《【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの年は、眠りからさめた神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】》1-14:妨害
ダンジョンから持ち帰った魔石につけられた、どうしようもなく低い買取値。
買取擔當はだいたいがコワモテのおじさんだ。だからいつもなら決して文句はつけない。
でもこんな値段、間違いとしか思えないよ。
「スケルトンの魔石、もあるんですけど。この魔石の大きさで、昨日のスライムやコボルトの魔石と同じ値段ってないですよ……!」
僕がどんなに粘っても、買い取り金額が上がることはなかった。
どういうこと? だんだん魔石の値段が落ちていた覚はあったけど、こんな、真っ逆さまに価値が下がるなんてさすがに変だ。
周りから視線が集まる。
「どうしたリオンっ?」
「金欠で、ついにカウンターに文句つけるのか?」
「親父が見たら泣くだろうなぁ!」
ゲラゲラ、ゲラゲラ。
笑い聲が背中を叩く。
命をかけても、家族一食分にも満たないなんて。こんな買取金額ってあるんだろうか。
「……リオン」
ミアさんが肩を叩いてくれなかったら、僕はいつまでも立ち盡くしていたかもしれない。
いずれにせよこんな値段では売れない。だからといって、どこに売れば?
魔石を使うには、専門の裝置か爐が必要になる。ギルドに買取を拒まれるのは、屋さんがパン屋に買取を拒まれるようなものだった。
「……申し訳、ありません」
買取擔當の人と、付のお姉さん、2人そろって頭を下げた。食い下がっても無駄だと告げる事務的なお詫び。
その態度がすべてを語っていた。
嘲笑に押し流されるようにギルドを出る。呆然ってこういう狀態をいうのだろう。
『ど、どういうことだ……? リオン、売値になにかあったのか?』
ソラーナも困っているみたいだ。狀況を説明してあげたいけど、今は、余裕がない。
『わたしにできることはあるか? その……君は困っているみたいだ』
けなくて、申し訳なくて、いたたまれない。
ミアさんが後ろを振り返った。
「おい寢坊助ども」
びっくりするくらい低い聲が、冒険者ギルドを制圧する。
「リオンに謝しな。スケルトンがわんさか沸く階層に、お前ら突っ込んでたのかもしれないぞ」
空気がピンと張り詰める。
「親切で言ってる。付でちゃんと話聞いて、今日はダンジョンに潛ることだ」
ミアさんはふんと鼻を鳴らした。
「かっこいい……」
『かっこいい……はっ』
僕とソラーナは同じ想を持った。神様の聲が聞こえる。
『そ、そうか、ああやればよかったのか……? むむ、守れなかった……すまぬ』
ソラーナも一緒に悩んでくれて、ちょっと気が楽になった。
こんな時なのに、くすりと笑ってしまう。
「ありがとう、神様」
『へ?』
神『様』って呼んでしまったけど、今回は大目にみてほしい。だって、本當に、救われた。
「行きましょう」
ギルドを後にする。
ただこの後に宛てがあるわけでもない。買い取ってもらえなかったという事実が、魔石のったポーチを重くさせる。
まずいよね、これ……。
足が向くままぼんやり歩く。どん、と前の背中にぶつかった。ミアさんが足を止めていた。
「余計なお世話だったか?」
「い、いえ……助かりました」
僕はまだ、ああいう雰囲気でこまってしまうから。
「悪いね、し見させてもらった。ずいぶんと買い取り値が安いな」
「そうなんです!」
慌てて口を押さえる。往來で大聲だすなんて。
「あんた、起こし屋のリオンだろう?」
「そ、そうです……よく知ってますね」
「はは! 王都であれだけ駆け回って、人を目覚ましさせて回ってたら、有名にもなるさ」
ミアさんは腕を組んだ。イタズラ好きの貓みたいな、何か考えがありそうな笑み。
右腕に巻かれた鎖がじゃらりと揺れる。
「貴族に目をつけられてるだろう? 確か、ワールブルク家のギテオンだ」
「そこまで……」
「知ってるさ」
ミアさんはずばり言った。
「ギルドは、ギデオンから圧力をかけられてるんじゃないか?」
すぐに心配したことだ。
そして、恐ろしいこと。あの貴族家は王都の東側に影響力がある。冒険者ギルドだけでなく、々な店にものがいえる。
生まれ育った街から締め出された気分だ。
「そんな……そこまで、しますかっ?」
「おいおい人がいいな。今までも、相當な理不盡けてきたんじゃないのか?」
ミアさんの様子からして、東ダンジョン以外にも僕とギテオンの噂は伝わっているのかも。
「でも僕、きちんと魔石も納めています。こんな風に妨害されたらギデオンも困ると思うんです!」
ギデオンに借金を返すために働いている。邪魔するのは変だ。
「さてねぇ。どうも、裏がありそうだ……」
ミアさんは、うーんと天を仰いでいた。やがてぱっちんと指を鳴らす。
「よし、ちょっとあたしに付き合わない? 救援のお禮をするよ」
自信満々の笑みに、僕は目をしばたかせた。
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