《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》人と兎と鳥頭
エムルとの協力……いや、ほぼ八割エムルのお手柄で俺は半ば寄生プレイヤーに等しい醜態ではあったものの、なんとかエリアボス泥掘り(マッドディグ)を倒すことに功した。
分かったことは二つ、この先ソロ殺し特定ステ殺しは普通に出てくるであろうこと。もう一つはやっぱりエムル強すぎ問題の再確認だ。冷靜に考えて魔法二発で特殊行ラインまで削るって強すぎる。それに散々イキっておいて完全に介護されたという事実は……結構クる(・・)。
やっぱりエムルはマスコットとして頑張ってもらおう、なくとも俺がエムルのレベルに並ぶまではね。
「とりあえずサードレマに………ぐぅ」
が凄まじく重い、HP1なだけあって今戦闘になったら間違いなく死ぬ。俺はインベントリから薬草を束で取り出してモシャモシャと摂取することで力の回復に努めるのだが、やはり直ぐに全回復とはいかないか。
しかし食べるだけで力即回復とは驚異的な吸収率としか言いようがない……いや、傷口にり付けるタイプの回復アイテムだったら俺はケツに草をるというマヌケな絵面を曬さないといけなかったし文句は言えないな。
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「だ、大丈夫なんですわ?」
「大丈夫大丈夫、コラテラルダメージだとコラテラルダメージ」
「アタシには致命傷にしか見えないですわ……」
ふっ……正解だ。
とはいえ、これでサードレマりできるわけだし今の俺が死にかけなことは瑣末な問題だ。まぁ今この瞬間あの狼が出てきたりとかしなければ……
「……………」
「どうしたんですわ? そんなキョロキョロして」
「いや、フラグになったんじゃないかとな……」
「?」
流石にそう何度も出てくるようなモンスターでもないか。ここまで來てセカンディルに戻されたら俺ぁ泣くよ、派手に泣くよ。
「杞憂だったみたいだ、さっさとサードレマでポイント更新したらラビッツに行こう」
「わぁ……! 本格的にラビッツに滯在するんですわな!」
「まぁね」
レベリング効率次第ではサードレマの先のエリアを優先するかもしれないが、仮定の話であるし黙っておこう。酔っ払いのような千鳥足ながらも俺はエムルと一緒にサードレマへと歩いていくのだった。
「あ、ちょっと待ってくださいなサンラクサン」
「ん?」
サードレマ、聞いた話に違わぬ大都市の門にはNPCと思しき人の列が並んでおり、どうやらあれに並んで門番の審査を通過すれば晴れてサードレマにる事ができるようだ……が、直前になってエムルが俺を呼び止める。
「このまま行ったらアタシ攻撃されちゃいますわ」
「ん……? ああそうか、分類的にはモンスターだもんな。 でも初めて會った時は普通に街中にいたよな?」
あぁ、転移魔法があったなと自分で言ってから気づく。だが俺とパーティを組んでいるためなのか、俺と一緒に街にるのならばモンスターが通されるとも思えない。プレイヤーならともかく、NPCの前にモンスターが現れたら問答無用で斬りかかられてもおかしくない。なら何かに隠れる……困ったな、半(ノーガード)の俺のどこに隠せばいいんだ。
俺がうんうんと唸っていると、エムルは何やら腕につけた腕にれてモニョモニョとなにやら唱え始める。
「これこそアタシらヴォーパルバニーの法! サンラクサン、他言無用でお願いしますわ……【姿形変化(メタモルフォーゼ)】!!」
ぼっふーん! と実にファンシーな……いや正直に言い直そう、実にバカっぽいSEと煙エフェクトにエムルが包まれる。とはいえ屋外、風に煙は流され煙に包まれていたエムルの姿が、わ、に…………
「は?」
「ふゅいー……の覚が変わるのは何度やってもなれないですわぁ……」
……おかしいな、俺が今プレイしているのは日本が世界に誇るフルダイブVRゲーム、これまで星の數とは言わずとも多數のMMORPGが保有していた記録を全てぶち抜いた神ゲー、「世界を拓き、世界を楽しめ」がキャッチコピーのシャングリラ・フロンティアのはずだ。
「ふふーん、アタシらはこの魔法のおかげで人間サンの街でも活できるんですわ!」
「あーその、獣の擬人化は度合いによって主義主張が異なるので俺からはなんとも……」
「どゆことですわ!?」
決して擬人化した獣とキャッキャウフフするギャルゲーをやってたじゃないんだけどなぁ……
小さな兎はどこへやら、俺の目の前で兎の頃の態度そのままにを張るが二ヒヒとイタズラを功させた子供のような笑顔を浮かべた。
「これなら怪しまれずに街にれる、って寸法ですわ! まぁ、めっちゃ疲れるから長い時間変してると魔法が解けちゃうんですわ……」
「なるほど、街に侵したらで解除、と。その魔法があるからこそヴォーパルバニーが街の中にいたのか……だがなエムルよ、お前は一つ致命的な……そうだな、実に致命(ヴォーパル)的なうっかりさんだ」
「ほへ?」
エムルがを張るのなら、俺は自分の板……そう、一切の遮蔽なく外気に曬された板をドンと叩いて事実を伝える。
「半の鳥頭と一緒にいる時點で怪しさはカンストしている」
「あ。」
むしろ兎のままの方が「兎連れの変態」で被害は俺だけに止まったのでは、と思うのだ。いやでもモンスターを引き連れていたら普通に街の中にれてくれないだろうし、変人のレッテルで済むこっちの方が結果的には確実か。悪いがエムルには外れくじを引いてもらおう。
「これから「なにをトチ狂ったか半の鳥頭を引き連れた」のレッテルを拝領することになるだろうがまぁ頑張れ」
頭を抱えて蹲ったエムル人間態に俺はそう生暖かい眼差しで告げてやるのだった。
そして丁度その時、サンラクとエムルが泥まみれになったあの場所にて再配置(リポップ)した泥掘りと一人のプレイヤーの戦闘が開始された。
致命兎の環
ユニークマジック【姿形変化(メタモルフォーゼ)】を使用できるようにする、ヴォーパルバニー限定アクセサリ。
【姿形変化(メタモルフォーゼ)】
MP常時消費狀態を自に付與する代わりにMPは當魔法以外の一切の魔法を使用しなければ丁度5分で0になり、MPの総量がなくなるほどに段階的に魔法が解けていく。
つまり4分経過辺りで極めてケモ度の高い擬人化狀態になります。
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