《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》剎那に想いを込めて 其の九半
「うーん、つい最近ログインしたばかりだけどなんか數年ぶりに來た気分だ」
今現在の俺は半鳥面のサンラクではなく、ストーリーモードの隠しルートで解放可能なイアイフィスト流免許皆伝の闘士(ベルセルク)サンラク……つまり、ここはベルセルク・オンライン・パッション……「便」のログイン地點に立っていた。
當然だがモドルカッツォのアバターはここにはない。あいつは殘りのレベリングを終わらせるために今日も魚釣りだ。まぁペンシルゴンが一緒にやるらしいからそう時間はかからないだろうし、どちらにせよわざわざ便に來るとも思えない。
「誰か戦えそうなやつは……っと」
俺が便にログインした理由は、対墓守のウェザエモン用のスパーリング相手を求めてのことだ。
ペンシルゴンが集めた報によれば墓守のウェザエモンは超速フレーム攻撃、即死、範囲攻撃のオンパレードを仕様で備えているという。であればバグによって全攻撃の発生フレームがイカれた速度になっているこのゲームのストーリーモードはいい練習になる。
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幸運にも、このゲームではマルチモードでNPC対戦でラスボスと闘うこともできる故、今日も今日とて過疎(クソ)ゲーな便を俺は散策する。
ベルセルク・オンライン・パッションのストーリーモードにおけるラスボス「クライシス」……ええとなんだったかな、究極の力を手にれて人類の頂點として世界を管理するとかコッテコテな理由で人改造&ドーピングをしまくったとかそんな設定だったはずだ。
奴と戦うにしてもウォーミングアップをしておきたい、その為に対戦相手を探しているのだがどうにも見つからない。
まぁまだ夏休みシーズンとはいえ水曜日の朝だからな、社會人プレイヤーがいないんじゃこんなものか……お、対戦希アイコン出てるプレイヤーがいる!
「あー、もしもし?」
「は、はいっ!」
背後から話しかければ、上ずった聲でそのプレイヤーは振り返る。思ったよりも聲が若いな、カッツォみたいに 元々そういう聲なのか本當に年若いプレイヤーなのか。プレイヤーネームを確認するが、「ドラゴンフライ」……見たことのない名前だ。なくともこのゲームをやり込んでいた時には見なかった。
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「えーと、対戦オッケー?」
「はいっ!未だラスボスも倒せない未者ではありますがっ!を貸して頂けますと助かりますっ!」
凄い、このゲームのラスボス以上にコッテコテな「新規プレイヤー」だ。下手な絶滅危懼種よりも希が高そうだ。
見た所……うん、基本タイプのオールラウンダーか。最初に選べる戦闘スタイルで、一番バグ派生が多いタイプでもある。尤も、カッツォクラスのプレイヤースキルが無い限りはバグ派生を十全に活かすことは難しいだろう。
「えーと、バグあり?なし?」
「バグ……?あっ、先輩方の仰っていたバグ凍土ですね!それでよろしくお願いします!」
バグ凍土……あ、バーグトゥードか。一瞬新しいコンボでも見つかったのかと。とはいえ、こっちのサーバーにいるということはパッケージ版購者であるし、先輩方という言葉から他プレイヤーからある程度はバグ指南をけているのだろう。
対戦が立し、俺とドラゴンフライを囲うフィールドが形される。
「まぁなんだ、よろしくね」
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「よろしくお願いします!」
そして、ラウンド1の開始を告げるゴングが鳴……「よぉぉっしゃぁぁぁぁ!!」
「うおっ!」
速攻!? 普通オールラウンダーじゃなくて敏捷が高いスピードスタータイプで……ああそうか、初心者にセオリーなんてあるわけないか。
「拳を捻って……戻して打つ!」
ドラゴンフライが拳を振りかぶり、それをさらに後ろへと引くことでドラゴンフライの右腕がびる(・・・)。それも拳のテクスチャが振りかぶった座標に固定されているが故に、無理矢理ゴムを引っ張ったような引き攣り……完全にテクスチャの崩壊した便名人外バグだ。
「ふぅん、「パイルバンカー」か」
一度パンチの準備モーションをした狀態でさらに拳を引いて二段階の準備モーションを行うことで何故かパンチの判定が二段ヒット&威力二倍になるバグ技である「パイルバンカー」。
初心者向けのバグ……いや、言ってて意味がわからないが兎も角、人外バグゲーの中では比較的発が簡単なバグ技だ。
「とぁあっ!」
ばしきったゴムを放すように、びきったドラゴンフライの拳テクスチャがんで俺へと拳が飛ぶ。
俺のこのゲームにおける戦闘スタイル、相手の攻撃が著弾する直前に弾く事で攻撃を無効化するカウンタースタイル「イアイフィスト流」でパリィしてもいいのだが、ここは一つやり込みと研究の果てに便のプレイヤー達が見つけたバグを一つ実踐してしんぜよう。
「停止狀態から右足で任意方向にジャンプ、左腳はその場で踏ん張れば……!」
「あれっ!?」
素直なきのパンチがスカッたことにドラゴンフライは目を見開く。ただ避けられるよりも衝撃だろうな、何せ今の俺は左足首から下だけをその場に殘した狀態で五メートル程後ろにスライド(・・・・)しているのだから。
「これは「ヨーヨー」ってバグ技、三秒間當たり判定ごとアバターのテクスチャをずらせるんだ」
「あ、足がびてる……」
どうも左腳の踏ん張り判定とジャンプ判定がバグっているらしく、ヨーヨー以外でもこんな風に左右上下であべこべなきをすると八割方バグる。
他にもガードした勢で前に進むと発生するガード判定が生きたまま相手へと突進して壁際まで押し出す「シールドバッシュ」、カッツォが最近開発した條件は知らないが分裂した拳の當たり判定を散弾の如くばら撒く「ショットガン」などなど……クソゲー以外の何にも例えられないクソっぷりだが、慣れるとこれがまた楽しいのだ。
「まだまだこのゲームのバグはこんなもんじゃないんだなこれが」
「せめて1ラウンド……!」
ふはは、貴様にバグとイアイフィスト流を合させた新覚バグゲーを見せてやろう!
