《【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの年は、眠りからさめた神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】》2-27:弱さと強さ
年の言葉で、スキルの効果が発揮された。
――目覚ましっ!
目に見えない力が、世界を覆う封印に抗う。
リオンに封印解除された神々は、それぞれの能力で狀況を正確に認識した。
雷神の戦略眼で、魔神の察で、狩神の知で、戦乙の共で。
最も避けるべきはパニック。広場の後ろには城外市があり、住民が城壁に殺到すれば事故で無用な死者が出かねない。夜というのも尚悪い。闇は恐怖を煽るから。
王都の東ダンジョンのこともあり、魔の來襲という想像は簡単に住民を恐慌させるだろう。
「僕がやろう」
特に示し合わせることもなく、魔神ロキがまずいた。
「夢を守る霧よ《ルーナ・エオルフ・ラグ》――」
ゴーレムの軍勢と広場を隔てるように、闇の霧が立ち込めた。
◆
ゴーレム達と僕らの間を塞ぐように、真っ暗な霧が生み出された。まるで黒いカーテンをさっとひいたみたいだ。
頭に神様の聲が響く。
「リオン」
「ロキ……?」
「とりあえず、ゴーレムの姿は霧で隠した」
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の戦士団も辺りを見回している。神様の聲を聞くのに、慣れていないんだろう。
すでに広場は騒がしい。冒険者が騒ぎを聞き付けてじっとしているはずがない。
「加勢はありがたいが、人目があると今度は俺らがきにくいのでな」
トールの聲だ。
狩神ウルが引き取る。
「……というわけで、戦士団。しばらく、霧の外で加勢を足止めしてほしい」
戦士団がどよめいた。
「そ、それは……!」
「心配ない。時間は5分ほどでいい」
トールが頼もしく切り上げて、それでもう聲はしなくなった。
霧からは何も聞こえない。『野生の心』や『黃金の炎』をもってしても、戦いの気配、臭いさえ遮斷されている。
神様は、人知れずにゴーレム達と決著をつけてしまうつもりなんだ。
フェリクスさんが眉間に皺を寄せ、額の小冠(コロネット)を押さえた。
「戦闘で使えるようなゴーレムは、生産も、売買も厳しく管理されているはず。なぜ、短期間でこんなに……」
広場から冒険者が次々にやってきた。
「おいどうなったんだ!?」
「霧で、見えないが……」
「魔が出たのかっ?」
冒険者の多くは戦いが起きていることさえ気づいていない。
カルマルという街に決してパニックを起こさせない――トール達はそんなつもりなのだろう。
「……神様」
自然と背筋がびる。
「ぼ、僕も行きますっ」
ミアさんがにっと口を引き上げ、フェリクスさんは後ろに聲を張った。
「後は頼みます」
「こ、この狀況で……!?」
「足止めなど、どのように……」
「落ち著きなさい。魔法の失敗、積み荷のトラブル、偽裝に使える材料は十分のはず。さぁ!」
フェリクスさんを待って、僕達は霧へ飛び込んだ。
「っ」
霧が濃い。一歩進むだけで、方向覚を失ってしまいそう。
「リオン!」
ソラーナはもう小さな人形サイズではなくて、僕と同じくらいの、の子のサイズだった。
白い手が僕の腕を握る。
「こっちだ!」
「……うん!」
ソラーナが僕を導く。
みんな一緒に霧を抜け出すと、神話の世界だった。
空中で金槌を振り上げるトール。赤髪がなびき、短柄のハンマーには雷が駆け回っている。
対するは、両腕を差させ構えるゴーレム。
トールも巨だけど、ゴーレムはさらにその2倍はあった。
「はぁっ!」
鎚がゴーレムの腕にめり込んだ。
腕が砕け、上半が吹き飛ぶ。
崩れるゴーレムを踏みつけて、巨神は次の獲を狙う。
「オオ、オオ……!」
唸りながらゴーレムは拳を繰り出す。トールが左手で払うと、拳は腕ごと弾かれた。衝撃に膝をつくゴーレム、トールはその頭を摑んで引き上げる。
手で雷が弾けた。
ゴーレムは全から煙をあげ、瓦礫の山に戻る。
「……すごい」
まるで人の形をした雷雲だ。
攻撃の余波に足がすくむ。瓦礫が飛んでくるのを、ソラーナが魔力の防壁で防いでくれた。
巨神の笑いが聞こえる。
「はっはっは」
トールは鎚を投擲した。
離れた位置にいたゴーレムが、數まとめて吹き飛んだ。鎖でもついているみたいに、鉄槌はトールの手に戻る。
「……まるで渦だな」
ミアさんが舌をまいていた。
「魔神ロキが霧で囲って、多分、ウル神が真ん中にゴーレムを追い詰めている」
その中心にはトールがいて、近づく傍からゴーレムを打ち砕く。なるほど、確かに渦だ。
これ、もしかして僕らは必要ないんだろうか。
全部を神様に任せて――なんてつい弱気になってしまう自分を、首をふって叱る。
『共闘』って、言ってくれたじゃないか。
「ウォオ……!」
衝撃に弾き飛ばされていたゴーレムが起き上がった。
僕は頭に飛び付き、核を狙う。
「こっちは任せてください!」
トールはしの間だけ、きを止めた。2メートル近い巨。金槌を右手に提げて言った。
「……ああ、ありがとうよ。お前はやっぱり、でっかいやつだな」
神様のが赤くった。僕のにも同じが宿るけど、それは一瞬で、すぐに消える。
「共闘か」
ソラーナがぽつりと言う。
神様は僕らを飛んでくる瓦礫から守りながら、続けた。誰かがしでも手傷を負うと、シグリスがたちまち治してくれる。
「トールもあれで……し変わったかもしれない」
神様の聲はし嬉しそうだった。
ちょっと変に思う。神様が、変わった?
「最強神とも呼ばれ、頼られることも多かった。個々が強いゆえに、神々が力を合わせることは滅多になかったのだ」
新手のゴーレムが現れる。でもすでに傷ついていて、核がむき出しだった。
僕は注意を引くだけにして、ミアさんの鎖斧に対処を任せる。
「終末では、そこを突かれたように思う。神々も決して結束してはいなかった。強さゆえに、弱さを見せられない弱さがあったというのかな」
し不思議なソラーナの理屈は、僕のにすっと染み込んだ。
「リオン、君と出會って……わたし達も変わったのかもしれない」
トールが飛び上がる。
最後の一に、凄まじい落雷が叩き込まれた。
ゴーレムの軍勢は壊滅だ。宣言通り5分もかかっていない。
戦神が雄たけびをあげている。
これが、雷神トール……。
自分よりも大きな敵に、ハンマーで立ち向かう、頼れる神様なんだ。
その強さに、僕は改めてとんでもないものを<目覚まし>してるってことを思い知らされた。
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