《「魔になったので、ダンジョンコア食ってみた!」 ~騙されて、殺されたらゾンビになりましたが、進化しまくって無雙しようと思います~【書籍化&コミカライズ】》第23話 知略
報と作戦の共有のためにアルス、イルス、キヌ、バルバルの4人にプレンヌヴェルトのコアルームに集まってもらった。
バルバルは周りの景やコア達に驚きながらもアルスとイルスに自己紹介をしている。
「さて、始めるか。報とこれからの作戦の共有をしたい。とりあえず俺が考えていることを話すから質問は後にしてくれ。
まず、スタンピードの解決は冒険者たちにやってもらおうと思う。理由としては、2つだ。
1つ目は、獣人たちがニャハル村を放棄して新しい村を作る理由が、人間達に分かりやすいようにしなければならない。
スタンピードを俺たちが解決してしまったら村が破壊された理由が人間達には歪んで伝わってしまう可能もある。
2つ目は、俺たちが目立ち過ぎないようにするためだ。
遅かれ早かれスタンピードが起きていた事実は人間達にも伝わることになるだろう。
それを解決したのが俺たちだと分かると余計な問題が起きかねない。
これから俺たちは冒険者登録をし、仲間を増やしながらクランを立ち上げる。
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この障害となりうることは極力排除したい。ここまでで質問はあるか?」
するとバルバルが手を上げ疑問を投げかけてくる。
「よろしいですか? スタンピードはアウンさんたちだけでも止める事ができるんですか? あと、冒険者にコアルームやコアの事が知られてしまいますが、それは大丈夫でしょうか?」
「そうだな。極論を言えば俺とキヌでも止めることは可能かもしれない。
ただ、相応の危険が伴うし、討ちらしも必ず出る。
攻略するとなるとあの極大技巧も使えないしな。通常のダンジョン攻略と違って、魔がダンジョンにあふれている事も想定すると危ない場面も出てくるだろう。
次にコアルームについてだ。
これは俺の予測だが、コアルームに到達するのはかなり上位ランクの冒険者になるはずだ。そして下位の冒険者には報は匿されるのではないかと考えてる。
理由は、ダンジョンが國の有益な資源になっているからだ。
ダンジョンから出るレアなアイテムもそうだが、ダンジョンの周囲には人が集まりやすい。
そうなると自然と金が回るようにもなる。これはダンジョン都市ウィスロを見ても分かるだろう。
國にとってそういう場所は、できるだけ潰したくないはずだ。
今回のようなスタンピードでもない限りな」
「そういう事でしたか。わかりました。では、今後どのようにくことになるのですか?」
「まず、バルバルはレクリアの街に向かい、冒険者ギルドにスタンピードが“起こりそうだ”と伝えてくれ。
獣人たちは既に村を放棄して避難を行なっている事も。
そして『スタンピードの経路は商業都市ミラルダに向かうのではないか』という予測もできれば伝えてほしい。
ミラルダはこの國の商業の中心地だ。國にとって大きなリスクがあると分かれば、ギルドや國の上層部もきが早くなるだろ」
「了解しました。すぐに向かいます。アウンさん達はどうするんですか?」
「俺とキヌは先に向かい、スタンピードをしでも食い止めておく。
冒険者達に俺たちが味方であると示すチャンスでもあるからな。
頃合いを見計らってダンジョンに帰還するよ」
「分かりました。それでは私は今すぐレクリアに向かいます。アウンさん達もお気をつけて」
「おう、何かあったら念話で伝えてくれ」
指示を出すとバルバルはすぐにダンジョン外へと転移し、レクリアに向かっていった。
◇ ◇ ◇ ◇
2日後、俺とキヌは蒼緑平原のニャハル村と商業都市ミラルダのちょうど中間付近に居た。あの後バルバルからの念話では、冒険者ギルドへ報告を済ませ、『討伐隊が組織された』という報がってきている。
その報はミラルダにも伝えられ、國からの急クエストという形で冒険者達が集められた。
その中には予想通り1組のSランクパーティーと2組のAランクパーティーが含まれ、総勢100人規模の討伐隊となっているそうだ。
冒険者達はレクリアとミラルダの2方向から進み、あと10分程度でここへ到達する見込みだ。
そして俺とキヌの達目標はこのスタンピードを利用し冒険者たちに俺たちの事を認知させる事、それとキヌの進化である。
キヌも先日の魔討伐で大きくレベルを上げており、あと2レベルで40レベルとなる。進化が始まったら頃合いを見てダンジョンへ帰還する予定だ。
「さて、魔達のお出ましだな。あまり目立ち過ぎないよう、前線をキープする程度に立ち回ろう」
「ん。もう始めていい?」
「おう! んじゃ始めますか!」
冒険者に先んじて戦闘を開始する。そうすれば味方であることは一目瞭然だ。
10分ほど魔達との戦闘を続けていると後方から冒険者達が駆けつけてきた。
「君たちは!? 冒険者か? 私は【銀砂の風】のスコールドという! 加勢しよう!」
「助かった。旅をしていたら急に魔の集団に襲われたんだ。頼む!」
俺は適當に噓をつき、先頭を【銀砂の風】に譲る。
その後は多くの冒険者が到著し、徐々に戦線を押し上げていっている。こうなれば、よほどの強敵でも出てこない限り、冒険者達はダンジョンに到達することができるだろう。
その後20分ほど戦場を駆け回りながら戦闘を繰り返しているとキヌから念話がきた。
≪アウン、進化始まりそう……迷宮帰還する≫
≪おう、こんだけりれてたら転移してもバレないだろ。俺も帰還するよ。んじゃ、フォレノワールでな≫
迷宮帰還を使うとキヌはすでに帰還していた。
狐の姿ではっており、進化が始まっている。
キヌのが徐々に大きくなっていき、が収まっていった。
「今回は結構大きくなったな。キヌ大丈夫か?」
『キュオーン』
一鳴きすると人型に姿を変えていく。
狐の時のサイズは座っていても俺の長を優に超え、全長は4mほどになっている。
ただ、人型の姿は今まで通りの可らしいだ。
うん、どっちもカワイイ……マジ天使。えっとステータスは……
<ステータス>
【名前】キヌ
【種族】仙狐
【狀態】
【レベル】40
【屬】火・
【HP(力)】3500/4200
【MP(魔力)】930/1180
【STR(筋力)】20
【VIT(耐久)】52
【DEX(用)】20
【INT(知力)】118
【AGI(敏捷)】44
【LUK(幸運)】13
【稱號】従屬者
【スキル】
・ヒーリング
・明哲→聡明(変化):5分間INTが120%アップ(MP消費60)
・ファイヤーアロー→フレイムランス(変化):火屬攻撃魔法(MP消費40)
・ファイヤーウォール
・ファイヤーストーム
・フレイムバースト:自が発生させている炎を瞬間的に発させる。
・狐火
・人化
・キュア:一部の狀態異常を回復(MP消費60)
・危険察知:自分や仲間の危険を事前に知できる
おぉ! 俺ほど兇悪に変化してはいないが、魔法の威力が上がったり狀態異常が回復できたりと凄くバランスがいい魔法職となっている。
キヌが居ると居ないのでは、天地程パーティとしての安定が変わるほどだ。
「あとは冒険者に任せてプレンヌヴェルト迷宮の整備をしつつ、バルバルからの報を待つかな」
それから俺はバルバルからの報収集をしつつ、プレンヌヴェルトの2階層以降の整備と階層の増築を行なった。
そしておよそ3日後、バルバルからSランクパーティー【銀砂の風】によってダンジョンコアが破壊され、スタンピードが完全に止まったとの報告がった。
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