《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第180話 人がに落ちる瞬間を初めて見てし

バトルフィールドの袖には、第三試合もうひと組のタッグチーム、聖ダルクとライルがスタンバイしていた。

「いや誰なの……」

姿を覆い隠していたアンノウン――海外プロゲーマーのマイクとボブの顔を見て首を傾げるダルク。

対戦相手が不明ということで、一どんな有名人と戦わなくてはならないのかと構えていたダルクだったが、その正が明かされたところで結局相手がなんなのかはわからなかった。

「背の高い方はマイク。格闘ゲームを得意としているプレイヤーです。そして橫幅の広い方はボブ。奇抜なプレイングを得意とするカードゲーマーですね。どちらも海外のⓟスポーツ界隈で有名な選手たちです」

「プロゲーマー。強敵になりそうだね。見た目も怖いし」

「ハハハ。大丈夫。聖なら彼らを悩殺できますよ」

「……いや。僕も対戦相手も男だし。っていうか……」

ダルクは來ているチャイナドレスの裾をきゅっと握りしめる。

「僕はなんでこんな格好をさせられているんだ!」

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ダルクは現在、黒いチャイナドレスを裝備している。もちろんそれは普通のチャイナドレスではなく、神聖エリュシオン教団有志たちのに塗れた手によって様々な改造が施されている。

下は空きがあり、スカートは中を隠す気がないのかというほど短く、サイドにはスリットり。

その上、にはジャストフィットでスタイルをさらけ出す極悪仕様。思春期男子たちのエロい妄想がこれでもかと詰め込まれた一品である。

「著ておいて今更そんなこと言われても」

「大なんだよこれ!? 作るのは別にいいよ? けど普通に子に著て貰えよ!」

「させられるわけないだろうっ! 子にっ! こんな格好っ!! 可哀想だろうがぁっ!!」

「逆ギレ!? いや僕も十分可哀想だろ!?」

逆上したライルは一端咳払いして落ち著きを取り戻す。

「まぁ、これは我がギルド主催のコンテストの宣伝も兼ねているのですよ」

「ああ、あのイカれた企畫ね」

「聖はあの企畫の目玉ですから。こうしてびた格好で注目を集め、企畫を功に導きたいのですよ我々としては」

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「まぁ狙いはわかるけどさぁ。はぁ……男らしくなりたいという僕の目標から遠ざかっていく」

「いや、それは違いますよ聖。私は貴方の男らしくなりたいという目標を応援しているのです。だからこそその格好をしてもらいました」

「はぁ……?」

何言ってんだコイツ? という目でライルを見るダルク。

「竜の雛の化け……煙條Pというプレイヤーを思い出してください」

「煙條P……オエエエエエエ………………ゼェハァ」

「落ち著きましたか?」

「まぁね……で。彼がどうしたって?」

「彼は可いアイドルの裝をに纏っている。だが彼を『可い』とか『の子みたい』と言うものは居ない」

「だろうね」

「そこです。何故人は彼を可いと思わないのか。それは彼の男らしさのレベルが高いから。真の男らしさがあれば服裝など些事。そして、私が思うに聖よ。あなたの男らしさレベルは初めて會ったときから數段レベルアップしている」

男らしさレベル。また新しい概念が登場した。

「さぁステージに上がって見せつけてやるといい。可裝に負けない君の男らしさを」

「あ……ああ。わかったよ。レベルアップした僕の格好良さをみんなに見せてやる!」

ぐっと拳を握りしめ、ダルクはバトルフィールドへと向かっていった。

***

***

***

スタープレイヤーのマイクとボブはバトルフィールドに上がってくる相手プレイヤーを余裕の態度で待っていた。

「どんなヤツが來るのかねぇ」

「まっ。俺たちに掛かれば余裕だろ」

「だが俺たちとてフルダイブVRゲームは初験。ゲームセンスより総合的な能力が求められるジャンルだぜ?」

「オイオイ、だったら尚更俺たちが有利じゃねぇの。何せ軍屬経験だってあるんだからな」

「ハハッ。違いない」

※彼らは英語で喋っています。

「ともかく、一回戦が終わったら今日はフリーだ」

「可の子の居る店を予約してある。そこでぱーっとやろうぜ」

「いいねぇ。日本人のの子は可いから楽しみだ」

※彼らは英語で喋っています。

二人が談笑していると、ようやくダルクとライルのペアがバトルフィールドに上がってきた。

「ほうほう相手の一人はの子か~優しくしてあげないとなぁ。ん? どうしたボブ。ボブ?」

雷に打たれたように固まったタッグパートナーを心配するようにのぞき込むマイク。

しばし固まった後、ゆっくりとボブは口を開いた。

「決めたよマイク。俺、あの子と結婚しようと思う」

「ワッツ!?」

※彼らは英語で喋っています。

突如意味のわからないことを言い出した相棒に、マイクは驚きを隠せない。

「いやいや待てよ。確かにあの子はキュートだが、いきなり結婚はマズいだろ。どう考えても未年だぜ」

「ああわかってるよ。國籍が心配だって言いたいんだろ? だがの前にそんなものは関係ないさ」

「俺が心配してるのはお前の耳だぜ。いやマジで大丈夫か? 結婚ってのはお前だけの問題じゃない。相手の意志が重要なんだ。お前があの子に惚れるのは自由だが、それだけじゃ結婚はできないんだ」

「それなら問題ない。見てみろよあの裝。大きく開いた元にギリギリのギリギリを攻めたスカート丈。そしてえちえちなスリット。ぴっちりしてるも最高だ」

「ん? ああ確かにスゲー裝だが……あれは普通に俺たちの油斷をうための作戦じゃないのか?」

「あの子、俺のことが好きなんだと思う」

「コイツ馬鹿かよぉ!?」

※彼らは英語で喋っています。

「おいおい勘弁してくれよボブ。俺たちはプロフェッショナルだぜ!? 與えられた仕事をこなすことが最優先だ。仕事に私を持ち込むな」

「なぁマイク?」

「なんだボブ?」

「お前、仕事がそんなに大事か?」

「お前何しにここに來たの!?」

※彼らは英語で喋っています。

一方、盛り上がるボブたちを見たダルクは険しい表をしていた。

「英語だからなんて言っているかわからないけど……凄く馬鹿にされている気がする」

「そんなことはないですよ(英語わかるのでボブたちの會話把握済み)」

「くそうまた騙された……こんな裝じゃ舐められる。馬鹿にされたままで終われるか……【換裝】」

「あぁ勿ない」

自分が馬鹿にされているのだとじたダルクは白を基調とした騎士団のスーツぽい、守護者用の汎用裝備に裝備をチェンジ。杖を構え、戦いに備えた。

***

***

***

「ああ……チャイナ服から著替えちゃったぜ。キュートだったのになぁ……。ていうかあれ、男じゃね? くっそマジかよ。あっぶねー騙されるところだったぜ。目が覚めたぜサンキューなマイク。あやうく敵の仕掛けた罠に嵌まるところだった……マイク? おいどうしたマイク!?」

ダルクが男だと知って正気に戻ったボブは、雷に打たれたように固まった相棒マイクを心配する。

「決めたよボブ。俺、あの子と結婚しようと思う」

「ワッツ!?」

※彼らは英語で喋っています。

「いやいや待てよ。確かにあの子はキュートだが、いきなり結婚はマズいだろ。どう考えても男の子だぜ」

「ああわかってるよ。歳の差が心配だって言いたいんだろ? だがの前にそんなものは関係ないさ」

「俺が心配してるのはお前の頭だぜ。いやマジで大丈夫か? 結婚ってのはお前だけの問題じゃない。相手の意志が重要なんだ。お前があの子に惚れるのは自由だが、それだけじゃ結婚はできないんだ」

「それなら問題ない。見てみろよあの子の裝。まださの殘る中的な顔立ちだというのに、いっちょ前に大人の男が著るようなすらりとしたスーツをに纏っている。その背びしたじが堪らなくおしい。俺の好みにピッタリだ」

「いや、あれはネタ裝備を辭めて本気で俺たちと戦おうとしているだけなんじゃ」

「あの子、俺のことが好きなんだと思う」

「コイツ馬鹿かよぉ!?」

※彼らは英語で喋っています。

そんな風に二人がめている間にも、試合開始を告げるアナウンスが流れる。

「仲間割れですかね?」

「丁度良い。もともとこちらが不利なんだ。一気に片を付けてくれよ?」

「もちろん。では」

「うん、スキル発――【聖】!」

ユニークスキルの発と共に、ダルクの裝備が見目麗しい聖のものへと変わっていく。

「なんだ?」

「Oh、ジャパニーズトランスフォーム!」

「なんか凄そうだな。ここは一端クールになろうマイク」

「ああ。この仕事を完遂し、俺はあの子をアメリカに連れて帰るぜ」

「なるほど俺は仕事の後、お前を拘束しなくてはならないようだ」

「何か言ったか?」

「いーや気のせいだ。さ、まずは目の前の戦いに集中しようぜ」

「おう。俺のゲームテクであの子の心を虜にしてやるぜ」

※彼らは英語で喋っています。

「スキル発完了」

を終えたダルクの裝備は児アニメの戦うヒロインのような鎧とドレスを組み合わせた服裝に変化する。灰の短髪だった髪は腰の辺りまでび、キラキラと神々しいパーティクルを放つ。

「さぁどこからでも掛かってこぉい……あれ?」

準備萬端。いざ勝負と威勢良くんだ聖はぽかんと口を開けた。

目の前のマイクとボブは互いのぐらをつかみ合いながら、何やら言い爭いを始めたからだ。

「おいおいおいおいおい。あの子と結婚するのは俺なんだが?」

「冗談だろ? あの子が男だと知って手を引いたのを俺は見逃さないぜ」

「気のせいだ。可ければ問題ない」

「確かに……こうなったら仕方がない」

「ああ。5G’sの掟に従い、貴様とは【デスマッチ】を行う必要があるな」

「幸い日本にゃゲーセンが沢山ある。そこで決著を付けようぜ」

「上等だ」

※彼らは英語で喋っています。

「え……あの……えぇー!?」

ヒートアップしたマイクとボブは勝負などそっちのけでログアウトしてしまった。

數ヶ月後、神聖エリュシオン教団に彼ら二人の姿が加わることになるのだが、それはまた別のお話しである。

***

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***

「ボス。行方不明となっていたマイクとボブからビデオレターが屆きました」

「……。嫌な予しかしないけど……再生してくれる?」

「はい……」

「日本マジヤベー」

想復活させました。

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※挿絵の背景の宇宙空間は素材をお借りしました。URLは畫像元のみてみんさんの方に記載してあります。

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