「か、勝てない……」
「イアイフィスト流は無敵の流派!」
モドルカッツォとかいう人外(プロゲーマー)は例外だ例外、初見殺しを仕掛けても次のラウンドにはメタってくるのだから、やりづらいことこの上ないのだあいつは。
「も、もう一試合!ラストお願いします!」
「うーん……」
正直そろそろ辭めたいところだ、本來はプレイヤーとじゃなくてラスボスと戦いに來たわけだし。
だが、ここはシャンフロとは……黙っていても新規が數百人単位でってくる神ゲーとは違う。カソにクソを混ぜて出來上がった過疎(クソ)ゲーだ、新規プレイヤーとかダイヤモンドより価値が高い。
このゲームが発的に流行ることを期待しているわけではないが、過疎りきって終わってしまうことをんでいるわけでもない。せっかくの新規だ、しくらい先輩らしくを貸してやろうではないか。
「いいよ」
「ありがとうございます!」
それに、試行錯誤を繰り返しながら俺へと対処しようと頑張るドラゴンフライと対戦するのはそれなりに楽しい。
本音を言えばもうし歯ごたえがしいところだが……いやいや、それは初心者に求めるものじゃない。
ラウンドのゴングが鳴る。どうも他のプレイヤー達も無理に矯正するのではなく、むしろばす方針にしたのだろう超速攻の突撃でドラゴンフライが近づいてくる。既に幾度となく直線突進をノーダメ迎撃して見せているが、さてラスト試合でどう対処する?
「ここっ!」
へぇ、俺の迎撃の程距離ギリギリでヨーヨーか。確かに控えめに言っても気味の悪いスライドで距離を離したドラゴンフライだが、このまま元の位置に戻れば待ちける俺のカウンターをモロに食らうことになる。
だがドラゴンフライは引き戻されるのきに抗うことなく、むしろ右足で前へと(・・・)跳ぶ。瞬間、踏ん張った左足の座標に戻る筈だったドラゴンフライのが俺の眼前へと瞬間移並の速度で迫る。
「えぇい!」
「おっと」
パイルバンカー無しの普通の小パンチ、タイミングをズラされた俺は顔面にそれを食らうことになる。既に迎撃モーションにっていたからどちらにせよ避けられなかったので、パイルバンカーで攻撃するのが正解なのだが、一時間も試合していないのにもうこの回答を出すとは中々にやるな。
「や、やった!」
「一撃れたらそれで終わりじゃないのが格ゲーだけどね」
「うわっ」
カウンター主のスタイルが攻めに転ずることができないなんて誰も言っていない。
必要最小限のきでパイルバンカー小パンチを叩き込みつつ、常に前進することで反撃の隙を與えない。仮に再びヨーヨーで逃げたとしても今度は完璧に迎撃する。
「だ、だったら!」
「うおっ」
る程、ガード判定を殘したまま突進するシールドバッシュで逆に押し出してしまおうという算段か。うーん、正解だけど間違い、60點!
「よいしょっ」
「えっ……くぅっ!?」
「ガード崩しは格ゲーじゃ必須項目だからな」
なくともシールドバッシュに関しては防じゃなくて攻撃のバグ技だ。仰け反りからシールドバッシュ壁際からの即死コンボはリアルファイト案件だ。仰け反ったところを大パンチで吹っ飛ばされたドラゴンフライはすぐさま起き上がるものの、こちらを警戒してか距離を離す。
「さぁどうする? 大イアイフィストはプレイヤーを中心に半徑1メートルは程範囲だ」
「く……それなら!」
あいも変わらず直線突進、それが悪手とは言わないが何の策もないならカモだが……?
うん、直線でこちらへと走って? 直前で急停止して? ゲージ技の勢にって? ガーキャン派生から再発して……んん!?
