《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》食い違う一線級
「あれ、あのプレイヤーまだいるんだ……」
「なんであんな高レベルのプレイヤーが最初の街で仁王立ちしてるんだ?」
「なんか人を探してるんだって」
「ていうか中のプレイヤーらしいぞ」
「マジで?ゴツい男キャラのプレイヤーなのか……いいな」
「やめとけやめとけ、俺らみたいな始めたばっかの木っ端なんか構ってくれないって」
夏休みに突し、発的に新規プレイヤーが増え始めたために、そのプレイヤーが探す人を見つけ出すことは困難である、そう當の本人も思っていた。
だからこそ、クランの幹部にどやされて仕方なく本拠地へ戻ろうとした道すがらに、その名を聞くことができたのはまさしく奇跡であった。
「やっぱりレベリングするだけじゃなくてプレイヤースキル?も上げないとダメなんだって」
「やっぱりそうなのかなぁ、サンラクさんと同じレベルになったのにヴォーパルバニーの攻撃、全然見切れないもんねー」
「VRゲームが上手な方はレベル1でもそれなりに戦えると言いますからね……サンラクさんのアレは相當他のゲームで鍛えてると見ましたね!」
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「なんかそれっぽいこと言ってるけどリーナってばこのゲームが初VRじゃーん」
「そ、それは言わないでくださいよう!」
武屋に寄った帰りなのか、真新しい剣を何かを真似するように振る年、たははと笑う盜賊の、そして頬を膨らませる魔師の。
ガヤガヤと騒々しい中でその単語を聞き取れたのは、ずっとその名前を探し、考えていたからだろうか。自分が威圧的な格好であることは承知しているため、極力驚かれないよう靜かに近づき、靜かに問いかける。
「あの、」
「はい……? ひょえっ!?」
「おわあっ!?」
「うおおっ!?」
ダメだった。
そもそも傍目から見れば「気配を殺しながら初心者の背後にガチ裝備高レベルプレイヤーが立つ」という中々に心臓に悪い行だったのだが、冷靜にそれを指摘する者は幸か不幸か存在しなかった。
突然として明らかに強そうな鎧騎士に話しかけられた三人組……珍妙な鳥頭のプレイヤーと遭遇したソーマ、カッホ、リーナの三人は何故こうも普通ではない出會いばかりするのかと奇しくも三人とも全く同じことを考えていた。
「な、なんだ……です?」
「……別に攻撃するわけじゃない、聞きたいことがあるだけ………だ」
素の口調と敬語が混じっておかしなことになっているソーマだが、それに対する鎧騎士もまた、ロールプレイと呼ぶには々たどたどしい口調で三人の初心者に問う。
「君達は……サンラクという、プレイヤーと會ったの……か?」
「え、あ、は、はい……」
「森で、その……結果的には助けてもらった……のかな?」
「最初は新手のモンスターかと思ったけどね……」
草むらから突如として飛び出し、今では厄介なモンスターであると知っているがあの時點では可らしいウサギを斬り殺した半の鳥頭(割といい人だった)を思い出し、カッホは苦笑いを浮かべる。
「彼が……どこにいるか教えてくだ……くれ。」
「ええと……確かこのままセカンディルに行く、って言ってたよな?」
「もうしレベリングしてから、とも言ってたね」
「でも貪食の大蛇の適正レベル的にもう突破してるんじゃないですか?」
(……道理で探しても見つからない)
若干楽しまれているような気がしないでもないが、彼(・)に近づくために々と便宜を図ってくれる店主から「奴はクソゲーを好むような変わり者だから想定外の行をするだろうことを想定するべきだ」と言われていたが、まさか最初から森にスポーンしてそのままセカンディルへ向かっていたとは。
「……報をありがとう。お禮と言ってはアレだけど、け取って」
「え、ちょ」
「……じゃあ、急ぐので」
「ちょっと待っ……行っちゃっいました……」
「カッホ、何を貰ったんだ?」
「なんだろうこれ……マジック、スクロール……【座標転移(テレポート)】……?」
鎧騎士が渡したそれ……使い捨て魔(マジックスクロール)【座標転移(テレポート)】が相當先まで、それこそ攻略最前線まで進めなければ手できないアイテムであると知るのはもうし先のことである。
鎧騎士は、見た目からは想像もつかない俊敏さ(AGI)で跳梁跋扈の森を駆け抜ける。【座標転移】は自分が最後に更新したリスポーンポイントに飛ぶ魔法のため、セカンディルへは徒歩で向かわなければならないのだ。
(想定外の行の可能は考えていましたが……まさか「最初の街に寄ってすらいない」なんて……っ!!)
