《「魔になったので、ダンジョンコア食ってみた!」 ~騙されて、殺されたらゾンビになりましたが、進化しまくって無雙しようと思います~【書籍化&コミカライズ】》第3話 レベルアップの恩恵と初めての進化
歩き出してから6時間、ダメージを負いながらも倒したのは、スケルトン9。
スケルトンは攻撃力が低く、きも鈍いため1ずつであればゾンビのでも比較的倒しやすかった。
(子供の喧嘩みたいになってたが……)
分かったことは、自分のきが遅すぎて全然移ができないし、相手の攻撃を避けられない。
あと、俺も魔に襲われる。同じアンデッドだからといっても容赦はないようだ。そろそろレベルは上がっただろうか。
(ステータス!)
【名前】百目鬼 阿吽
【種族】ゾンビ
【狀態】腐敗、空腹
【レベル】7(殘21ポイント)
【HP(力)】7/20
【MP(魔力)】300/300
【STR(筋力)】5
【VIT(耐久)】5
【DEX(用)】1
【INT(知力)】30
【AGI(敏捷)】1
【LUK(幸運)】35
【稱號】—
【スキル】
・鉄之胃袋
・痛覚耐
・空腹
(レベル7!? ……ん? 殘21ポイント? レベルは上がっているのにステータスが変わってないってことは……自分で決められる? いや、まさかそんなこと……)
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試しに【AGI(敏捷)】を1増やそうとしてみると、殘20ポイントとなり【AGI(敏捷)】が2に増えていた。
(マジか……これは控えめに言って、最高だ!)
『自分でステータスが決められる』これが、どれほどのアドバンテージになるのか計り知れない。自分の強みを最大限に活かし、弱點を補完できるのだ。
その後數分悩んだが、決めたのは【AGI(敏捷)】を重點的に上げていくことくらいだ。
先の事はその時考えることにして、全てのポイントを【AGI(敏捷)】に振りきった。
(おー! がめちゃくちゃ軽い!! 走れる!!)
これで、この森の魔はほぼ楽勝となっただろう。唯一怖いのは、グール。あの魔は攻撃力が高く一発もらっただけでも致命傷になりかねない。
『ヴルぅゥぅゥゥ……』
(ん? あれはゾンビ……え? なんで木に噛み付いてるんだ? 腹が減るのは分かるが木は食えないだろ……)
森の中で初めて見た、自分以外のゾンビを観察する。
(いや待て、人間の常識にとらわれるな。言うなれば、あれはゾンビ界の先輩。もしかしたら、何かが変わるのかもしれないっ!!)
俺は自分の橫にあった大きめの木に目を向け、先輩に倣って思いっきり噛り付いた。
――ガッ! ゴリっ!! バリバリ……むしゃむしゃ……ごくんっ……
(…………なんも変わらねぇじゃねぇか!!)
まだ木に噛り付いている先輩の後頭部に思いっきり飛び膝蹴りをぶちかますと、レベルが上がった。
詳細を確認していくと……
【スキル】捕食(Lv.1):捕食することでHP回復効果(小)
(……ゾンビ先輩、ごめんなさい。あなたの事は一生忘れません……)
かなくなった先輩に一禮し、切り替える。
(よし、レベル上げの続きだ!)
レベルアップをして敏捷値が高くなったことで、走ったり跳んだり蹴ったりできるようになったため、次の魔を見つけるまでの時間が大幅に短された。
(あれは……!!)
ゆっくりとグールがこちらに向かって歩いてきている。
すでに相手には見つかっているようだ。逃げることも考えたが、死んだ瞬間のことを思い出した。
(強くなると決めたんだ! それに逃げ回るのは“好きに生きる”って事じゃない! やってやる!)
近くに落ちていた木の棒を握り構える。
そして、向かってきたグールの攻撃を躱しながら思いっきり木の棒を叩きつける。あまりダメージはっていないようだが、相手は両手を振り回しているだけで攻撃は避けやすい。
(倒せるまで何度でも毆ってやんよ!)
避けては毆り、距離をとる戦法を10分ほど繰り返した。
最後は木の棒が折れるのと同時にグールはかなくなった。
(なんとか……勝てた! レベルは……?)
強敵に勝った興を抑えつつ、ステータスを確認するとレベルが10に上がっている。格上を倒すともらえる経験値が多いのは、人間の時と同じようだ。
レベルアップで獲得したポイントを振り終えると、に雷が落ちたような衝撃が走った。
(くっ、なんだ? 今の……!?)
≪進化先を選択してください≫
・怨霊レイス
・喰鬼グール
(頭に報が流れてくる!! ……進化!? 選択!!??)
『魔は姿が変化する事がある』冒険者の間でも當たり前のように言われていた事をすっかり失念していたが、こんなじで進化するのは初めて知った。
(落ちつけ……冷靜に考えろ)
えーっと……レイスは霊のアンデッドだ。理攻撃は効かないが、理攻撃の手段を持ち合わせていない。
グールは筋力や耐久が高いがきが遅いのが欠點だ。しかし俺の場合は、ステータスを自分で決められる利點がある。敏捷値を上げれば、弱點は無くなる!
(これはグールだな!)
そう決めると次第にに熱を帯びていき、しずつ変化が起きていく。
腐ってが空いていた部分は塞がっていき、爪や牙が長く鋭くなっていくのが分かる。
青白かったは墨のように黒くなっていく……
熱が冷めきるとが完全に変化していた。
「あー、あー、あいうえおー」
発音もできるようになっていた。
(これで喋ることができる!)
「ステータス!」
【名前】百目鬼 阿吽
【種族】喰鬼グール
【狀態】空腹
【レベル】10(殘9ポイント)
【HP(力)】400/400
【MP(魔力)】310/310
【STR(筋力)】11
【VIT(耐久)】10
【DEX(用)】4
【INT(知力)】31
【AGI(敏捷)】22
【LUK(幸運)】35
【稱號】—
【スキル】
・鉄之胃袋
・痛覚耐
・空腹
・捕食(Lv.1)
・(Lv.1):での攻撃時に相手に與えるダメージと衝撃が強くなる。(効果小)
「種族がグールになってる」
ステータスが全的にびていた。特に【STR(筋力)】と【VIT(耐久)】が上がっている。また、VITがびたことによりHPの最大値も大きく増えた。
スキルにはが追加されており手や足での攻撃にプラス補正がかかるようだ。
「凄い変化だ……一番デカいのは狀態異常の腐敗が消えたことか。臭いのは嫌だったし、喋れるようにもなった。服裝をなんとかすれば人間とのコミュニケーションも可能になるかもしれない」
(楽しくなってきた! もっとレベルを上げて、どんどん進化してやる!!)
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