《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月18日:裏切りの徒花、報酬は金銀財寶
◇
面倒くさい。
ぱやぶさの率直な想はそれだった。
「カリントウさんがレイドモンスターに突撃してエイドルトが墜ちた? マジかー」
徹夜騎士カリントウ。その名に恥じぬフルタイムログインによってエイドルトに強固な防衛線を敷いていた彼が、嬲る縁大緑に戦いを挑みに行ったことで陣取り合戦の均衡が崩れた。
その直接的な原因はやはり相手陣営側を襲っていたレイドモンスターが撃破されたことだろう。ぱやぶさの見立てではあと二日は膠著狀態を維持できると見ていたのだが、あまりにも早すぎる討伐だ。
さらにそのレイドモンスター「焠がる大赤翅」討伐の中心人が間髪れない電撃戦でこちらのレイドモンスター討伐に向かっている、という報もある。
「わざわざこっちのレイドモンスターを狩ってくれるならエスコートしてあげてもいいんだけどなぁ……」
レイドモンスターとはいっても、このイベント中においては馬鹿でかいゲームオーバーの塊が攻めてくるようなもの。百害あって一理ない存在をわざわざ相手陣営が掃除してくれるなら萬々歳……なのだが、徹夜騎士カリントウからすれば卓上のご馳走を橫からタッパに詰めて持ち替えられるようなものだった。
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何せ彼がPvPよりもPvEを好むのは有名な話だ、レイドモンスターに一切関われないままイベントを終わらせるというのは我慢のならないものだったのだろう………とはいえ、だ。
カリントウの離”直後”に襲撃を仕掛けた前王陣営による迅速なエイドルト制圧。嬲る縁大緑に電撃戦を仕掛けたという「報」こそ広まっているが、その姿が見られない焠がる大赤翅の討伐者………
「……伝書鳩(ハト)に偽報を摑まされたとか?」
可能は高い、だが同時に低い。焠がる大赤翅が撃破されたのは事実だし、嬲る縁大緑に挑むプレイヤーが増えたのも裏が取れた事実だ。つまりリスナーから來る報に信憑がある、という意味では報に何らかの偽裝がある、という可能は低いと言えるだろう。
だがそれを差し引いても、不気味なほどに狀況がいている。丁度戦況が膠著したタイミングで焠がる大赤翅が撃破され、丁度カリントウの我慢が限界に近いタイミングで嬲る縁大緑への攻勢が始まり、そしてカリントウが離した直後にエイドルトは制圧された………偶然にしては恐ろしく噛み合い過ぎている。
ぱやぶさとて人生の中で酸いも甘いも経験したことくらいはあるし、狀況がく瞬間をじたこともある。だがこの戦いにおけるこの流れは例えるならそう、歯車がき出したような予を覚えずにはいられないのだ。
一つの歯車がき出したことによって、大小別々の歯車が一斉に連してき出したような……そんな予が。
「それに……まだ影も形も見かけてないんだよなぁ〜……レイドモンスター戦とかに絶対出てくると思ったんだけど」
今やシャンフロをプレイしていてその名を知らぬ者の方が數派で、ともすればシャンフロをプレイしていない者達にも名が知られる今最も有名なプレイヤー。
四のユニークモンスターを撃破した、という実績を説得力の塊である配信と共に示したプレイヤー「サンラク」。
彼、あるいは彼(報が錯綜しているのでハッキリしていない)が前王陣営についている、という報は前々から手していたが、その姿がどこにも見られないのだ。これがリアルの事でそもそもログインしていない、だったら問題は無い(殘念ではあるが………取れ高的に)。
問題はログインはしているが水面下で何かをしていた場合だ。それがこの王國騒イベントであれば致命的な敗北に繋がりかねないし、それ以外であれば知らない場所でまたユニークモンスターやら別のレイドモンスターが討伐されかねない。
