《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第187話 復讐なんてんでないよ?
『ハァイ、メイちゃん。何かワタシに用かしら☆』
メイがギルド用の通話機能で呼びだした相手はドナルド・スマイルだった。
「あ、ドナルドさん! 繋がって良かったです」
『仕事が終わって、丁度ログインした所よ~。それで、どうしたのメイちゃん。珍しいわね、貴方が連絡くれるなんて☆』
「はい。それが、中學生のプレイヤーさんたちからお化け屋敷のチケットを貰ったんです。けど、私たちは自分のお化け屋敷があるから行けなくて……」
『アラアラ……☆』
「それで、私たちの代わりに中學生さんたちのお化け屋敷に行ってくれる人を探してて。チケット無駄に出來ないですし。ドナルドさん、こういうの好きですよね。どうですか? 殺し合い祭りの時の防衛部屋とか、地獄みたいだったし」
『ちょっとちょっと~地獄なんて酷いわ~。あれは蕓よ蕓。まぁでも、たまには怖いもの見てんで、仕事のストレス発散ってのも悪くないわ☆』
「はい! それがいいと思います! チケットも20枚くらいありますから、周回してください」
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『流石にお化け屋敷周回はキツいわよぉ。誰かいないかしら……あ、丁度いいところに。煙條ちゃ~ん☆』
『ほう……お化け屋敷ですか。苦手ですが、チケットをくれた中學生たちの厚意は無駄にできません。私も同行しましょう』
「はいはい……。ええ……。それじゃ、お化け屋敷前に集合ということで。はい。それじゃ……ふぅ」
通話が終わる。
特に噓をつくことなくドナルドを中學生たちの居る廃ホテルへと導することに功したメイは、一仕事やり終えた清々しい表をしていた。
だが、そんなメイにパンチョが聲をかける。
「なぁ、メイ……」
「何?」
「いや、確かに俺たち、この廃病院を滅茶苦茶にされてムカついてたけどさ。中學生共をぶっ倒してーと思ったけどさ……。ドナルドさんと煙條Pさんを向かわせるのは流石にやり過ぎじゃねーか?」
パンチョの言葉にメイ以外の小學生たちが頷いた。だがメイは首を傾げる。
「なんで?」
「いや、だってほら……あの人たち、一部で止カードとか『D』って呼ばれてるし」
「軽はずみで呼んじゃいけない存在というか……」
「使用は條約で制限掛かってるっていうし……」
「確かに中學生の人たちは酷いと思うけど……」
「『D』の被害に合うほど悪いことをしたとは……思えない」
小學生たちはメイに対し「それはちょっとやり過ぎなのでは?」と思っているようだ。
だがこれは、子供同士の問題に親や先生が介してきたときの気まずさでは斷じてない。
確かに自分たちは酷いことをされた。
數日かけて、一生懸命作ってきたものが壊される。それはとても悲しかったし、相手を酷い目に遭わせてやりたいという負のが湧き上がったのも事実。
だが、それでも「やり過ぎでは?」という気持ちが拭えない。
ちょっと悪口を言われた仕返しに怒りのあまりロケットランチャーを打ち込んでしまったような、そんな複雑な気持ちが子供達を支配していた。
言わば罪悪。
皆の心がそれに支配されているとじたメイは、にっこり笑う。そして、彼らの心の荷を軽くする言葉を放つ。
「みんな勘違いしているよ。私、別に報復のつもりでドナルドさんを呼んだんじゃないんだよ。ただチケットが勿ないと思った。それだけなんだよ」ニッコリ
「……」
「その証拠に……私、中學生の人たちに妨害されたなんて、一言も言ってないよ? 『仕返ししてしい』なんて、言わなかったよね?」
「た……確かに」
「言ってなかったな」
「言ってはなかった」
「うん、ドナルドさんは口では怖い怖い言ってるけど、本當はお化け屋敷とかホラーが好きな人。そんなドナルドさんならチケットを渡すにふさわしい。そう思ったから連絡したんだよ。本當にそれだけだよ? 本當だよ?」ニッコリ
メイの言葉に、この場に居た小學生たちは安心したようだ。
「な、なんだ……」
「そうだったんだね」
「そうだよ。メイちゃんは仕返ししてしいなんて言ってない!」
「純粋にドナルドさんにお化け屋敷を楽しんでしかったんだね!」
「そうだよー。私が復讐なんて……しかもそれを人に頼むなんてするわけないよ。みんな酷いな~あははは」ニッコリ
「ごめんごめんって」
「メイちゃんが心ブチキレてるのかと思ったからさ~」
「あはは。それじゃみんな、気を取り直して、お化け屋敷の修理頑張るよ!」
「「「「おおおおお!」」」」
「中學生さんたちも……きっと妨害には來れなくなると思うから」
最後のメイの呟きは、誰の耳にも屆くことはなかった。
「……」
この場を納めつつ、ドナルドと煙條Pという最恐の刺客を敵陣に送り込んだメイを見て、オウガは思った。
(怖いモノ好きなドナルドさんに純粋にお化け屋敷を楽しんでしかった……? みんな甘いぜ)
オウガはひとりこわばった表のまま、恐怖で足を震わせている。
(メイが本當にそう思っているなら、まずここにドナルドさんを招待するはず……。でもメイはそれをしていない……)
「つまり、そういうことなのさ」
「いや、どういうことだよ」
オウガの言葉に、橫に居たゾーマが訝しげにつっこむ。
「メイちゃーん! 來たわよー!」
「あ、ドナルドさんたち來た。ちょっとチケット渡してくるね」
下にドナルドが到著したようだ。メイがパタパタと階段を降りていく。
「どうやら、中學生たちの終わりが始まったようだね」
メイの跳ねるツインテールを見つめながら、ゾーマの言葉に頷くオウガ。
メイのとった行については、オウガだってやり過ぎだと思う。「やり過ぎじゃね? そこまでやらなくても」と思った他のメンバーたちの気持ちもわかるつもりだ。
だが、このお化け屋敷の企畫を一番頑張っていたのはメイだと、オウガは知っている。
あんな理不盡なことをされて、一番悔しい思いをしているのはメイなのだ。
本當は自分の手で仕返ししたいはず。だがそれをしないのは、みんなと一緒に作り上げたこの企畫を臺無しにしたくない。その一點で、耐えているのだ。
だからこの程度の仕返し、全然いいんじゃね? とオウガは思う。
中學生たちに同するつもりも全く無かった。
「さて、それじゃあ中學生たちのことは大人に任せて……俺たちは修理を頑張るぜ」
「ああ。踏みとどまったメイちゃんの思い、無駄にしないようにしないとな」
オウガとゾーマは頷くと、駆け足で修理に加わるのだった。
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