルじゃなかったし全く別か? あーわかんねぇ……。

「あ! 一個スキルを取得可能だ! よし取ろう!」

「どんなスキル?」

「増強進化ポイント3で『爪撃』だってさ。攻撃は『振り回し』しかなかったから、ありがたいよ!」

「『爪撃』か。爪のあるモンスターが取得可能な攻撃スキルだったな」

オフライン版でもあったごく普通の攻撃用スキルだ。爪のあるモンスターで初めに取るべきスキルの代表格だった。使い込めばどんどん派生して、違うスキルになっていったりする便利攻撃スキル。

「そういや、増強進化ポイントって何処で手にれた?」

「さっき言ってた一般生がいたとこだよ。この先に小川があるのさ」

「へー小川か」

クマに川……。魚を水中から弾き飛ばす景が目に浮かぶ……。いや、でもそれはないよな? いやでもオフライン版でもそんなポイント稼ぎあったな。魚のきを捉えるのが難しかったような……。

「多分、想像通りだよ?」

「マジで!? 川から魚を取ってポイント稼いだの!?」

「マジマジ! 1匹目2ポイントで、2匹目1ポイントで上限になって終わりだったけどねー。魚はもっと沢山いたんだけどなー」

「……それをコケの俺にどうやって狩れと……?」

「……あっ……そこはまぁ気合で?」

自信満々にここまで案してきたのに、致命的問題に気付いて項垂れるクマのサヤ。項垂れるクマ、やっぱりシュールな景だ。

さて、小川の魚か。なんとか今あるスキルで考えてみようかね。

さて、そんなこんなで辿り著きました。小川です!

<群數の一部が『群化』の効果範囲から外れました>

<群數が231減しました> 群數 153/500

っていきなりなんか一気に群數が減った!? 群化って効果範囲あったのか。そして効果範囲から出たらその分は減るという訳か。うん、安全な狀態で分かって良かったぜ。

気を取り直して、小川の様子を窺おう。うん、淺いけどちゃんと緑のカーソルの出る魚もいるな。さっき思いついたのを試して見るか。

「サヤ、合図したら小石ごと俺を川に投げれてくれない?」

「お、なんか思いついたの?」

「まぁね。うまく行くかはやって見ないと分からんけど」

「そりゃそうだね。さてお手並み拝見といこうかな」

作戦はこうだ。俺には水分吸収のスキルがある。それで川の水の流れ込みのない魚がいる所に放り込んでもらい、水を吸い取って魚のきを封じてやる。何も倒すことはない、弱らせるだけでもポイントは手にるのだ! オフライン版だとそうだった!

「それじゃ頼む!」

「わかったよ!」

サヤに投げれてもらって、水中にダイブ! よし、ちょっと不安だったが、水中でも一応は大丈夫そうだ。長時間になると分からんが……。早速、作戦開始だ!

<行値を1消費して『水分吸収Lv1』を発します> 行値 9/10

<吸収した水分はインベントリに収納されます。小川の水1個獲得>

お、吸収した水分はインベントリに収納されるんだ。これはオンラインの初仕様かな? よし、続々行くぞー!

<行値を1消費して『水分吸収Lv1』を発します> 行値 8/10

<吸収した水分はインベントリに収納されます。小川の水1個獲得>

んー思ったほど水分が吸収出來ないな。こりゃスキルのLv不足か? どうしよう、このまま続けるか?

ん? 魚が近寄ってきた。なんでつついてくる? ……おい、何する気だ!?

<一般生、川魚に捕食されました。群數が3減しました> 群數 150/500

<生存進化ポイントを1獲得しました>

おい、ちょっと待て!? 魚に食われるとかあんのかよ!? これは想定外だし、一旦中止!

で退避を……って、あれ? 使えねぇ!? もしかして群化してるのが視界にないと駄目なのか!?

<一般生、川魚に捕食されました。群數が3減しました> 群數 147/500

<生存進化ポイントを1獲得しました>

ちょ、ちょい待てよ! この石にあるコケの群數っていくらくらいだ? 10くらいか? 核がここにある狀態で食われたらどうなんの!? ……ちょっと試して見たい気もする。よし、試してみるか。

<一般生、川魚に捕食されました。群數が3減しました> 群數 144/500

<所屬ボーナスにより上限回數が一回追加されます。生存進化ポイントを1獲得しました>

お、これはラッキーだな。ボーナスってこんな風になるんだ。

<一般生、川魚に捕食されました。群數が3減しました> 群數 141/500

<群の核が捕食されたため、核を他の群へと強制移します>

<生存進化ポイントを3獲得しました>

あ、核が食われて群數が殘ってたらそうなるのか。予想外の展開だったけど、々と収穫ありだな。

お、視點が切り替わった。川を覗き込んでるサヤの後ろのコケに強制移したらしい。事前に近場で群化しといて正解だったよ。まさか魚に食われるとは想定外だった……。

それにしても川を覗き込んでるクマもシュールだなぁ。

「サヤ、実験終わったぞ」

「っ!? なんで背後にいるのかな、ケイ?」

「作戦は失敗したからだな。ただ大きな収穫もあった」

「ほう、それはどんなじのもので?」

興味津々なサヤの目に思わず気後れする。だって見た目はリアルなクマだもの。あれはパッと見、獲を見つけた飢えた獣の目に見えるんだよ!?

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