《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第198話 言葉は慎重に選べよ

「ぽきゅぽきゅ」

「よしよしトリマル~可いわね~」

ぴょいーんとヨハンの顔の高さまで跳ね上がるトリマルをでるヨハン。ヨハンの手に振れたトリマルは再び地面に落下、そこから再飛び上がりヨハンの手の平へ……を繰り返しており、傍から見ればドリブルをしているかのようだった。

「それで、そのヨハンさんの狙いとは?」

ヨハンが取り出したアイテムを見つつ、ロランドが先を促した。

「ごめんなさい、トリマルが可いものでつい……」

「ぽきゅう……」

トリマルも申し訳なさそうに目を伏せた。「すまない。可すぎてすまない」と言っているようだ。

「トリマル、メテオバードの進化前の姿……ということは、進化召喚でしょうか?」

「そうね。けど、トリマルのスキルではなく……これで進化を行うわ!」

ニッと笑ったヨハンが取り出したのは手の平大のゴージャスなアクセサリーだった。

のフレームに夕焼けのように輝く寶石が埋め込まれている。そして、首に下げられるような紐もある。

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「これは【空のメダリオン】。バチモンの作中アイテムで、子供たちがバチモンを進化させるのに使うアイテムなのよ!」

アニメ版バーチャルモンスターでも重要な役割を持ったアイテム【メダリオン】。それが、今回より実裝された。

イベントポイントを使うことで、それぞれのバチモンに対応した【メダリオン】を手できる。

そして、ヨハンが持つ【空のメダリオン】はトリマルに対応したメダリオンなのだ。

「なるほどメダリオン。やはりメダモンのパクr……すみません失言でした。ですのでその振り上げた腕を降ろして下さい。トリマルも……私を攻撃するのはやめてくさい!」

「こほん。このメダリオンを使うことで【進化召喚】と同じことができるのよ。というわけで、行くわよトリマル!」

「ぽっきゅ!」

メダリオンにめられたエネルギーが解放され、それに呼応するにようにトリマルの輝き――

「進化――メテオバード!」

「きゅおおおおお」

隕石のような外殻を纏った火の鳥が姿を現した。久々の出番のメテオバードは嬉しそうにヨハンに頬ずりした。

「素晴らしい……いつもより力強くじますね」

「ええ。【メダリオン】を使って進化すると、進化前のステータスとスキルを引き継ぐことができるの。それだけでいつものメテオバードより強いのだけれど……」スチャ

ヨハンはメテオバードに再びメダリオンを翳す。

「さらに進化――」

メダリオンが輝き、メテオバードの姿が炎に包まれる。そして、中から巨大な鳥人が姿を現す。

「――メテオフェニックス。メテオバードが進化した上位形態バチモンね。は人型に変化し、翼は背中に移を包んでいた隕石の外殻はめた力を解放、赤い鎧となってそのを守る。必殺技は――」

「よ、ヨハンさん!? 早くしないと」

「むっ、そうだったわね。メテオフェニックス! 敵はあのデモンチュラスよ! やってしまって」

「ガルっ!」

背中の翼をはためかせ、メテオフェニックスは敵目掛けて飛翔する。

「……。普通に置いていかれたのですが……」

ヨハンの召喚獣に乗って飛んでいくハズだったロランドは、メテオフェニックスの背を見送った。

「パクリとか言うから嫌われたのよ」

「ぐっ。悪気はなかったのですが……しかし、敵はレイドボス。メテオフェニックスだけでは厳しいでしょう。やはり私もいかなくては」

「また剣を乗り継いでいくの?」

「それもいいですが……違う方法がありますよ」

「……?」

ロランドはにこりと笑うと、ストレージからアイテムを取り出した。

「それは……バチモンドライバー!?」

「流石ヨハンさん。ご存じでしたか」

バチモンドライバー。これもバチモンコラボイベントのポイント換アイテムだ。

アクセサリーとして腕に裝備することができるアイテムで、晶モニターと召喚石セット用のスロットが開いている篭手のようなアイテムである。

このスロットに召喚石をセットすることで、セットした召喚獣のスキルを発することができるようになる。

さしずめ簡易的な【ヨハンなりきりスターターセット】といったところか。

ただし條件はある。

無條件で発できる召喚獣の級は初級まで。中級以上は【その召喚獣を召喚した記録】が必要なため、召喚師以外のプレイヤーが使えるのは実質初級までとなる。

「だが初級だけ使えれば十分です」

爽やかに笑いつつ、ロランドは召喚石をスロットにセットする。

「それは――」

「ええ。ヨハンさんと一緒に周回し手にれたあの召喚獣」

ロランドは初級召喚獣ウルトラ仮面ルーツワンの召喚石をセット。

「これで私はルーツワンとなった」

「え、それは違くない?」

「スキル発――【電子合】!」

スキル【電子合】。手持ちの【電子獣】召喚獣と合を可能にする。

その効果でロランドが選んだのは【飛行能力】を得ることができる【ドラゴンウィング】。

ロランドの背に緑の羽が裝備された。

「コンバイン!! ――ロランド・ドラゴンモード!! うおおおおおおおおお」

翼を得たロランドは凄まじいテンションで空へと飛んでいく。

「すげええええ!」

「格好いい!!」

周囲からまばらに聲が聞こえる。見れば、男子たちには好評のようだった。バチモンドライバーが比較的簡単に手できるアイテムなので、あんなじのプレイヤーを今後良く見かけることになるかもしれない。

「や、やりますねロランドさん……ですが私は貴方を越えてしまいますよ?」

一方、飛んでいくロランドを見送りながらあわわと冷や汗をかくメイ。

ヨハンは気にしていないのだが、それでも先ほどの失點分を取り戻そうと必死である。

「ロランドさんのネタをパk……インスパイアさせて頂きます」

ぼそっと呟くと、メイもバチモンドライバーを左腕に裝著。ルーツワンの召喚石をセットした。

「召喚獣召喚――ユグドラシルフォートレス!」

幾何學的な魔法陣からダンプカーほどの大きさを持つ亀の召喚獣が姿を現す。。

「ボオオオオオオオオオオオ」

そして、ユグドラシルフォートレスの咆哮と共に、メイに新たなスキルが與え得られる。

「いくよ電子獣くんたち――【電子融合】!!」

ユグドラシルフォートレスが天に向かって咆哮すると、メイの周囲に七つの魔法陣が展開。

そこから他の電子獣たちが召喚され、バラバラのパーツに分解されていく。

そして一番巨大なユグドラシルフォートレスを中心にパーツが集まり、新たな召喚獣としてフィールドに誕生する。

「出でよ――最強電子獣オロチ!」

とても八岐大蛇には見えないオロチが姿を現すのを確認すると、メイはさらにスキルを発する。今度は、バチモンドライバーで自らルーツワンのスキル【電子合】を発

『「究極合武人――ウルトラ仮面ザ・スサノオ!!」』

「め……メイちゃん!?」

『「待っていてくださいヨハンさん。私もかならずお役に立ってみせます」』

ドラゴンモードになったロランド。そして究極合武人と化したメイ。新たな力を手にした二人のプレイヤーはメテオフェニックスを追いかけて空へと向かうのだった。

6月10日、書籍第二巻が発売です。よろしくお願いします!

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