當然ながら一番最初の街、すなわちゲームを始めたばかりのプレイヤーが最初の拠點とするファステイアはチュートリアルも兼ねている。まさかそれを全無視してセカンディルに向かっていたとは、しかもリスポーンしていないということは一度も死ぬことなく貪食の大蛇を突破した、ということだ。
所詮は最初のボス故、初見殺しの毒糞さえ分かってしまえば楽なボスではあるが、それでも始めて一日で突破するのは驚異的だ。余程のレベリング強行軍を敢行しなければもっと早い段階で彼を……サンラクを見つけることができていただろう。
適正レベルのプレイヤー達であれば最短最速でも十分はかかるであろうエリアを二分で走り抜けた鎧騎士は、鎌首をもたげて威嚇する貪食の大蛇にノンストップで薄する。
「……「ハイエスト・ストレングス」、【エンチャント・ヘルフレイム】、「アポカリプス」!!」
一歩目でSTRに大幅なバフをかけ、二歩目で構えた大剣に屬を付與し、そして三歩目で踏み込み……
「毎回ボスと戦わされるのは何とかしてしいですね……シャトルラン的にはあったほうがいいんでしょうが。」
セカンディルへと走る鎧騎士の背後、威嚇した勢そのままに貪食の大蛇のは縦に真っ二つにされ……その場には確定ドロップアイテム「貪食の牙」だけが殘った。
誰にとって幸か不幸か、それは午後の出來事だった。
エリアボスは一度次の街でリスポーンポイントを更新してから以前の街に戻ると普通にリポップします。エリアボスを倒してリポップさせて……を繰り返す行を「シャトルラン」と呼びます
【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~
舊タイトル:「え? 僕の部下がなにかやっちゃいました?」ハズレギフトだと実家を追放されたので、自由に辺境開拓していたら……伝説の村が出來ていた~父上、あなたが尻尾を巻いて逃げ帰った“剣聖”はただの村人ですよ? 【簡単なあらすじ】『ハズレギフト持ちと追放された少年が、”これは修行なんだ!”と勘違いして、最強ギフトで父の妨害を返り討ちにしながら領地を発展させていくお話』 【丁寧なあらすじ】 「メルキス、お前のようなハズレギフト持ちは我が一族に不要だ!」 15歳になると誰もが”ギフト”を授かる世界。 ロードベルグ伯爵家の長男であるメルキスは、神童と呼ばれていた。 しかし、メルキスが授かったのは【根源魔法】という誰も聞いたことのないギフト。 「よくもハズレギフトを授かりよって! お前は追放だ! 辺境の村の領地をくれてやるから、そこに引きこもっておれ」 こうしてメルキスは辺境の村へと追放された。 そして、そこで國の第4王女が強力なモンスターに襲われている場面に遭遇。 覚悟を決めてモンスターに立ち向かったとき、メルキスは【根源魔法】の真の力に覚醒する。【根源魔法】は、見たことのある魔法を、威力を爆発的に上げつつコピーすることができる最強のギフトだった。 【根源魔法】の力で、メルキスはモンスターを跡形もなく消し飛ばす。 「偉大な父上が、僕の【根源魔法】の力を見抜けなかったのはおかしい……そうか、父上は僕を1人前にするために僕を追放したんだ。これは試練なんだ!」 こうしてメルキスの勘違い領地経営が始まった。 一方、ロードベルグ伯爵家では「伯爵家が王家に気に入られていたのは、第四王女がメルキスに惚れていたから」という衝撃の事実が明らかになる。 「メルキスを連れ戻せなければ取りつぶす」と宣告された伯爵家は、メルキスの村を潰してメルキスを連れ戻そうと、様々な魔法を扱う刺客や超強力なモンスターを送り込む。 だが、「これも父上からの試練なんだな」と勘違いしたメルキスは片っ端から刺客を返り討ちにし、魔法をコピー。そして、その力で村をさらに発展させていくのだった。 こうしてロードベルグ伯爵家は破滅の道を、メルキスは栄光の道を歩んでいく……。 ※この作品は他サイト様でも掲載しております
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