《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第20話 2日目は夜だった

「うっわ、日曜とはいえ寢過ぎた……」

昨日は土曜日だったので當然ながら今日は日曜日。もうすぐ11時という時間帯である。両親は殘業だったのか疲れているようで睡中だ。まぁ毎週というかいつもの景である。俺は単なる寢過ぎなだけ。

「さて、今日もゲームの続きやるか」

明日は普通に學校だ。休日にこそがっつりとやっておかないと勿無い!

母親が予め用意しておいてくれた朝食兼晝食のサンドイッチをさくっと食べてしまおう。晴香は先に起きたのか、既に食べ終わった形跡があった。ただし、後片付けはされておらず放置されている。

「まったく、片付けくらいしろっての……って、勝手にさせると大慘事になるだけか」

サンドイッチを食べ終えた後は自分の分と晴香の分の食を洗って片付けておく。せめて片付けくらいはしておかないとバチが當たるというものだ。

片付けを終えた後は自室に戻り、先程まで寢ていたベッドへと橫になる。VRゲーム機を頭に被り、Monsters Evolve Onlineの起するのであった。

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◇ ◇ ◇

そしてゲームを起してまず初めに訪れるログイン畫面。當たり前のようにそこにはいったんがいた。いつもの如くその部には言葉が書かれている。容は『協力プレイの希が予想以上に多くて、後に追加予定であったアイテムを前倒しし、救済策として実裝しました。詳しくは公式サイトをご覧下さい』となっている。今日は非常にまともな容だった。なんだ、あれは元々実裝予定のアイテムだったのか。

「こんにちは〜」

「強制ログアウトじゃなければ毎回ログインとログアウトでここに來るんだな?」

「そうだよ〜。まだ2枠目使える人は居ないからあまり意味ないんだけど、枠解放したらキャラの切り替えはここでやるからね〜」

「あ、そういうシステムなのか」

「そういう事なのさ〜。後は運営からのお知らせとか配布かな? あと一部特殊アイテムの使用もここだね」

「へぇ? って事は昨日のお知らせの分もここで配布か?」

「ちゃんとお知らせ見ててくれたんだね〜。そうだよ〜。ってことで、はいどうぞ」

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<アイテム『仲間の呼び聲』を取得しました>

お、これが例のアイテムか。いったんの表記も変わったな。『生息域が違い過ぎる場合は注意してね? 不可能ではないけど、結構大変なことになるから』って、やっぱりそうなるよな。合流は出來るけどその後が大変になる訳だ。

とりあえず使う予定はないけど、貰えるもんは貰っておこう。って、ここじゃインベントリ開けないんでは……?

「これって何処に片付ければいいんだ?」

「それは特殊アイテムだから、インベントリにはらないね〜。ここで保管になるから、その辺に適當に置いててくれていいよ。一覧はこっちで出せるからさ〜」

「なるほどね。ゲームのインベントリは圧迫しない訳だ」

「そゆこと〜。一覧見たかったり、使いたいアイテムがある時は言ってね〜」

「おう、わかった」

流石は変わっていても管理AIという事か。ちゃんと々と管理しているようだ。伝達事項は終わったようなのでキャラ選択でコケを選んでいく。

「お、もう行くかな? それじゃその前に1つ注意事項ね〜! 今日はゲームは夜だから気を付けてね〜!」

「あぁ、そっか。1日毎に晝と夜がれ替わるんだった」

「夜は夜で々変わるから違いを楽しんでね〜」

「おう、んじゃいってくる」

「いってらっしゃーい!」

別に管理AI相手に挨拶は必須でもないんだろうけど、なんとなく気分で挨拶してしまったな。まぁ減るもんでもないし別に良いか。

◇ ◇ ◇

所変わって、ログインしてきたゲームへ。

「うわ! 思った以上に暗いな!?」

鬱蒼とした森の奧地である為か、ゲーム的に真っ暗という事はないんだがそれでもかなりの暗さである。ちょっと怖い雰囲気すらあるな。うん、夜の日にメリーさん的ホラー演出をしたら結構良さそう……。やめておくと決めたんだった。やめとこう。

「お、ケイ! ログインしたか!」

「こんにちは、ケイ。昨日ぶりだね」

ログインした場所はログアウトした場所である。昨日はアルのすぐ側でログアウトしたからその場所である。そこでアルとサヤの聲が聞こえてきた。暗い中でもぼんやりとだが木とクマの姿が見えている。

「もっと早くにログインすると思ってたけど、意外と遅かったね? なにかあった?」

「いやいやケイの事だ。どうせ寢過ごしたかなんかだろ?」

「昨日知り合ったばっかなのによく知ってたみたいな事を言ってんじゃねぇよ、アル!」

「おー怖い怖い」

「……でも間違ってないってのがなぁ……」

ほんとアルは一気に遠慮が無くなったな。だが寢坊が事実な以上文句は言えない。いや待て、待ち合わせてた訳でもないのにログインが遅れて文句言われる筋合いもないのでは……? まぁいいか。とにかくアルとサヤも仲良さそうで何よりだ。

「よっし、賭けは俺の勝ち!」

「あー負けちゃったか。もう、ケイが寢坊するからだよ」

「何勝手に賭けの対象にしてくれてんの!?」

まさかの賭けの対象になっていたようである。え? 遅れた理由ででも賭けてたの?

