《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月19日:徹蹄鋼戦
あけましておめでとうございます、今年もシャンフロをよろしくお願いします
◇
「は!? フィグ死んだぁ!?」
パーティを組んでいるが故に、パーティメンバーの落は他のパーティプレイヤーにも通達される。そしてそれは、決して素人ではないフィグが初心者がリスキルされるが如く倒されたことを証明していた。
『……こちらドーナツ。すまん、死んじゃいないが大ダメージだ』
「え、マジ?」
ドーナツはフィグがキルされた場所からそう遠くない場所にいたはずだ。であれば先ほどのソナーによって場所を探知されたことで、フィグが最後に言い殘した「何か黃くてってくるもの」が襲撃を仕掛けたのか。
しかしドーナツから返ってきた言葉は、アップルパイを……ひいてはGUN!GUN!傭兵団をさらに混させるものであった。
『なにか……黒い(・・)バイクみたいな戦機だ。スモークを張ってなんとか逃げ切ったが……ああくそ、左アームがかん。最悪だ、片手でアサルトライフルを撃てと?』
Advertisement
「ドーナツ、本當に黒かったのか?」
『流石に黃と黒で見間違えん、間違いなく黒だった……』
思っていたよりも厄介だ、とアップルパイは隕鉄鏡が音を拾わない程度の音量で舌打ちする。今回の強襲に際してアップルパイ達は可能な限り高能な戦機を用意した、なくともそれはベヒーモスで購できる無改造狀態の戦機よりは遙かに高能だ。
だがそれでも拭いきれない懸念があった。
「戦機ガチ勢の集団(・・)を防衛に充てている、か……チッ、バラけるのは不味いか。とりあえずツーマンセルで合流して襲撃に備えろ!」
そもそも八人が個別行で強襲を仕掛けるのはそれが奇襲であるという前提に基づいたものだ。待ち伏せまでされていたとあっては、もはやその大前提のアドバンテージが丸々潰れていることになる。
『七人だ、俺は気にするな』
「すまんドーナツ!」
今回のイベントでは死亡したプレイヤーは直前のセーブポイントではなく本陣都市……新王陣営で言えばサーティードでリスポンする。すなわち実質的な強襲作戦からの落に等しい。
となればフィグが抜けたを埋めることはできない、ツーマンセルを組むならばひとり仲間はずれが出來上がる。
切り捨てるなら(・・・・・・・)自分だろう、と立候補したドーナツに詫びをれるアップルパイであったが、その言葉を遮る者がいた。
『んー? 俺ソロで良くない?』
「エクレア……流石に無茶じゃないか?」
『ま、なんとかなるって。それに位置的にはさ〜、ドーナツとハニートースト結構近いじゃん? 腳が生きてるなら最悪ピストルでキル取りながら斥候くらいは出來るじゃん?』
気楽な口調とは裏腹に、その言葉には斷言にも似た強さが含まれている。なくとも「そんなことできるか」と拒絶することはできない、なにせそれが出來る者がその言葉を発しているのだから。
『気軽に言うな全く……分かった、ハニートーストと合流する』
『ごめーんこちらハニートースト! 俺も死ぬかもしれん! こいつか!? 遭遇した!!』
◇◇
ヴァオン! と轟音を上げながらサードレマの大通りを駆け抜ける漆黒の戦機。だがその姿は基本的に人型であるはずの戦機とはかけ離れた姿をしている。
「……案外近くにいた、合流狙い?」
先ほど取り逃がした戦機を探していたルストは、しかしそれとは別の三人目へ突進を仕掛けながら考える。
この手の対人において位置を把握された場合のきはおおよそ二種類だ。その場から逃げ出すか、數を集めて防を固めるか。
散らばられる、と考えて高機の【黒獅無雙(コクシムソウ)】を出していたルストは、案外近くにいた別の敵機(プレイヤー)の姿に「GUN!GUN!傭兵団」が散開ではなく合流を選んだと判斷する。
「モルド」
『うーん、流石に線避けを徹底してるね。ただ………うん、ツーマンセルか4:3で分けるのかな? そういうきだ』
「……なら合流前に潰せるのは潰していく」
