《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第201話 チュートリアルしていく~

一層と1.5層、見苦しくてごめんなさいね……

一時間ほどの休憩を挾み、再びログインしたヨハンはメダモンコラボを開始する。

だがメダモンコラボは一ヶ月の長期間に渡る大型企畫。その規模もこれまでのコラボイベントとは一線を畫していた。

「ええと……イベントエリアに行くには、はじまりの街からワープしていかないといけないのね……」

メダモンコラボを遊ぶには第一層、はじまりの街の中央に出來たゲートをくぐり抜け、第1.5層へと向かわなくてはならない。

「到著と。ふぅん……凄いわね」

ゲートを抜けると、そこは街だった。だが、はじまりの街のようなファンタジー系の、中世ヨーロッパ風の街ではない。

「ええと……雰囲気からして東京駅前かしら……なんだか丸のっぽいわね」

背後には東京駅にしか見えない建。その向こうにはまるで外側のエリアを隠すようにビル群がそびえ立つ。

そして進行方向へ目を向ければ、お灑落に歩道された道がびていて、その橫に近代的なビルが並んでいる。

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電燈やビルの明かりに照らされた白いタイルの道は、しく幻想的だった。

第1.5層【メガトウキョウ】。

このメダモンコラボイベントのためだけに作られた特別なエリアである。

『東京アルキング』という売れなかった家庭用VRゲームのマップを再利用しているらしく、その景は東京そのもの。だが一応イベント用に地理や地形は変更、移、修正されており、広さは実際の東京の20分の1程度までなくなっている。

「まるっきり東京の景という訳でもない。どことなく近未來的な……開放があるわね。どうしてかしら?」

ヨハンも現在は東京に一人暮らし。東京駅前にも何度か來たことがある。だが、記憶に殘る景と目の前の景はなんとなく違った。

人がいないからだろうか。それとも別の理由か。リアルな東京の景のはずなのに、何故かファンタジーじながら、ヨハンは頭上を見上げる。

「こちらに來い」とでも言うように、現実ならば皇居がある方向へと矢印がのびている。

「行ってみましょうか」

しばらく非現実的な東京を楽しみながら進んでいくと、ガラス張りの研究所のような施設が見えてきた。

ここが目的地らしい。

「ようこそメダモン研究所へ。博士がお待ちです」

り口にいた人の研究員風NPCに案され、奧へと進む。

すると、白姿の老人の背が見えた。

あれが博士なのだろう。

髪は全て白髪になっているが、格もよく、背筋はピンとびていて、佇まいからどこか知的な印象をける。

(戦えそうなしてるわね)

などとヨハンが思っていると、博士風の男は振り返り、気さくに挨拶してきた。

「お~お主がヨハンか。待っておったぞ~」

「ど、どうも」

その見覚えのある顔に、思わずぺこりと挨拶するヨハン。

「ワシはメダモン博士。よろしく頼むぞ~」

(うあ~やっぱりメダモン博士だあ~! 懐かしい! 本だわ!)

ゼッカたちにはああいったものの、ヨハンとてメダモンを全く知らないわけではない。バチモンより前から子供たちを虜にしていた國民的コンテンツ。

稚園生の頃にはテレビアニメも毎週見ていたし、父親に連れられ、映畫を見に行ったこともある。

そんなアニメに登場するのがメダモン博士。主人公のを導く大人といった役割を持つキャラクターで、印象に殘る人だ。

「ふむふむ。お主の反応を見るに、メダモンのことは知っておる様じゃな?」

「はい」

「では、作品の説明は省いていくぅ~↑↑」

「あれ……」

この人こんなキャラだっけ……? と思うヨハン。

自分の記憶とは微妙にキャラが違った。

どうやら視聴を止めた20年の間にキャラ変してしまったらしい。

「では事を説明していくぞ~。ある日、森でメダモンを捜していたワシは、黒い渦に包まれてしまっての~。そして気付いたら、このジェネシス・オメガ・オンラインの世界に異世界転生してしまったぞ~」

とのことらしい。

「この世界にはメダモンとは違うモンスターが大量に生息していることがわかっておる。その數は200種類」

「にひゃく……」

「そうじゃ。それらのモンスターは【ともだちメダル】で友達になれることがわかったぞ~」

メダモンコラボイベントの概要はこうだ。

目的はこの世界に迷い込んでしまったメダモン博士を元の世界に返すこと。

プレイヤーはコレクターとなって、メガトウキョウに出現するGOOモンスター200種を友達にすることを目指す。

GOOモンスターを友達にすると友達図鑑にモンスターのデータが記録される。

図鑑に記録されたモンスターの種類を増やしたり、同じモンスターを友達にし続けたり、モンスターの珍しい行を目撃することで図鑑レベルが上昇していき、それに応じた報酬がプレゼントされる。

そして、プレイヤーたちが集めたデータを使い、次元を渡る力を持つ究極のメダモン【アルティメノイド】を誕生させるのが最終目標である。

「では……ちょちょいのちょいと」

メダモン博士がそう呟くと、ヨハンの耳にメッセージ音が鳴り響く。

『メニュー畫面に【友達図鑑】ページが追加されました』

「へぇ……」

早速開いてみる。當然だが、まだ図鑑には一もモンスターが記録されていない。

「あら……この全図鑑というのは何かしら?」

「うむ。それはプレイヤー全が共有できる友達図鑑じゃのう~」

ヨハン個人の友達図鑑は、ヨハンが友達にしたモンスターだけが記録されていく。

それに対し、全図鑑は文字通りプレイヤー全員で完させる図鑑である。

だれか一人でも友達化に功すれば、こちらにメダモンの生息エリアやデータが記録される。

「個人図鑑をコンプリートするのはまず不可能じゃ。だから、お主も全図鑑の完を目指すんじゃぞ~」

「へぇ……まだ開始から一週間なのに、もう半分以上埋まってるのね」

特にネタバレを気にすることなく、ヨハンは全図鑑をめくっていく。

そこにはダンゴロンなど見知ったモンスターも載っていた。そして、図鑑の數は200分の120と表示されていた。

「あと3週間で80匹か。結構余裕そうじゃない」

「うむ。お主らは優秀で助かっておる。さて、それじゃ最後に……」

「……?」

コホンと咳払いしたメダモン博士は右側を指差す。そこはペットショップのようになっていて、ガラスのケージが三つ並んでいる。そしてその中には、それぞれ三種類のモンスターがっていた。

ヨハンも記憶にある。

「そこに三匹のメダモンがおるじゃろ?」

「ええ。確か……アカザル、キキジ、アオイヌだったかしら」

ケージの中に居たのはメダモンの中でもかなり有名な三匹で、ヨハンでも名前を覚えている。どうやらGOOのモンスターを友達にするだけのイベントではなく、しっかりとメダモンもいるようだった。

「うむ。全部ワシのじゃ! 凄いじゃろ!」

「……」

一匹くれるイベントなのかと思ったが、違ったようだ。

それ以上特にイベントが起こることもなさそうだったので、ヨハンは博士の部屋を後にした。

「そこはかとなく、違和があったのだけれど……なんだったのかしら」

何か不自然さをじたヨハンだったが、それ以上考えることはせず、外を目指し階段を下りた。

書籍第2巻が発売しました‼

続刊したいのでみんな買ってください!!

もしみんなが重版とかさせてくれたら七月は毎日投稿とかしちゃうんだけどな~チラッチラッ

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