《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―09― 〈旅立ちの剣〉無限回収

次の日、僕は今までと同じファッシルダンジョンに向かった。

目的はボスの部屋で壁抜けをして、クリア報酬を手にれるためだ。

攻撃力がたった10のせいで、モンスターをまともに倒せない僕がお金を稼ぐにはこれしかない。

最初は怖くてビクビクしていたけど、3回目だからか順調に進むことができた。

ガキンッ、と人狼(ウェアウルフ)の爪をナイフでけとめた途端ナイフは割れた。ちなみにこのナイフは昨日新しく買ったナイフだ。

ナイフだとどうしても人狼(ウェアウルフ)の攻撃を耐えられないらしい。

そして、僕は吹き飛ばされ、

「〈回避〉」

と、スキルを使う。

やはり、なぜか僕のは壁をすり抜けて報酬エリアにたどり著いた。

そして、クリア報酬を手にするべき寶箱を開ける。

「……お、おかしいでしょ」

っていたのは初回クリア報酬のはずの〈旅立ちの剣〉だった。

奇跡的な確率を引き當ててしまったのかな?

そんなことを考えながら、換金所に行き〈旅立ちの剣〉を換金してもらう。

念の為、昨日とは違う換金所に行くことにした。流石に、三日連続〈旅立ちの剣〉を同じとこで換金したら怪しまれまれるかも、と思ったからだ。

そして、次の日も僕はファッシルダンジョンに向かった。目當てはもちろんクリア報酬だ。

「……う、うそでしょ」

僕は寶箱にっていた〈旅立ちの剣〉を見て、そう呟く。

ここまで〈旅立ちの剣〉が続くと、実は二回目以降でも〈旅立ちの剣〉が手にるのが普通なことだと思いたくなる。

でも、それなら他の冒険者もこぞってこのダンジョンを攻略しに來るはずだ。

僕が今までこのダンジョンで見てきた冒険者は、まだこのダンジョンを攻略したことがないような初心者ばかり。

僕はまた違う換金所にて〈旅立ちの剣〉を換金した。

そして、次の日。

ファッシルダンジョンに通い始めて5日目。

この日も、ボスエリアを倒すことなく壁をすり抜けて報酬エリアへと行く。

そして、寶箱を開ける。

〈旅立ちの剣〉が手にった。

「これはもう運がいいで、すまされないでしょ……」

流石にこう連続〈旅立ちの剣〉を手にしたら、運がよかった以外の可能を疑う他ない。

「もしかして一度もボスを倒していないから、クリアしたと見なされていない……?」

そうとしか考えられない。

クリア報酬というのは通常、ボスを倒してから手にるものだ。

でも、僕はボスを倒さないで報酬をけ取っている。恐らく、二回目以降のクリア報酬に切り替わる條件がボスを倒すことだとしたら……。

もしそうなら、僕は何度でも初回クリア報酬をけ取ることができる――?

背筋がゾッとする。

ダンジョンは他にもたくさんある。それらダンジョンでも初回クリア報酬というのは必ず存在する。

このファッシルダンジョンでは高値で売れる〈旅立ちの剣〉が何度も手できるという恩恵しかないが、よりダンジョンの攻略難易度が高ければ高いほど、初回クリア報酬の価値も高くなる。

それらを僕は何度でも手にれることでできるとしたら……。

「楽にお金稼ぎができる――」

そう、初回クリア報酬を売りまくれば僕はお金持ちだ。

すごい!

僕は興していた。

ハズレスキルだと思っていた〈回避〉にこんながあったなんて。

その日から僕は何度かファッシルダンジョンに潛っては〈旅立ちの剣〉を手しては換金していた。

そんなある日――。

「よぉ、アンリ。最近、羽振りがいいらしいなぁ」

〈旅立ちの剣〉を持って、換金所に向かう途中だった。

目の前にいたのは僕をパーティーから追い出したギジェルモだった。

    人が読んでいる<最弱な僕は<壁抜けバグ>で成り上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください