《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第178話 人類起源説(ほぼSF)

アヌンナキ伝説。

アヌンナキは3600年の周期で地球に近づくニビルという星に住んでいる。見た目は3~10メートルほどの巨人で、壽命は數十萬年とも言われている。

気が遠くなるほどの昔、金を求めて地球にやってきた。メソポタミアを拠點に活していた彼らはその後、労働力としてアフリカに居た猿人を人間へと進化させた……らしい。

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「ウチはプレレフアをコストに……そして殘り分はMPを消費して上級召喚――【モノリス】!」

幾何學的な魔法陣がプレレフアの足下に出現し、そのを飲み込む。そして、そこから黒い水晶のような板に一つ目がついた召喚獣モノリスが出現した。

「モノリスのスキル発。相手の召喚獣のコントロールを得る。対象は創生者の。――【テンプテーションアイ】!!」

モノリスの単眼が赤くる。だが、ネフィリム=アヌンナキには効果がないようだった。

「アカン……やっぱ無理やね」

「その通りですよ~。ネフィリム=アヌンナキはあくまで一の召喚獣として扱われますから」

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「えぇ!? それならじゃなくネフィリム=アヌンナキ自に今のスキルを使われたらマズくない?」

メルヘンの橫のリストカットが心配そうに言った。

「ご心配なく。ネフィリム=アヌンナキは専用スキル【マーナターミックゴールドコーティング】によって、神級召喚獣以外のスキル、攻撃をけ付けませんから~」

「えええぇ!? それじゃあ実質無敵だね!」

「そういうことですぅ。さてそれじゃあ、トドメといきましょうか~?」

メルヘンがちろりと舌を出しながら、アヌンナキへと指示を出した。

「待った!」

「……!?」

だが、それに待ったをかけたのは滅(ほろび)だった。メルヘンはアヌンナキの攻撃を一時的に止める。

「何か?」

「実は私(わたくし)、そこに居るリストカットさんの大ファンにて」

「え、本當に!? こんなところにファンが居たなんて、嬉しい!」

「いや貴方、さっきリストカットさんのギャグに全く笑っていませんでしたよねぇ!?」

喜ぶリストカットと訝しむメルヘン。

「確かに私(わたくし)は先ほど、リストカットさんの蕓で笑いませんでした。ですがあれは真剣勝負だったから。オフの私(わたくし)ならば笑にて」

「あ~そうだったんですね。私スベったのかと思って落ち込んでしましたよ」

「なので、最後にこれをけ取って下さい」

滅はの谷間から封筒を取り出すと、まるで手裏剣のようにリストカットに向かって投げた。

「ファンレターにて」

「きゃあああああ嬉しいいいいいい!」

滅からのファンレターをけ取って大喜びのリストカット。そんな彼を見てメルヘンはため息をついた。

「はぁ……まぁ気持ちはわかりますけどぉ。嬉しいですよね~ファンレター。わかりますよ? でも今は真剣勝負中ですから……ああもう私の話聞いてないですね~」

まだ勝負中だから浮かれるなと言うメルヘンだが、狂喜舞といった様子でスタジアムを縦橫無盡に走り出したリストカットを見て諦めた。

まぁ勝ち確定ですしぃ……と呟くと、その表を真剣なものに戻し、待機中のネフィリム=アヌンナキへ指示する。

「さぁ今度こそ……トドメです。怒りの鉄槌――【ニビルディザスター】!」

アヌンナキが両手でを作ると、そこにエネルギーが収束されていく。そしてそのエネルギーをコン、滅目掛けて解放しようとしたその瞬間。滅がんだ。

「チャンスにて――【忍法・変わり】!」

「えぇ!?」

職業【破壊者】から派生する特殊職業【忍者】専用のスキル【忍法・変わり】が発した。

「何かマズい気がします……ネフィリム=アヌンナキ、攻撃を中し……ああ止まらない!」

アヌンナキは手に収束されていたエネルギーを一気に解放する。水屬のエネルギー波がコンと滅を飲み込んだ。

だが。

「お二人のHP減はなし……ですか」

攻撃確かに二人に命中していた。だが、HPは減っていなかった。一何がと揺するメルヘンだったが、その理由はすぐにわかった。

「あああああ!? 私のHPがゼロになってる!?」

んだのはリストカットだった。一般プレイヤーを遙かに凌ぐ彼のHPが一瞬にして無くなっていた。そして、訳もわからないまま、狐につままれたような顔をして消滅していった。

「これは……あなたの仕業ということですか?」

「その通りにて。我が奧義が一つ【忍法・変わり】は自分たちがけるダメージをアイテム【代わり人形】、またはアイテム【代わりの札】を持つプレイヤーに肩代わりさせるスキルにて」

「ということは……」

「はい。あれはファンレターに偽裝した【代わりの札】にて」

「なんて卑怯な……!!」

歯がみするメルヘン。頭上に浮かぶネフィリム=アヌンナキに攻撃指示を飛ばそうとするが――先にいたのはコンだった。

「スキル発――【ダムドチャージ】。さらに続けて召喚獣召喚――管狐」

コンはスキル【ダムドチャージ】で召喚狀態だったモノリスを消滅させ、管狐を喚び出した。

「管狐、【多重影分】!!」

「こんこん!」

さらにスキルを使用すると、管狐の姿が9に分裂した。

「そんな雑魚召喚獣で一何を……?」

「こうするんや……せいっ!」

コンは懐から札のようなものを取り出すと、それをばら撒いた。その札を、管狐たちが一枚ずつ小さな口で咥える。

「その札……まさか……【代わりの札】!?」

「そのまさかや。さぁ管狐たち、その札をメルヘンはんにり付けて!」

コンの指示をけ、管狐たちが一斉に、そしてバラバラの軌道でき出す。

「アヌンナキ――迎撃です!!」

メルヘンの咄嗟の指示で、アヌンナキは地面に向かって拳を振り下ろす。だが……。

「くぅ……小さくて當たらない……!? ならまとめて倒すまで。――【ニビルディザスター】……あ、いやぁ!?」

アヌンナキへのスキル指示と同時、3の管狐がメルヘンのに【代わりの札】をり付けた。

それぞれ後頭部、背中、ももに。

「え!? え!? どこどこどこ!? どこにったんですかぁもう!?」

涙目で自分のをまさぐるメルヘン。そしてその間にアヌンナキの攻撃準備が完了。両腕から、水屬の超強力な攻撃が放たれる。

「これで終わりにて!」

その水の攻撃に自ら突っ込んでいく滅。そして滅は攻撃をける瞬間【忍法・代わりの】を発。そのダメージをメルヘンに押しつけることに功した。

「そ……そんな……最強のアイテムを貰ったのに……負けるなんて……」

HPがゼロになったメルヘンのの粒子となって消滅していく。

「まだまだ甘いですねメルヘン殿。最強のアイテムだけで勝てるほど、このゲームは甘くありません」

軽くウィンクしながら言った滅の言葉に、メルヘンはにこりと笑う。

「確かに……だからこそ、面白いのかもしれませんね」

「間違いありません」

「うふふ。負けはしましたが……楽しい勝負ができて満足です。次の試合も頑張ってくださいね~」

「フッ。當然にて」

そして、どこか満足そうにメルヘンが消え、彼の召喚したネフィリム=アヌンナキも完全に消滅。

こうして……。

奧の手を一切曬すことなく。コン&滅チームは二回戦にコマを進めるのだった。

滅さんのお披目的な話にしようと思ってたのにハメ技で難なく勝ったなこの二人……。

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