《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第183話

コミカライズ一巻、本日4月5日、発売です。

是非よろしくお願い致します!

『え、え~と。どうやらゼッカさんとギルティアさんはけるようになったようです。で、では戦いを始めてください!』

アナウンサーの言葉がフィールドに響く。

「職業【聖騎士】と【占星師】……何をしてくるか全く予想ができないんだけど!」

けるようになったギルティアはサキとフミの職業を見て喚く。

「【占星師】の子が怪しい。何か大技の準備にったのかも」

【占星師】のフミはサキほどから、手に持った杖を天に掲げてている。ゼッカの読み通り、スキルの準備にったのだ。

その名も【スーパーノヴァ】。一瞬で相手のHPを削り切る強力なスキルである。

「はは~ん、なるほどね。確かにそんなフォーメーションだわ」

そしてそのフミを庇うように立つサキを見て、ギルティアも納得する。

「そうなれば……」

「一瞬で制圧するしかない」

「オーケー。それじゃ二人同時に行くわよ」

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「うん」

「「――【ファイナルセイバー】!!」」

ゼッカ、ギルティアの二人は同時に最強スキルを発。剣から放たれた強力なエネルギー波がサキたちを襲った。

***

***

***

「火力でゴリ押しするつもり? ふぅん、意外と単純なのね」

敵の攻撃を冷靜に予測するサキ。剣士最強の攻撃スキルである【ファイナルセイバー】に厄介な追加効果などはない。

(私たちのキャラはあの子たちのキャラの倍以上の能がある。素でけてもいいけど……)

「念には念をれる――【パラディンズ・サンクチュアリ】!」

サキの足下から白い魔法陣が広がって、二人を白いオーラが包む。味方全員の防數値を倍にする。

そしてゼッカたちの放った【ファイナルセイバー】が直撃するが、しのダメージで終わる。

「――【パラディンズ・レイン】!」

サキは続けてスキルを発。すると、晴れた夜空から雨が降り注ぐ。その雨はサキたちのを濡らすと、癒やしの力となってHPを回復する。

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(あの子たちの最強スキルは大したダメージにならない。それに、ダメージをけても降り注ぐ雨で回復する)

