《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月16日:凱旋-リザルト-

さて…………そろそろ目を逸らすのも限界になってきたぞ。他の誰も言い出さないし………あーもう、俺が行けと。

「あ、あの……ウル・イディム氏?」

「ム」

「そのぉ………なんか、不機嫌だったりします?」

「ソノヨウナコトハナイガ」

ほんとぉ? なんかもう……全が刺々しいというかれるもの全てを傷つけるキレっぷり(・・・・・)なんだけれども。

ウル・イディム氏は自稱オーク、もとい「オウク」?なる種族であるらしい。発音が似たオークは頭が豚か豬の巨漢といったじのデザインだがウル・イディム氏は巨軀である、という以外は全く異なる容姿をしている。そもそも目は六つあるし牙は完全に食生のそれ、全の甲殻はどちらかというと甲殻類と甲蟲をごちゃまぜにしたものを殺意でコーティングしたような刺々しさだ。下手にれたらこっちの手が切れそうなくらいの。

それが………トマホークを撃破してから、さらに進化していた。もはや甲殻というよりも鎧の形に加工した刃、としか言いようがないキレッキレの外殻。いいや、あれはまさしくトマホークの刃殻だ。俺たちを散々苦しめた刃の裝甲と同質のものに置き換わったウル・イディム氏……彼に一何が起こったのか。

Advertisement

いや十中八九仕留めた相手の質を取り込んでより強大になっていくタイプのモンスターじゃんね。このオークさんが行きつく先はどこなのだろうか……

「いやぁ……なんというか、すごく……その、キレのいい面構えになてるじゃん?」

「ウム………マレニダガ、倒シタモノノ力(チカラ)ヲ、得ルコトガアルノダ」

いやそれ仕留めた相手の質を取り込んでより強大になっていくタイプのモンスターのやつ~。

やはりこの人、最終的に人類に絶して「もはや人類を滅ぼすしかない!」とか極論に走るタイプのラスボスなのではないだろうか。最後に人のしさにれてちょっと態度化させてから死ぬタイプと、バカな!この私がぁぁぁ!って死ぬタイプの二種類あるけど果たしてどちらだろうか……いや、あきらめてはいけない。人の善を見せ続ければきっと心強い味方でいてくれるはず。

「サンラクくぅん、サンラクくぅん」

「なんだよ」

「ちょっと耳元でえっちなこと囁いてみて……!」

「わっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」

「脳にキくぅ!?」

とりあえず耳元でんでから頭にチョップ。他にも視線を向ければダメだ、一人はマガジンに頬ずりしてるし一人はハルバードを今にも舐めそうだし一人は地面をのたうち回りながら儀霊剣を振り回している。この場にいるの人間の悪寄りの連中ばかりじゃねーか。もうおしまいだーっ!!

「まぁ、なんだ……ウル・イディム氏。今回の討伐はアンタが前線を張ってくれなきゃここにいる何人かは間違いなく死んでただろう。協力謝する」

「ム…………私モ、波濤ノ人ラニハ驚カサレタ………マコト、強キ力(チカラ)ヲ持ッテイル。共ニ戦エタコトヲ誇リニ思ウ」

すごくいい人だが、常時厳戒態勢みたいな姿になってしまったせいで「用済みだ、では死ね」と言い出しそうで永遠に怖い。とりあえず握手という概念が王狗にもあるらしく、手を差し出してきたので覚悟を決めて握手……あっあっあっ爪というか指そのものが刃みたいに鋭いからスリップダメージってるスリップダメージってる! これもうナイフを握りしめてるのと変わりないが!?

「コノ手ヲ恐レズ握ルトハ……ヤハリ波濤ノ人ハ……ミナソウナノカ?」

「どうだろうな、そこまでがあるのはそうそういねぇぜ? ま、俺も余裕で出來るがな……!」

「おっと? そういう度試しなら僕も乗るよ。ちょっと待って一応力回復させる」

「徹夜を共にしたら仲間、でしょう?」

「んふふぅ」

何故か突然始まったウル・イディム氏との握手會。多分本人が一番狀況が理解できていないだろうがこっちも大概ノリでいているので説明ができない。とりあえずディプスロが背中から生えた第三の手で握手したところで一巡したので握手會は終了。

「……とりあえず、キャッツェリアに戻って報告かな」

「ミノタウロス? の拠點じゃなくてか?」

「場所が分からん」

とりあえずキャッツェリアでクエスト進行しないならそこからミノタウロスの拠點とやらに遠征だな……うーん、どんどん人里から離れていく。

「ま、とりあえず………真なる竜種討伐! お疲れ様でしたーっ!!」

……

…………

………………

朝です。基本的にここにいるメンツはゲームの為に徹夜上等なので多のけだるさはあるが概ねパフォーマンスに変化はなく、ディプスロの転移魔法でキャッツェリアに戻ってきた俺達はとりあえずサミットが行われていた會場を訪れる。

「………ム」

いた。ミノタウロスの王の………アスティ、えーと。

「あー、見つけたぜミノタウロスの王様」

「貴公ラ………あノ、恐ルべキ、竜は…………」

すっ、とウル・イディム氏を指さし、そして各々が竜滅裝備(バスターアームド)を見せつけるように立ち………最後に、俺がアラドヴァルを掲げて一言。

「療養中のご主人に朗報を送ると良い。仇討ち(・・・)は俺達が確かにし遂げた……ってな」

どう見ても頭が牛そのものなのだが、驚愕と歓喜の表が確かにはっきりと認識できるのはやはりシャンフロの恐るべき解像度と言うべきか。ともかく、俺達はユニークモンスターやレイドモンスターに引けを取らぬ強敵、真なる竜種の討伐に功したのだ。

じゃあ生まれたばかりのウル・イディム氏は丸っこかったり今の姿と違ったのかというとそうではなくて、取り込んだ因子を時間経過で自分に還元するので最終的に最初に出會った時の姿に戻る。ただ戦闘時になるとが変形しだす

今回はサイナが飛んだりサンラクが跳んだりしてたので使わなかったけど飛翔態があるし、今回獲得した斬竜態もまぁ大概ヤバい

部分的に再現されたジェネリックトマホーク君ですからね(ただマナ消費が激しいので多用できない)

    人が読んでいる<シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください