《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月16日:刃に問う。己が答える。
土古戦場個人1位兄貴が2年連続でシャンフロ宣伝しながら予選を突っ走っていったので更新
◆
ラビッツ兎殿、とあるヴォーパルバニーの専用鍛冶工房にて。
「と、いうわけで倒して來たぜ。真なる竜種って奴をよ」
「ワリャはなんじゃ話ィ振ったらすぐにし遂げてきちゃるな……」
「俺ほどの存在になるとチャンスが向こうからやってくるんだよ」
MMOだとしてもゲームプレイヤーは全員主人公みたいなもんだからな、主人公にはフラグの方から近づいてくるものだ……まぁそれはいい。本題はこっちだ。
「真なる竜種の撃破をし遂げた………これで條件? ってやつは満たしたんじゃないか」
「そうじゃな………この武は、アラドヴァルは至高の頂……「神化」が可能な狀態になっちょる。あとは……わちが、それをし遂げられるか、じゃな」
「何か不足があるなら集めてくるが?」
俺の言葉にビィラックはくつくつと自重するように笑みを浮かべる。
「爐もある、鎚も金床もある………もし足りんとするならわちの腕(・)だけじゃけぇ」
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「じゃあ俺が何かする必要はなさそうだな……なにせもう足りてるだろう?」
「言いおるわ………全く。二日待ちぃ、それまでには完させちゃる」
二日か…………基本的に長くても一日くらいで裝備強化が終わることを考えても相當な長丁場だ。それだけの大仕事なのか……それとも、ジョブ昇格を兼ねているからなのか。まぁ気長に待たせてもらうとしよう………舊大陸じゃ人類同士のゲバで盛り上がってるそうだが、生憎世捨て人なのでな………でも暇だから時間あったらちょっと見に行こうかな。
「あぁ、それとじゃな」
「ん?」
「イムロンの奴がワリャを探しちょったぞ」
「イムロンが?」
えーとイムロンイムロン………フレンドリストを見る限りログインしてるか。まぁあいつもプレイヤーなのでそりゃ移もするだろうけど基本的にイムロンに宛てられた工房にいるから行ってみるか。
「分かった。この後會ってくる、頑張れよビィラック」
返事はなく、しかしぐっと掲げられた金鎚を握る手には力強い熱意が籠っていた。
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……
…………
………………
ラビッツ兎殿、とあるプレイヤーの専用鍛冶工房にて。
「銃、って何だと思う?」
「飛び道」
「そういうこと聞いてるんじゃないのよ」
じゃあなんだよ…………
ロールプレイを忘れ去った素の口調にぐるぐるギラギラとした眼差し……二徹した幕末志士に似た目で迫るごついおっさんの質問に、俺は半目になりながら距離を取る。こういう目をした手合いは孤島の連中より話が通じないのだ、何故なら半分夢遊病みたいな狀態なので後々聞いても「この時の記憶ないわー」とか平気でのたまうので。そりゃもうお前思い出すまで脳みそに天誅するショック療法よ。
「銃ってのはね……鍛冶師プレイヤーの敗北の歴史なのよ」
「あっはい」
曰く。
シャンフロのリアリティが発覚してからというもの、鍛冶師プレイヤーはシャンフロでの武の製作を目指してきた。だがあまりになパーツはゲーム側で作れない、という事実が発覚したことで鍛冶師プレイヤー達は別の方向で銃を作り出そうとした。いわゆる魔法武全盛時代というものだ。要するに銃の形っぽくした別の武に魔法出能力を付與しようとしたわけだ。
だがここで別の問題が発生した。無理に形狀を変えすぎると武として破綻してしまうが故に、どこまで銃としての形狀に近づけるか……そして、どこまで元の武としての質を持たせるかのチキンレースが始まることとなる。
「あー待て待て待て。もう結果(・・)は見えてるから要約してくれ」
「これこそが水晶群蠍系列素材を手にれ、フレーバーテキストを読み込んで頭をこねくり回しィ! さらに古匠そして神匠を目指す中で得たテクニックを総結集した私が到達した完系! その名も「剣銃(ソーデッドガン)」!!」
「新武種?」
「武カテゴリは二刀流の片手剣ね」
ズッコケた方がいい? だがプレイヤー鍛冶師の中ではそれこそトップ層であるらしいイムロンが(多頭のネジが緩んでいるっぽいとはいえ)自信満々に見せるだけあって、それは確かな完系として金床の上に鎮座していた。
見た目はなるほど、確かにグリップと引き金がついているのはまごうことなき銃の特徴に合致する。だが特徴的、というかその武の半分以上を占めているのだからいやでも目にる特徴……銃でいうバレル部分が丸ごと幅広な刀に挿げ替えられている異様な見た目はやはり奇怪と言うしかない。
「合事故起こしてないか?」
引き金を引いても弾を出すべき銃口が無く、剣として振るには握りの部分が斜めに飛び出しているせいで振りづらい。ククリ刀と言い張るにしてもちょっと微妙なラインだ。
「逆に聞くけどあんたこの形狀の武を剣として使える?」
「いや………ちょっと振ってみても?」
どうぞ、と手振りで許可が出たので試しに握ってみる。やっぱり重いな、銃っていうよりやはり剣……しかも銃の形をしてるから………む、いやしかしグリップが銃型だからこその持ちやすさはある……あとトリガーガードが結構分厚いか気合で頑張ればガンスピンが出來ないことも……いやダメか、普通に二の腕自分で斬る間抜けプレイになる。
「使いこなせそうなきしてるじゃない」
「まぁ……やってやれないことはなさそうだけども……」
「じゃあ問題ないわね」
ビィラック理論やめろや。使いこなせなくもない、と使いやすい、には天と地ほどの差があるんだよ。
「自信満々に銃です、って言うからには撃能力は備えてるんだろう?」
「當然。それ、ほとんどあんたから買った素材で出來てるからあげるわよ」
「マジ?」
ほうほうほう………ただでもらえる、となると途端にこれは良いもだと思えてくる………多の使いづらさはご敬だ。所有権がイムロンから俺へと譲渡され、この剣銃が正式の俺の所有になる。數キロは軽く超える金屬塊をハンドガン覚でガンスピンさせるのは現実では不可能だろうがあいにくここはシャングリラ・フロンティア。理法則はかっこよさより優先されることはない……貰った剣銃をくるくる回しながら、視線はイムロンに戻す。
「しかしなんたってタダで?」
「そりゃテスター兼広告塔になってもらう為よ」
「はい?」
「その剣銃………トラディション&レボリューションが如何に革命的でありがならしかし伝統的な武であるかを大々的に知らしめるためには……ふふふ、掲示板にスクショをる程度じゃ足りない、分かるでしょう?」
なんか厄介なユーザークエスト押し付けられる流れ……?
……
…………
………………
ラビッツ兎殿、とあるヴォーパルバニーの専用鍛冶工房にて………否、きっとこの場所こそがラビッツの中樞とも言える工房に招かれた俺は、招いた張本人もとい張本兎ヴァイスアッシュと向き合っていた。
「真なる竜種をぉ、見事倒したなぁよう……」
「へぇ、連れと……あとウル・イディム氏の力添えあってのことで」
実際決戦兵ウル・イディムは凄かった。俺ら種族人間がPvMやってる中でウル・イディム氏だけMvMっていうか格ゲーやってたもんな。力ゲージの減り方が敵と同じじって意味で。
「白きぃ破滅が近い………そして、おめぇさんは力を示し続けた………ならばよう、時は來た……ってぇことだろうなぁ」
「時、ですか」
「勇魚兎月を出しなぁ」
勇魚兎月………ってことは。
「さぁ、神化の時だぜサンラクよう…………決めるのはおめぇさんだ………さぁ、兎月のぉ至る果て………おめぇさんは何をぉ選ぶ?」
兎月の強化はユニークシナリオEX「致命兎敘事詩」と連している。最初の兎月から勇魚兎月を経て……しばらくそれは止まっていたが、どうやらここが最終強化前の最後のセーブポイントであるらしいな。だがあいにくセーブしてログアウトして考える時間は俺には必要のないものだ。
使う素材はすでに決めてある。
「兄貴………是非ともこれを使っていただきたい」
「……………ほう? 俺等(おいら)ぁはてっきりあいつの角でもよぅ、出してくるとぉ思ってたがなぁ」
「ちょっと前までならその選択肢もありましたがね。生憎………借りがあるので」
俺が差し出したもの。それは天に覇たる龍王(ジークヴルム)の角でもなければ巨軀を誇るモンスターの素材でもなく、そして蠍系列モンスターの素材でもなく…………煌びやかな素材候補だったそれらと比べれば隨分とみすぼらしくもある、とあるモンスターからドロップした"牙"だった。
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