「後はフミちゃんの準備が整うまであの子たちを足止めするだけ!」

二人の、先にこちらに向かってきたのはゼッカだった。盾を前に構え、攻撃に備えるサキだったが。

「え……手ぶら!?」

獣のように低い姿勢で走ってくるゼッカの手には、剣が握られていなかった。

「なら迎撃を……!」

いつつも、これなら剣で迎撃しようと右手を振り上げるサキ。だがそれはゼッカの罠だった。

「――【換裝】」

短く呟きスキルを発させたゼッカは両手にそれぞれ剣を握る。

長を上回る大きさの剣を二本。

「はああああ!!」

「――なっ!?」

サキの無防備な脇腹に巨大な剣が叩きつけられる。致命傷ではない。しかし、予想より大きなダメージだった。

「くっ――このっ!」

衝撃に顔を歪ませつつ、剣を振り下ろすサキ。だがゼッカは手に握った剣を手放すと、そのまますり抜けるように転がって攻撃を回避した。

そして素早くサキの背後に回ると再び【換裝】を発。両手に巨大な剣を二本握り――

「――【グランドクロス】!」

「ぐっ!? ああああああ」

背後から二刀流最強の攻撃スキルを命中させた。

「ちぇ。倒せなかったか」

「な……なんで……あなたのそれ両手剣でしょ?」

GOOの剣には種類がある。片手で持て、軽く取り回しがしやすい代わりに攻撃力の低い片手剣。

そして両手でないと扱えず、取り回しもしにくいが一撃の破壊力が凄まじい両手剣。

ゼッカは新しく手したスキル【剛力】によって、本來両手でないと裝備できない武を片手で裝備することができるようになった。

それを二刀流と組み合わせることで、レベル200のスタープレイヤーにさえ致命傷を與えるだけのステータス強化を行っているのだ。

だが強力な分、その扱いは難しい。「裝備できる」とは「使いこなせる」とイコールではないのだ。

ゼッカが元々持つ運センスとバランス覚、そして地道な練習があって初めて扱える戦い方なのである。

「くっ……やっぱり油斷できない」

半分以上削られたHPを雨でいやしながら、サキはちらりとフミの方を見やる。ギルティアがフミに迫っているのが見える。

邪魔をさせる訳にはいかなかった。

「させないよ――【パラディンズ・ジャッジメント】!」

サキが剣を上に掲げると、剣先から白い稲妻がいくつもあふれだし、ゼッカとギルティアを襲う。

「ぎゃ!?」

ギルティアは避けることができず、敵の攻撃をけてしまう。

「……」

一方ゼッカは無數の稲妻攻撃を無駄のない最小限のきだけで回避。

「こうなったら連続攻撃よ――【パラディンズ・スラッシュ】【パラディンズ・テスタメント】【パラディンズ・ブレイド】!」

振り回す剣から放たれる無數の攻撃スキル。だがその全てをゼッカは回避する。

「くっ……なんなのそのき、まるでサル」

「落ち著いてサキちゃん。私の【スーパーノヴァ】が発すれば勝てるから。あと60秒だよ」

「あはは……オッケー。あと60秒ならなんとかなる」

不敵に笑うサキ。

「くっ……油斷したわ」

「大丈夫ギルティア?」

「大丈夫よ」

「時間がない。アレを使おう」

「……!? そう、ここでアレを使うのね!」

「うん」

「何の相談かしらないけど……貴方たちにはもうし大人しくしてもらうよ……スキル発――【究極剣製】!」

「は?」

「EXスキルまで!?」

サキが発したのは剣士専用のEXスキル。発功すれば不利な狀況を打開するスキルを持った剣が生され、そのバトル限定で裝備できる。

「悔しいけどプレイヤースキルでは私の完敗。だからこのEXスキルに賭けてみることにしたわ」

自分たちの運命を……全て賭ける。

「はっ、これだからキャラスペだけの素人は。それ自分が不利じゃないと功確率めっちゃ低いんだからね!」

「でも、ゼロじゃない」

「ゼッカ?」

ゼッカはサキを睨み付けると、EXスキルの行く末を見守る。失敗すれば杞憂だが功すれば手痛い反撃をける。

『Dシステム起

『これより剣製を開始します』

功確率0.122パーセント……』

「はっ! はは、殘念だったわね! 當たるわけないわ!」

(お願いします神さま。私たちのために……勝利のための剣を)

『剣製功……これより剣製を開始します』

「やった……やったよサキちゃん!」

「うん……うんっ!」

サキの手に、神々しく虹に輝く剣が握られた。

「何でよおおおおおおおおおおズルいでしょおおおおおお!! ノーカウントよおお! ノーカン! ノーカン!」

確率の壁を越えブチ切れるギルティア。

「やめなよみっともない……それに。EXスキルは無敵じゃない。まだ負けじゃない」

「そ……そうだったわね。アレを使えば……」

「うん、あのプランでいこう。準備よろしく」

「ふふ、オーケー」

対するサキはフミを守れる位置に移すると、ゼッカたちに勝ち誇ったように剣を掲げる。

「悪いけど私たちの勝ちよ。私が手にれたのは【絶対追尾の虹剣】。この剣から放たれた攻撃はあらゆる防効果を破壊・貫通する」

「そんな……防効果を」

「破壊……貫通ですって!?」

「それだけじゃない。貴方たちに命中するまでどこまでも追い続けるの! これで終わりよ――【パラディンズ・ファイナルセイバー】!!」

の剣から一筋のエネルギー波が放たれる。それは二重螺旋となってゼッカたちに襲い掛かる。

「當たればその時點でこちらの勝ち。逃げ続けてもフミの【スーパーノヴァ】が完すればこちらの勝ち。この勝負私たちの勝ちよ!」

「フッ、それはどうかしら?」

「……?」

「行くわよゼッカ、スキル発――【コーディネーター】!」

「何……何のスキルを発したのよ!?」

ゼッカの手には両手にはそれぞれ両手剣が握られている。

「條件さえ揃えれば現在確認されているGOOの剣の中でも、最大の火力を出せる両手剣【奇跡のマグナソード】。そして相手の攻撃をカウンターすることができる【野球剣ホームブレード】。アタシの持つユニーク裝備をスキル【コーディネーター】でゼッカに裝備したのよ!」

「そんなっ! ユニーク裝備は自分しか扱えないはず……それを味方に!?」

スキル【換裝】を極めたギルティアが新たに手にれたスキル【コーディネイター】は、自のストレージにある裝備を味方に裝備することができるスキルである。

所有権はギルティアのままであるため、ユニーク裝備であっても問題なく裝備させることができる。

「けれどそれで【パラディンズ・セイバー】を攻略できるのかしら!」

螺旋がゼッカたちに迫る。

ゼッカはヘビのように唸る敵の攻撃をキッと睨むと、握った剣を構える。

「絶対なる一振り。真なる一振り。今ここに集いて、その力を一つに……【フュージョンブラスト】起……エンチャント……追加効果獲得」

二本のユニーク剣を差させ、十字を切る。

「――【ミラクル・ホームラン・スラッシュ】!!」

ゼッカが放ったがサキの攻撃を全て吸収。その威力を取り込んで倍増させ、サキとフミへ跳ね返す。

「私たちはこの瞬間を待っていました。貴方たちが強い攻撃を繰り出す、この瞬間を」

「ま、それがEXスキルなのは予想外だったけどね」

不利な狀況を打開する能力がその場で生されるEXスキルは、一見最強のスキルに見えるが、弱點がある。

それは発したプレイヤーが認識している驚異にしか対応できないこと。つまり非公開報によるカウンターに非常に弱いのだ。

サキの勝利への執念がEXスキルの功を引き寄せた。だが、それが逆にゼッカたちの勝利のきっかけとなってしまった。

圧倒的なステータス差を持つサキたちへ致命傷を與えるため、ゼッカたちはこれを作戦プランの一つとして準備していたのだ。

「く……ここまで……か」

サキは目を閉じる。

悔しさはあった。だがそれ以上に清々しい気持ちだった。きっとあのまま剣を振り下ろしていたら、こんな気分にはならなかっただろう。

しいものがあったのに……殘念でしたね」

ふと、サキの耳にゼッカの聲が聞こえた。見れば、あの燃える目をしたはこちらをじっと見つめていた。

サキは笑う。

「いや……しいものは……もう持っていたみたいだよ」

しかったのは力。仕事を取れる力。人気を取れる力。嫌な思いをしなくていい力。

けれど、ゼッカの目を見て気付いた。

その力は、始めから持っていたということに。

あとはこの力を。自分の中に燃えるこの力を、ひたすら強く鍛えていくだけ。

「戦えて良かった。楽しい勝負だったよ」

ゼッカの攻撃がサキとフミに命中する。いくつものスキル効果が重なり何倍にもなった攻撃は、一撃で二人のHPをゼロにした。

一回戦がようやく終了しました……長かった。あ、そういえばまだ掃除しなくちゃいけないゴミがありましたね……。

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