「じゃあこれ、賭けの商品のハチミツね」

「おう、サンキュ! ハチミツが樹代わりになればいいけどな」

「あのーサヤさん? ハチミツとかどこで手にれたの?」

「えっとね、この周辺ウロウロしてたら蜂の巣を見つけてね? こうズバッとやったら手にったよ」

「あ、なるほど」

サヤが腕を振るうジェスチャーをする。なるほど、それは一般生の蜂には堪ったものではないだろう。

「で、なんでアルがハチミツしがってんだ?」

「それはな、『樹分泌』で蟲を呼び寄せるのがまだ効率悪くてな。そこにサヤがハチミツ採ってきたから、ハチミツで併用出來ないかなと思ってな」

「あー、蟲か。ってアルは食蟲植になる気か!?」

「……オフラインでもあったんだから、知ってて言ってるだろ」

「まぁな」

オフライン版での植系モンスターの育て方の定番のひとつである蟲の捕獲、そして『養分吸収』を蟲に使っての強化。『樹分泌』も『養分吸収』もオンライン版にも普通にあるんだな。進化先に食蟲植が出てくるが選択しなければいいだけでもある。蟲の苦手な人には非推奨。一応苦手生フィルタという、苦手な生を登録していればその生はデフォルメされるという機能もあるが、苦手な人はそれでも苦手だろうし。

それにしても俺がログインする前に々やっていたようだ。當たり前といえば當たり前か。

「そういやマップは群集クエストっていうので解放されたんだね。昨日の夜に友達から聞いてたけど、今朝まではログイン出來なかったんだよね。ケイも々やってたんだって?」

「アルから聞いたのか。まぁな、々手にったぜ? まだ未検証のもあるくらいだ」

「そうそう、私も蜂の巣を壊した時に稱號を手にれたよ。『蜂の天敵』だってさ」

「割と稱號は手にりやすいんだな」

「そうみたいだね。増強進化ポイント3も貰ったし、これ重要かも」

サヤもあっさりと稱號を手にれていた。サヤの言うように、この頻度で手にるなら結構強化していく上で重要になりそうだ。これは々やってみないといけないな。アルの方はどうだろうか?

「アルはあれからなんか手にったか?」

「おう、日付変わってリセットされた日毎の取得制限のある進化ポイントは分かる範囲のは全部取って、『作』が取得出來たぜ」

「お、それならけるようになるのも近いか?」

「あーまだくまでは無理だな。まだこんな程度だ」

そう言いながらアルの本の地面からひょっこりとの先が姿を表した。そのが手を振る用に左右へゆらゆらといている。これがアルのっこなのだろう。

「こりゃ暫くは練度上げか?」

「まぁな。ちなみに今は『作』はLv3だぜ」

「自慢げに言ってるけど、アルも結構難儀してたんだよ?」

「サヤさん!? なんで暴しちゃいますかね!?」

「アルはケイの事を々暴してたしね? これくらいは良いかなって」

ドヤ顔してそうなアルの影の努力をしれっとサヤが暴した……。暴度合いによって、相手側も同様に暴されるのか。サヤ相手には言には気を付けたほうが良さそうだ。

「まぁそれはいいや。ログインしたばっかのケイに良い報を與えようではないか」

「なんだよ、その微妙な上から目線は?」

「いや、なんとなく? まぁほっといても勝手に取得するだろうけど、教えとこうかなと思ってな?」

「どんな報?」

「ずばり、『夜目』ってスキルだ。俺は取得済み」

「もちろん私も取得済み! 晝間並みとまではいかないけど、結構見えるようになるよ」

「へぇ? 取得條件は?」

「確定ではないけど、夜の日にログイン1時間以上っぽいじだな」

「なるほど、まぁ丸一日が夜なんだし必須スキルって事なのか」

ログインした時は暗すぎるとは思ったけれど、それなりに配慮されているらしい。このゲーム、ランダム要素が多いとはいえ、結構運営としてはバランスには気を使っているっぽいな。ただ初期種族と初期エリアのランダムについてはオンラインで友人との協力プレイの需要の想定が甘かったという事か。偏りが出ないようにする為のランダムって言ってたもんな。

初めはコケはどうかと思ったけど、やってみればこれはこれで楽しいし、自分で選べたなら無難な攻撃的なモンスター選んでただろうしね。これはこれで有りなんだろう。

「ただし、『夜目』はオンオフは出來るけど発し続けるスキルで、オンにすると行値の上限が1減るけどな」

「マジか!? そういう風にバランス取ってくるのか!」

「多分、元々が夜行のモンスターの人に対しての配慮じゃないかな?」

「あ、そうか。標準で夜目が効く種族のプレイヤーには無用の長だもんな」

なるほど、オンオフ可能なパッシブスキルって事か。逆に夜行モンスターの人には晝間の行がしやすくなる同系統のスキルもありそうだ。変わり種ゲームなのに蕓が細かいね。とりあえず、夜の日は行値が1減るという訳だ。忘れないように気を付けよう。

「そういや、ケイさ? 昨日の夜にハチのプレイヤーに會ったりしなかった?」

「え? 會ったけど、なんでサヤが知ってるんだ?」

サヤが思い出したように唐突にそんなことを聞いてきた。確かに昨日はハチの人ことヨッシさんと出會いはしたけれど、なんでそれをサヤが知っていて聞いてくるんだ? またアルが喋ったのだろうか?

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