「え、なにそれ!?」
「とりゃああああああ!!」
これ負けたかな? いや、1ラウンドくらいなら問題ない。それよりも気になるのは今のバグ技だ。
オールラウンダーのゲージ技は拳の形をした衝撃波を飛ばす「飛拳衝」というものであるが、ただでさえ多段ヒットするそれがパイルバンカーの技よろしく二重(・・)になって飛んできやがった。咄嗟に避けるのをやめて直に食らってみたが……力が五割削れてやがる。
初心者と言えど最低限の格ゲーの心得はあるようで、俺が起き上がる隙を見逃さずに攻勢に転じる。あっという間に俺の力は削り切られてドラゴンフライが初めてラウンドを取る。
「や、やったあ!初めてラウンドを取れたっ!」
「あ、ちょっとタイム」
「あ、はい!」
時間帯が時間帯とは言え、完全に俺とドラゴンフライの二人だけというわけではない。數人程いた観戦勢と相談を開始。
「で、見る専のお前らからしてどう思う?」
「原理的には「パイルバンカー」だけど、パイルバンカーのやり方ではゲージ技の重複はできなかったはずだよな?」
「ゲージ技ってーと「ドッペルゲンガー」関連のバグじゃないか?」
「いや、あれは同じ座標に分は出せなかったはずだ、検証したやつがいた。それに「ドッペルゲンガー」に「キメラ」は使えない、となれば……」
「ああ、後で検証勢が再現できれば確定だ」
相談終了。結論が出たのでドラゴンフライの元へと戻る。
「えー……ドラゴンフライさん」
「は、はいっ!?」
「おめでとうございます、今のバグ技は暫定ではありますが貴方が初発見者です」
「え……えぇえ!?」
そっかぁ……ガーキャン挾めば重ねられたのかぁ……ていうか何でガードキャンセルでゲージ技の判定殘るんだよ……ほんともう便マジ便……
「というわけでバグ技を新たに見つけた場合は発見者が命名できるわけだけど」
「え、そんな、いきなり言われましても……」
暗黙の了解だが、これのせいで悪ノリしたプレイヤーによって命名された「にゃんにゃんシルブプレバスター」なんてバグ技もあったりする。
特定スタイルでは必須クラスのバグ技なので、日夜投げ技スタイルのプレイヤー達は非常に複雑な表でにゃんにゃんシルブプレバスターを使用している。
「まぁ、それに関しては後々決めてくれ、まずはラウンド取り返してこの試合も俺の勝ちで終わらせる……!」
「ま、負けません!」
とはいえ、やはりここは未だ超えられぬ高い壁として強さを見せないとな。
ラウンド2が開始されると同時に開幕ゲージ技、発寸前で回避行。簡単なようで功タイミングが極數フレームであることと、発生の遅いゲージ技を持つスタイルでなければ使えないことから再現が極めて難しいものの、ロマンと実用を多分に備えたバグ技。
「ええっ!?」
「凄いだろ、ゲームだから普通に俺が増えるし、ゲームだからそれ(・・)も俺(サンラク)なんだよ」
このゲームにおけるゲージ技は発から一定秒數経過でキャンセルができなくなる。シャンフロのようにプレイヤーの頭に「こういうきをする」というイメージを與えるのではなく文字通りきをシステムが遂行する。
だからキャンセル不可となる直前、プレイヤーが自分の意思でける1フレームとけなくなる1フレームの間に抜け出せば、ゲージ技の判定とそれを行うアバターのデータを殘したままプレイヤー自は回避行を行う……要約するとだ、俺が増える(・・・)。
「これの名前を決めるときは「影分」「スワンプマン」「ドッペルゲンガー」のどれにするのかそれはもう迷ったものでね」
イアイフィスト流のゲージ技「居合拳衝」は発生が全スタイルの中で最も遅い為に、このように無駄口を叩きながら本がドラゴンフライを羽い締めにすることも出來る。
「ああ、當然ながら俺はダメージをけない」
「いいっ……!?」
タメが長い代わりに威力の高い衝撃波が俺とドラゴンフライに命中する。主導権を握ってしまえば、初心者プレイヤーを料理することなど容易いことだ。
「えと、ありがとうございました!かっこいい名前考えておきます!」
「あーうん、頑張って」
頭を下げた巨漢のヒゲオヤジ(・・・・・・・・)に別れを告げ、久し振りに初心者プレイヤーを上級者として相手する充実に満足しながらログアウト…………………………いや、當初の目的どうしたし。
結局、俺はいそいそと再ログインすることになったのだった。
正直ここを逃すとれる場所がなくなるので雑にフラグを立てていくスタイル
フレ登録とリアル遭遇で三日は飯がうまいヒロインちゃんに最大のライバルが迫る
「説明ばかりだけどバグまみれの格ゲーを実際に描寫したらどうなるんだろう」という結果がこれです、想像以上に人外格闘技ですねこれ……
【書籍化&コミカライズ化】婚約破棄された飯炊き令嬢の私は冷酷公爵と専屬契約しました~ですが胃袋を摑んだ結果、冷たかった公爵様がどんどん優しくなっています~
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第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
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