《12ハロンのチクショー道【書籍化】》番外編:そして魔王は西より來る-14
おくれました
「クククク……フフフフ……この日のために様々な手を打った。最早萬全というより他無い。今日というこの日、この日本の地で! 丸(ヤツ)は私に屈するのだ……フフフ……」
うわぁ今日の殿下テンション高い、と心引きながら、護衛兼書の男は「素晴らしい日です」と相槌を打った。
実際、セヴンスターズは予想される障害に対していくつもの対策をとってきた。
それはレース中のもあるし、馬場の外のもある。
例えば會場につめかけた観衆。どちらかといえば淺くまばらに広がる歐州のレースと比較して、日本の競馬場は正面スタンドの度がそれらの比ではない。そもそもの場者數からして多い事もある。これはジェイクの與り知らぬ事だが、この日の場者數はジャパンカップとしてはかなり多い14
萬人ものファン達が詰め掛けていた。
人が発する音は単では如何程でもない。しかしそれが十數萬と集まれば、そこにただあるだけで騒のように唸る。サラブレッドは靜かな場所で生活する生きだ。こうした大きな音に対する免疫は低い。
とはいえセヴンスターズはかねてよりそれらに対してじないよう、訓練されていた。いくら臆病とはいえ繰り返し続ければそれなりに慣れるもので、各國を渡り歩いた経験も手伝い、競馬場で騎手が乗っている狀態ならばそう易々とじたりはしなくなった。
本馬場場が始まり、出走各馬がターフで走り出す度スタンドからは大きな聲援が上がっている。2枠③番のセヴンスターズは既に場を終えており、1コーナーの奧でスタンドを眺めながら目を丸くしているが揺した気配は見けられない。
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「フフフ、本拠地では花火の音にすらじないのだ。まあ、あれには隨分金も手間も掛けさせられたが、私の馬が走るためだ。些末な事だ。クククク……君、見てみたまえ。私の馬は14萬の観衆を前にしてしもじていないぞ! ハハハハ!」
変なスイッチってるなぁ、と心引きながら、護衛兼書の男は「殿下のご慧眼にございます」と無難な相槌を打った。
いよいよ発走機が馬場に乗り込みセットされる。出走馬たちはその後ろで乗りをしながら待機している。
「さあ発走だ。私の馬よ、君が勝つところを私に見せてくれ……」
そしてスターターが立ち、ファンファーレが始まる。
「ククク、ファンファーレに驚き躓いた馬のなんと多いことか。しかし我々は違う。日本に來てからというもの毎日楽団を呼び寄せ、私の馬にファンファーレを聴かせ続けたのだ。まぁ、それだけでは申し訳なかったのでそのままコンサートホールで個人的な演奏會を毎日やらせたがな……しかしあれは中々の出費だった。思いのほか高くつくものなのだな、本國から自前の演奏団を呼び寄せたほうが良かったかもしれん……いや、何よりも勝つためだ。日本の演奏に慣れされなければ意味が無いのだ。はっはっは! 今更その程度の管楽では私の馬は怯えな……あ、んなああぁぁぁぁッ!?」
何故だとぶジェイクの眼下。緑のターフではセヴンスターズが後ろ足で立ち上がっていた。
確かにセヴンスターズはファンファーレには驚かなかった。
ただ、彼らは知らなかったのだ。
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競馬場が織りすグルーヴ、それらが生み出した闇の勢力。
『オォォォイッ! オオォォイ!』
數萬人が聲を合わせて怒聲を上げる現場に、競走馬が出會うだろうか。
一際臆病な馬がそれにじたところで、責める事が出來るだろうか。
セヴンスターズ、ファンファーレの合の手に驚き立ち上がる。
オイオイ民、會心の一撃。
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「ん?」
ファンファーレが終わりいよいよゲートりというところで葦の馬……注目の二番人気セヴンスターズが後ろ足で立ち上がっていた。大量の発汗も見られる。
まあそりゃ慣れてなきゃ驚くよな、と他人事を眺めながら文昭は下の相棒の首をでた。「なにー?」と訝しげに顔を向けた相棒に何でもないさとまたでる。
「ありゃ凄いね。ゲートちゃんとるかな」
一方こちらは泰然とした様子のサタンマルッコにった橫田友則。栗の怪馬は相棒に対して「あぁ~ん? てめぇやんのかおらぁ~ん? あぁ~ん?」と首を傾けて凄んでいる。相棒はどこ吹く風でスタンドを眺めているが、前肢で小さく地面を掻いているので実は結構イラついているようだった。
橫田に対し、いいから乗りしてくれと心思いつつ、
「どうでしょうね。あ、やっぱ飛して後にれるみたいです。俺奇數なんでお先に」
これ幸いとさっさと離れる。
スティールソードは⑦番。③番のセヴンスターズを飛ばしてれるらしく、やや慌てた様子の係員が口を引いた。導に従い文昭とスティールソードは丸(チンピラ)から離れ、ゲートに収まる。
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決してそんなはずはないというのに、文昭にはゲートの中はまるで隔絶された世界のようにじられた。外の喧騒がガラス板一枚隔てた向こう側のことのようだ。
(違うか)
外のことはどうでもいいのだ。大切なのは自分と相棒。
空いた時間があれば発走の瞬間を撮影した映像を繰り返し眺めた。そのせいでゲートが夢に出た。毎日発走の練習をするせいで、相棒は発走機を見ると機嫌が悪くなるようになった。
ふんだりけったりだ。それでも必要だ。
勝つためだ。
必要なのは外の事ではない。余分なものは切り捨てる。
そうして殘ったゲートの中の小さな世界、人と馬。
勝つためだ。
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(俺、くじ運悪いんだよね)
忖度か不正かと疑われた回數は全騎手で一番多いのではなかろうか。
竹田は1枠①番のゲートで海老名が聞けば激怒待ったなしの獨白を心ので呟く。①番は他馬のゲートりを待たなければならないので、基本的に狹所が苦手な競走馬をこの中で落ち著かせるのは、これはこれで苦労がある。理想は後りで①番に比べてゲートにいる時間が短い②番だ。ここを引けていないのだからやはり自分はくじ運が悪いというのが彼の理屈だ。
今更ゲートり程度でどうにかなる馬ではない。その信頼に応え枠でストームライダーは傾斜したゲートの扉をじっと見つめていた。背中のから闘志も十分。さらに言えば、
(スターズ、暴れてるな。もうまともに走れそうにない)
何度も勢いをつけてれようとするが葦の黒帽子は従わない。それなりに勢いがついているのに、一瞬でを止められるあたりに能力の高さを覗わせるが、逆に言えばそれだけ無駄な力を使っている証でもある。
有力馬の落にしめたものと心ニヤケるが、それではいけないと引き締めなおす。
一頭減った程度で油斷できるレースではないのだ。
素直な心として、単勝で一番人気でないことが竹田には不本意だった。外から俯瞰して見れば理解は出來る。サタンマルッコ、スティールソード、セヴンスターズ、リスリグ、時代が、あるいはレースが違えば一番人気間違いなしの馬があまりにも多い。ここにストームライダーが加わっても、やはりその中の一頭となってしまうというのは分かる。
だが納得は出來ない。
(俺たちが一番だ)
証明したい。なら、やることは一つ。
勝つことだ。
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《……――いやー本當にどうなるんでしょうか。結末に予想が付きません。
或いは競馬としてそれは本來ましい事態であるかのように思えますが、ここまでとなると最早お手上げと言いたくなってしまいます。
遙か西、歐州の舞臺へ思いを馳せ、彼の地の競馬はこのように各國の優駿達を集め競わせているというではありませんか。そりゃあこんなことばっかりやっていれば競い合う技も高くなろうと言うものです。だから歐州の馬は強いのだと言われれば納得してしまう、そんな有無を言わせぬ景が目の前に広がっております。
第NN回ジャパンカップ。実況は私黃島達也がお送りいたします。
ドリームレース。それは寶塚記念や有馬記念のキャッチコピーである訳ですが、今年度のジャパンカップ、もう夢が葉っちゃってるのではないか。そんな事を考えている訳ですが、吉井さん。どうですかこのジャパンカップ》
《いやぁもう、なんと申しますか……ごつい景ですね。かつてはこのジャパンカップに海外の名馬達が訪れていた訳ですが、ここ近年は年末の香港や秋のアメリカに照準を合わせる馬が増えた影響かね、勝手な言いですが超一流どころはあまり來日しなかった訳ですけども。
そんな中でリスリグ、そしてセヴンスターズというあまりにも強力な二頭が來日。
そして迎え撃つ日本勢も負けてないんですよ。強力4歳馬達が集まり、これら4歳馬と鎬を削る年上の馬達も揃っていると。
創設の理念が帰って來たというかねぇ、慨深いものがありますよこのメンバーは》
《さぁそんなジャパンカップ、観戦する我々は手に汗握りつつ気楽に構えていられる訳ですが當事者にとっては運命を分ける一戦であるやもしれません。なにかターフへ近づくにつれて空気というか重力と言うか、重々しくなっているようにじられます。
『①番ストームライダー
②番グレーターミューズ
③番セヴンスターズ
④番ラストラプソディー
⑤番キャリオンナイト
⑥番モデラート
⑦番スティールソード
⑧番アルカイド
⑨番コトブキツカサ
⑩番メイガスレンズ
⑪番リスリグ
⑫番グリムガムジョー
⑬番ワンデイライミ
⑭番サタンマルッコ 』
ご覧戴いております14頭にて今年のジャパンカップは競われます。
出走予定でした3歳二冠馬ウーサワイアーは熱発のため出走回避となったため3歳からの參戦は今年はありません。
一番人気はやはりというか⑭番の凱旋門賞馬サタンマルッコ。この馬が地方競馬出であった事など最早些細な裝飾でしかありません。日本が誇る世界のサタンマルッコが一番人気。栗の馬が夕日に輝いております。
二番人気は③番セヴンスターズ。僅差の三番人気が①番ストームライダーと続き、春の王者スティールソードは④番人気。
これら単勝のオッズでして、複勝系、馬連や3連複となるとまた様相ががらっと変わっておりまして、その事からも馬券を買う皆様の混迷合がけて覗えます。
さぁいよいよスターターが臺の上に上がりましてファンファーレが鳴り響きます。
……あ。吉井さん。これセヴンスターズ驚いて立ち上がっていますよ?》
《ファンファーレに驚いたというよりはお客さんの合の手ですか? 聲に驚いたじですかね。これはどうなんでしょう、スタートまでに落ち著く……あー凄いゲートりも嫌がってますね》
《さあ大変な事になってまいりました。そんな中でもゲートりは粛々と進められます。
奇數番號……セヴンスターズを後に回して奇數番號の馬が収まっていきます。
そして③番のセヴンスターズが勢いをつけて……あありません。鞍上のフランコフ騎手が導を試みますがダメ。
ここで目隠しをして……ようやく収まります。
次々と偶數番號の馬が収められて行き……勢完了となりました!
世界一短い二分二十余秒、第NN回ジャパンカップ――スタートしましたッ!
スタート絶好サタンマルッコ! そのままスーっと先頭に立つやはりこの馬のペースになりそうだ!
の方⑦番スティールソードも好スタートから位置をあげて1コーナーへります。
大歓聲を背にけ各馬コーナーへ進んでいきます。
先頭は⑭番サタンマルッコやはり逃げます。行く、ぐんぐん行く。
その後ろ3馬程に⑦番スティールソード、の方①番ストームライダー並んで②番グレーターミューズだその後ろ④番ラストラプソディーこの辺り枠の馬が固まりまして、⑫番グリムガムジョー、⑧番アルカイド、切れて1馬⑨番コトブキツカサ、注目の⑪番リスリグは中団外目。そこからまた2馬ほど離れた側に⑥番モデラート、⑬番ワンデイライミ、最後方にキャリオンナイト、そしてセヴンスターズがここにいました。スタートからダッシュがつかなかったか。
そういった隊列で先頭サタンマルッコが2コーナーを抜け向こう正面にります。注目の1000m通過タイムですが……57秒2! もうこの馬のペースについては驚きはありませんがそれでも速いものは速い! 圧倒的ハイペースになろうとしています!
春の王者スティールソードは先頭から5馬程を追走こちらもかなり速いペース。
そこからさらに5馬のところ、逃げる馬を追いかけるのは得意だストームライダー前目のこの位置! ポジション、ペース共に良い場所に収まったのではないでしょうか。
リスリグは先頭から7~8番手くらい、中団の外を走っています。恐らくこのあたりは平均ペースであるように思います。最後方ではキャリオンナイト、そしてセヴンスターズですがこれはどうなんだ。フランコフ騎手が手綱を押して前に出そうとしているが手応えが怪しい!
どぉっとスタンドから大きなどよめき!
なんとスティールソードが向こう正面中間で先頭サタンマルッコへ並びかけようとしています!
差は半馬、もうほとんど並走の狀態で、いやこれは抜きに行っているのかスティールソード細原騎手、もう間もなく3コーナーというところですがスティールソードが抜きにかかっている! これはどうなんだどうなってしまうのか!
あぁまたも大きなかんせ、悲鳴のような大歓聲!
抜かせない! サタンマルッコ抜かせない! かかったか、スティールソードの煽りをけてサタンマルッコがかかった! 橫田騎手手綱を引くも効果が無い様子!
どうする橫田、いいのか橫田! 橫田騎手の手綱が緩んだ! ゴーサイン!
まだ半分殘っているぞ!? それでいいのか橫田友則!
しかもスティールソードがそれを追う! 緩める気配が全く無い!
向こう正面半ばからグングン加速した二頭だけがもう……20馬で納まるんでしょうか、20馬くらい離れて3コーナー中間!
後ろの馬、ストームライダーが今ようやく3コーナーにりましたがこのままで済むとは到底思えません!
さすがに後方集団もペースがあがって先頭との差が詰まって……いない!
前の二頭はまだやりあっている! やりあっている! やりあったまま4コーナー出口!
こんなジャパンカップは見たことが無い! 二頭だけが、二頭だけが直線にりました!
遅れて15馬ほど後方集団おっつけてきた!
さあ東京競馬場おかしな歓聲をけて、最後の直線を優駿達が駆け抜ける!
先頭はまだサタンマルッコ! 並んでスティールソード二頭にもう殆ど差は無い!
流石に今度こそ差が詰まってきた! 凄い勢いでストームライダー、ラストラプソディーが飛び込んでくるがまだ前までは10馬くらいあるが見る間に差がんできた!
外からリスリグ、キャリオンナイトもすっ飛んでくる! セヴンスターズは馬群の中!
殘り200m前の二頭がまだ先頭! 前の二頭がまだ頑張る!
ストームライダーが迫る! 3馬! 2馬!
リスリグが! キャリオンが! ラストが! 頑張って追って來る!
追っているがまだ前の二頭が先頭爭い!
後ろの馬はどうだ! 追い足が止まったか!?
殘り100m!
まだ粘る! 粘る粘るサタンマルッコスティールソード!
1000mびっしり併せてここまで來た二頭どこまで持つのか気が気でなぁい!
50m!
もうこの二頭なのか!
ストームライダーもう一び差を詰める!
だが前だ!
前の二頭だ!
なんということだ!
どうやら前の二頭だ!
橫田が押す! 細原が鞭ィッ!
サタンマルッコとスティールソード、
全く並んでゴールインッ!
著差は微妙ッ! これは寫真判定になりそうです!
三著にはストームライダー1馬差!
とんでもないレースになりました!
ただで終わるとは思えないレースでしたがこの展開を戦前に予想できた人はいたのでしょうか!
終わってみれば、サタンマルッコとスティールソード、向こう正面から馬を併せてのマッチレース!
最後後一歩まで迫ったストームライダーでしたが惜しくも屆かず!
ん?
これは細原騎手右手を高々と上げている!
1コーナー奧、スティールソードが嘶いている!
勝利宣言か! まだ寫真判定は出ていません! しかし手応えアリか細原文昭!
あ! 出ました!
一著は⑦!