それは決して彼らの実力を侮ってのものではない。ただ、「自分ならできる」という純然たる自負と実力に基づいた判斷。なにせ彼が頂點に君臨するNephilim(ネフィリム・) Hollow(ホロウ)というゲームは……人とネフィリムの戦いでもある。
『クソッ、一応質問だけど防衛戦力何人くらいですかぁ!?』
「……ふっ」
やけっぱちのように見えて、しかし危なげなく突進を回避しつつさらに報アドバンテージのワンチャンを狙う質問を投げる敵にルストは思わず笑みを浮かべる。その意気やよし、ならば教えてやろうと言わんばかりにルストは【黒獅無雙】を格納する(・・・・)。
「……遠慮しなくていい、教えてあげる」
『あれ、聞いてみるもんだな……』
頭上に「ハニートースト@GGMC」と表示された戦機が大仰な作で周囲を浮かぶ隕鉄鏡へと顔をむけているのを見ながら、ルストは目の前のハニートーストに、あるいは彼を通してGUN!GUN!傭兵団に、あるいは……彼らの配信を見ている無數の「ネフホロユーザーになるかもしれない者達」に告げる。
「………二人(・・)」
『……………え、マジ? 狙撃手が一人で…………お一人で?』
「……そうなる」
『どうしよう、"舐めプ"か"ブラフ"のどっちかなんだけど』
「……安心してしい」
『え?』
がごん! と格納空間から"紺"の立方が現実空間へと落ちてくる。ルストとハニートーストこ間に落ちた紺の立方によってスーツを替えているルストの姿は隠れ、ただその聲だけがはっきりと響く。
「……"本気"で、"噓偽りなく"全滅させるから」
『おっとぉ……? もしかしてフィグの言ってた黃いやつって……』
直方の金屬塊が変形し、シャングリラ・フロンティアで最多の戦機保有數を誇るプレイヤーの鎧としての形をす。
一人、ただし六。
RS:Δ【黒獅無雙(コクシムソウ)】
ルストシリーズの中では最初に設計され、最後に完したアルファにしてオメガのピラミッドメン。あくまでも裝甲、鎧としての戦機の常識に囚われず「変形することで様々な戦場でハイスペックなきを可能とする」というあまりに変態的な設計思想の元に完した異形変形型ピラミッドメン。
その質上、本に搭載された武裝は皆無。ただし裝甲形態、二形態、三形態、四形態の四種の変形パターンを持ち、本武裝の非搭載をインベントリアという無限にして無重量の兵站で補っている。この機のみ、変形パターンに対応してスーツとの接続を切り替える質上、プレイヤーが裝備する強化スーツは専用のものが用意されている。
設計思想の基となったのは墓守のウェザエモン……というよりも戦機馬「騏驎」であり、人型に囚われない変形合は真理書を読んだことでルストが考案したもの。
【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。
ある日、吉永海斗(よしながかいと)はバイトを終えて家に帰ると。 一人暮らしをしているアパートに、ずぶ濡れのギャルがうずくまっていた。 なんとその子は、同じ高校に通っている1年生にして、トップカーストの中でも上位の超勝ち組。 清坂純夏(きよさかすみか)だった。 見るに見兼ねた海斗は、純夏を家に上げて獻身的に面倒を見る。 一人暮らしかつ優しい海斗に、純夏はとんでもない関係を持ち掛けた──。
8 139【書籍化決定】婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
アメリアには、婚約者がいた。 彼は、侯爵家の次男で、貴重な「土魔法」の遣い手だった。 婚約者とは良好な関係を築けていたと思っていたのに、一歳年上の彼が王立魔法學園に入學してから、連絡が途絶える。 不安に思うが、來年には自分も入學する。そのときに話し合えばいい。 そう思っていたのに、一年遅れて入學したアメリアを待っていたのは、周囲からの冷たい視線。 婚約者も理由をつけて、アメリアと會おうとしない。 孤立し、不安に思うアメリアに手を差し伸べてくれたのは、第四王子のサルジュだった。 【書籍化決定しました!】 アルファポリスで連載していた短編「婚約者が浮気相手と駆け落ちしたそうです。戻りたいようですが、今更無理ですよ?」(現在非公開)を長編用に改稿しました。 ※タイトル変更しました。カクヨム、アルファポリスにも掲載中。
8 50【書籍発売中】【完結】生贄第二皇女の困惑〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜
【書籍版】2巻11月16日発売中! 7月15日アース・スターノベル様より発売中! ※WEB版と書籍版では內容に相違があります(加筆修正しております)。大筋は同じですので、WEB版と書籍版のどちらも楽しんでいただけると幸いです。 クレア・フェイトナム第二皇女は、愛想が無く、知恵者ではあるが要領の悪い姫だ。 先般の戦で負けたばかりの敗戦國の姫であり、今まさに敵國であるバラトニア王國に輿入れしている所だ。 これは政略結婚であり、人質であり、生贄でもある。嫁いですぐに殺されても仕方がない、と生きるのを諦めながら隣國に嫁ぐ。姉も妹も器量も愛想も要領もいい、自分が嫁がされるのは分かっていたことだ。 しかし、待っていたのは予想外の反応で……? 「よくきてくれたね! これからはここが君の國で君の家だ。欲しいものがあったら何でも言ってくれ」 アグリア王太子はもちろん、使用人から官僚から國王陛下に至るまで、大歓迎をされて戸惑うクレア。 クレアはバラトニア王國ではこう呼ばれていた。——生ける知識の人、と。 ※【書籍化】決定しました!ありがとうございます!(2/19) ※日間総合1位ありがとうございます!(12/30) ※アルファポリス様HOT1位ありがとうございます!(12/22 21:00) ※感想の取り扱いについては活動報告を參照してください。 ※カクヨム様でも連載しています。 ※アルファポリス様でも別名義で掲載していました。
8 73進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
何もかもが平凡で、普通という幸せをかみしめる主人公――海崎 晃 しかし、そんな幸せは唐突と奪われる。 「この世界を救ってください」という言葉に躍起になるクラスメイトと一緒にダンジョンでレベル上げ。 だが、不慮の事故によりダンジョンのトラップによって最下層まで落とされる晃。 晃は思う。 「生き殘るなら、人を辭めないとね」 これは、何もかもが平凡で最弱の主人公が、人を辭めて異世界を生き抜く物語
8 70転生して3分でボスバトル!〜ボスを倒したら邪神になったので異世界の學校に通う〜
2025年人類は完全なVR空間を作ることに成功し、50年には日常的に使われるようになっていった。 VRを使った娯楽といえばVRゲームと言われ、中でも"VRMMORPGジェネシス"は世界中で人気のゲームとして有名だった。 ジェネシス最強プレイヤーのシンがある日正體不明の何かにクラスまるごと異世界に転移してもらうなどと言われ、文句を心の中で言った その何かは心が読めシンのことを不快に思い殺した… 殺されたと思ったら何故か目の前にはドラゴンがいて!? ジェネシスゲーム內の力が使えたシンはドラゴンを殺した。 そしたら何故か邪神になって!?銀髪の幼女が懐いて!? 當分の目標を決めたシンは異世界の學校に通うことになり…
8 71異世界に食事の文化が無かったので料理を作って成り上がる
趣味が料理の23才坂井明弘。彼の家の玄関が、ある日突然異世界へと繋がった。 その世界はまさかの食事そのものの文化が存在せず、三食タブレットと呼ばれる錠剤を食べて生きているというあまりにも無茶苦茶な世界だった。 そんな世界で出會った戦闘力最強の女の子、リーナを弟子に向かえながら、リーナと共に異世界人に料理を振舞いながら成り上がっていく。 異世界料理系です。普通にご飯作ってるだけで成り上がっていきます。 ほのぼのストレスフリーです。
8 74