「いても厄介いなくても厄介………なんていうか、エンカ式のめちゃくちゃ面倒くさい雑魚敵集団のバフ要員みたいだな~」
いたらいたで無駄にリソースを削られるが、いないとそれはそれで空いた枠に別の強敵がポップするのでいた方がまだマシ。流石にこれはちょっと分かりづらいので配信では使わないようにしようとぱやぶさは心中で辛口評価を下す。
「それに、こっちも飛車角落ち(・・・・・)だし………うーん、ログイン狀況かせめてこのイベントにそもそも參加してるかだけでも分かれば苦労しなかったんだけど」
配信者は黙ったら死ぬマグロのような存在だ。相方は黙ってプレイしているだけで取れ高になるが、ぱやぶさは喋り続ける必要がある。それを苦に思ったことは無いので実際配信者(ストリーマー)という職業は自分には向いていたのだろう…………代償というか職業病というか、獨り言の割合は多くなってしまったが。
そも、ぱやぶさが初日に電撃戦を仕掛けた最大の理由は件のプレイヤーがどうくかを見る、という理由もあった。しかし結果は空振り、それは別に構わないがこうも音沙汰が無ければ勘ぐりもしてしまうというものだ。
事実、ぱやぶさの予想はある程度當たっており、「サンラク」が派手にやらかすのは二十日まで待つ必要がある。
「うーん………そもそも別に俺、軍師ってほどじゃないからなぁ~……音頭を取ったり幹事やったりは別にいいけど、孔明求められても無理ゲーすぎる」
そういうのはGUN!GUN!傭兵団にやってもらいたかったのだが、彼らは全員サードレマに潛伏中である。配信戦線(ライブライン)の面々に共有された報では18日、23時59分に一斉蜂起を開始して19日中にはサードレマを制圧して見せる、と豪語していたが………ぱやぶさからすれば一番戦爭(PvP)に親しい連中が揃いも揃って離するのは勘弁してほしい、というのが本音である。
とはいえ配信戦線はその名の示す通り配信者の集まりである、何より優先されるべきは自分のチャンネルにとって有益な取れ高。數日間を潛伏に費やしてまでサードレマ市街地戦に賭ける彼らに「やっぱやめろ」とは口が裂けても言えないというもの。なにせぱやぶさ自が最もそれを求めているのだから。
「…………やっぱ、聞けないよなぁ~~~~」
赤の他人よりはランクは上だが友人よりは若干下、それくらいの関係だからこそ言いたくても言えないことがある。
───もしかして誰か、報向こうに流してね?
などと……そうでないなら失禮にもほどがある質問など、言えるはずがないのだ。
◇
『………あ、もしもし?』
「………やぁ。電話をかけて來たという事は、そういうことなのかい?」
『諸々の挨拶飛ばしますね…………ええ、報酬(・・)の話です』
「………で?」
『”承諾(OK)”だそうです』
「そうか…………それはよかった」
『何回も言ってますけど、別にこんな回りくどい方法で俺に頼まなくても良かったと思いますけどね。あいつ、基本的に挑戦斷らないですし』
「ははは…………うーん、そうじゃないんだ。これはある種ケジメのようなものだから」
『そう………ですか。一応19日には今やってる……ユニークシナリオ(・・・・・・・・)、が、終わりそうだからイレベンタルにて待つ、と。あいつそもそも今回のシナリオ殆ど不參加なので裏から攻められるとかは考えなくて良いかと』
「………うん。分かった、ありがとう……改めて謝するよ、慧君(・・)」
『いえいえ………ああ、一つだけ忠告って言うかアドバイスっていうか……いや、ド失禮なんですけど』
「ん?」
『どうか楽しんでください。それがあいつに……シルヴィア・ゴールドバーグに”勝ちにいく”なら一番大事なことです』
「………肝に銘じておくよ。それじゃあ」
『はい、失禮します』
仇花とは実を結ばない花
まさか配信戦線に初日どころか前日から報流してたやつとかいるわけないじゃないですか、ねえ
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