二度のどよめき! R! Rのランプがついている!
スティールソード2:22:0!
毆り合いの決著はスティールソードに軍配が上がった!
時の裏づけを得たスティールソード!
間違いない! 文句の付けようも無い!
勝ったのはスティールソード! ――……》
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誰もいないターフを一人で戻る。
東京の、この芝を。
超満員のスタンドは音で満ち溢れていた。
稱える聲、罵る聲、驚きの聲、一つ一つは聞き取れず何を言っているのかは分からない。
だけど、それらは全て自分へ向けられた言葉だ。
十萬超の人々が自分を見ている。
勝者たる自分を。
「勝った……」
サタンマルッコに勝った。
トニービンの系譜で、府中で、相棒で。
「勝った……っ!」
誰もけちが付けられないレコード勝利で。
きっとこの先何十年も殘るような場所に名前を刻み込んだ。
興があった。達があった。
「おおおおおおおおおおおおおおッ!」
意味なんか考えなかった。
細原文昭はんだ。スタンドもんだ。
それでいい。
勝者の凱旋はそれがいい。
「ぐるるるるッ!」
「こらこらこらこら」
地下馬道、遠雷のように響くスティールソードを稱える聲に、マルッコは聲の方角を向いて威嚇を始めた。
背中からでは制不能と判斷した橫田はすばやく下馬し手綱を引いた。引いた綱はすぐにビーンと張って橫田のを力に任せて引きずり始める。
「何を満足していたのかしらないがね、マルッコ君」
それは日本に帰って來たマルッコに橫田がじていた不満。
どこか腑抜けて、勝負を甘く見ているかのような態度。
「負けていいはずないだろう。お前は負けるのが大嫌いだ、そうだろう。奇遇だな、俺も負けるのが大嫌いなんだ。俺もお前も次がある。あとは分かるな?」
「ぐるるる……」
恥ずべき敗戦ではない。しかし道中に不純なが混ざっていた。
「アイツに勝つ。次は絶対だ」
「ブヒィンッ!」
ハナを鳴らしたような返事。それは了承の意であるように橫田には思えた。
著順はかなり前から考えてあるんですが、レース展開は割と勢いでかいてます。
今回もこんなことになるとは書いてる途中までちっとも思ってませんでした
向こう正面までは普通にレースしてたはずなんだが……
次回は來週の日曜日予定また晝か夜に
2018/11/26追記
アーモンドアイが2:20.6とかいうファンタジーもビックリなタイムで勝利しました。
結果をウェブで見たとき何かの誤植かと見直したくらいです。
いやはや、現実の方がファンタジーでしたw
作中レースの展開的にもうちょっとタイム早くても良かったのかもしれませんね!
最弱な僕は<壁抜けバグ>で成り上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】
◆マガポケにて、コミカライズが始まりました! ◆Kラノベブックスにて書籍版発売中! 妹のため、冒険者としてお金を稼がなくてはいけない少年――アンリ。 しかし、〈回避〉というハズレスキルしか持っていないのと貧弱すぎるステータスのせいで、冒険者たちに無能と罵られていた。 それでもパーティーに入れてもらうが、ついにはクビを宣告されてしまう。 そんなアンリは絶望の中、ソロでダンジョンに潛る。 そして偶然にも気がついてしまう。 特定の條件下で〈回避〉を使うと、壁をすり抜けることに。 ダンジョンの壁をすり抜ければ、ボスモンスターを倒さずとも報酬を手に入れられる。 しかも、一度しか手に入らないはずの初回クリア報酬を無限に回収できる――! 壁抜けを利用して、アンリは急速に成長することに! 一方、アンリを無能と虐めてきた連中は巡り巡って最悪の事態に陥る。 ◆日間総合ランキング1位 ◆週間総合ランキング1位 ◆書籍化&コミカライズ化決定しました! ありがとうございます!
8 188【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?
【書籍発売中&コミカライズ決定!】 「新山湊人くん……! わ、私を……っ、あなたのお嫁さんにしてくれませんか……?」 學園一の美少女・花江りこに逆プロポーズされ、わけのわからないうちに始まった俺の新婚生活。 可愛すぎる嫁は、毎日うれしそうに俺の後をトテトテとついて回り、片時も傍を離れたがらない。 掃除洗濯料理に裁縫、家事全般プロかってぐらい完璧で、嫁スキルもカンストしている。 そのうえ極端な盡くし好き。 「湊人くんが一生遊んで暮らせるように、投資で一財産築いてみたよ。好きに使ってね……!」 こんなふうに行き過ぎたご奉仕も日常茶飯事だ。 しかも俺が一言「すごいな」と褒めるだけで、見えない尻尾をはちきれんばかりに振るのが可愛くてしょうがない。 そう、俺の前でのりこは、飼い主のことが大好きすぎる小型犬のようなのだ。 だけど、うぬぼれてはいけない。 これは契約結婚――。 りこは俺に戀しているわけじゃない。 ――そのはずなのに、「なんでそんな盡くしてくれるんだ」と尋ねたら、彼女はむうっと頬を膨らませて「湊人くん、ニブすぎだよ……」と言ってきた。 え……俺たちがしたのって契約結婚でいいんだよな……? これは交際ゼロ日婚からはじまる、ひたすら幸せなだけの両片思いラブストーリー。 ※現実世界戀愛ジャンルでの日間・週間・月間ランキング1位ありがとうございます!
8 74銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者
『銀河戦國記ノヴァルナ』シリーズ第2章。 星大名ナグヤ=ウォーダ家の新たな當主となったノヴァルナ・ダン=ウォーダは、オ・ワーリ宙域の統一に動き出す。一族同士の、血縁者同士の爭いに身を投じるノヴァルナ。そしてさらに迫りくる強大な敵…運命の星が今、輝きを放ち始める。※この作品は、E-エブリスタ様に掲載させていただいております同作品の本編部分です。[現在、毎週水曜日・金曜日・日曜日18時に自動更新中]
8 190【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】
とある地方都市に住む主人公。 彼はいろいろあった結果無職になり、実家に身を寄せていた。 持ち前の能天気さと外面のよさにより、無職を満喫していたが、家族が海外旅行に出かけた後、ふと気が付いたら町はゾンビまみれになっていた! ゾンビ化の原因を探る? 治療法を見つけて世界を救う? そんな壯大な目標とは無縁の、30代無職マンのサバイバル生活。 煙草と食料とそれなりに便利な生活のため、彼は今日も町の片隅をさまようのだ! え?生存者? ・・・気が向いたら助けまぁす! ※淡々とした探索生活がメインです。 ※殘酷な描寫があります。 ※美少女はわかりませんがハーレム要素はおそらくありません。 ※主人公は正義の味方ではありません、思いついたまま好きなように行動しますし、敵対者は容赦なくボコボコにします。
8 183負け組だった俺と制限されたチートスキル
「君は異世界で何がしたい?」 そんなこと決まっている――復讐だ。 毎日のように暴力を振るわれていた青年が居た。 青年はそれに耐えるしかなかった。変えられなかった。 変える勇気も力も無かった。 そんな彼の元にある好機が舞い降りる。 ――異世界転移。 道徳も法も全く違う世界。 世界が変わったのだ、今まで変えられなかった全てを変えることが出來る。 手元には使い勝手の悪いチートもある。 ならば成し遂げよう。 復讐を。 ※序盤はストレス展開多めとなっております
8 170ぼくは今日も胸を揉む
死んだ――と思ったら、異世界に転生してしまった。何故か、女の子の姿で。 元々変態少年だったぼくは、體が女の子になって大興奮! いつでも柔らかい胸を揉むことができるし、女湯にも女子トイレにも入ることができる。 しかも、普通の人間にはない能力がぼくにはあるらしく……。 とはいえ、痛いこととか怖いことは嫌だ。 だから自分の胸を揉み、他の美少女たちの裸を見たりしながら、平和に暮らしていきたいと思います。 もう、男には戻れません。 ……え、お金を稼ぐには戦闘をする必要があるかもしれない? 大丈夫大丈夫、ぼくにはチートと言っても過言ではないほどの能力があるし。
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