《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―24― 強奪、再び

「な、なんで……?」

屋を出ると、そこにいたのはギジェルモだった。

「どうしてここに俺がここにいるのか、不思議だって顔をしているなぁ?」

ギジェルモはそう言いながら、僕の肩をバシッバシッと叩く。その度に僕のがビクッと震えてしまう。過去のトラウマのせいだ。

「お前がこんな辺に出沒しているって報を聞いてよぉ。それで慌てて駆けつけたんだぜぇ」

「な、なんでわざわざ僕のところに……」

レベル1の冒険者である僕なんかを付け回したってなにかいいことがあるわけではない。だから、ギジェルモの行原理が理解できなかった。

「そんなの嫌がらせをしたいからに決まっているだろうよぉ!」

そう言うと、ギジェルモの取り巻きたちも一斉に笑い出す。

そうだった。こいつらは他人が苦しむのを喜ぶような連中だった。

ふと、前回會ったときのことを思い出す。

あのときは確か〈旅立ちの剣〉を奪われたんだっけ。

逃げないとっ。

マントの中に隠してある〈水晶亀(クリスタルタートル)の小盾〉のことを思い出す。

もし、高価な盾を持っていることをこいらつにバレたら確実に奪われる。

「おいっ、どこに行くつもりだよ!」

「あっ……」

腕を摑まれた。

「は、離して……っ」

必死に腕を振りほどこうとするも、全く離れる様子がない。

僕の低い攻撃力じゃあ、ギジェルモの握力から逃れることなんて不可能だった。

「おいおい、なにをそんなに必死になっているんだぁ」

ニタニタとギジェルモが笑う。

そして、ふとマントの下になにかがあることに気がついたのだろう。僕のマントをバサッ、とめくりあげる。

「おい、こいつ〈水晶亀(クリスタルタートル)の小盾〉なんかを持っていやがるッ!」

ギジェルモが他にパーティーメンバーに聞かせるようにそうんだ。僕が高価な盾を持っているのは意外だったようで、どよめきが起こった。

「おい、アンリちゃんよ。こんな高価な盾、どこから盜んだんだぁ?」

ギジェルモは僕の頭を摑んでは高く持ち上げながら、そう聞いてきた。

「ぬ、盜んでなんかいない……」

泥棒呼ばわりされたことに僕は思わず反論する。

「レベル1のてめぇが盜む以外にどうやってこんなのを手にれるんだよっ!」

次の瞬間、ドガンッ、と毆られる。

視界が歪み、僕は後ろに吹き飛ばされる。

どうやら反論したのがギジェルモにとって気にらないことだったらしい。

「けほっ、けほっ」

お腹を毆られたせいで、咳込みをしてしまう。

それでも立とうとするがよろめいてしまい、うまく立つことができない。

ガシッ、とギジェルモに踏みつけられる。

「この盾は俺が責任をもって持ち主に返してやるよ」

そういって、腕から強引に盾を奪われる。

もう抵抗するだけの余力も殘っていなかった。

「おっ、こいつ金も持ってやがる」

その上、腰にぶら下げていた貨のった袋もすかさず奪っていった。

「よーし、今夜は贅沢に呑むぞぉーっ!」

「「うおーっ!」」

〈水晶亀(クリスタルタートル)の小盾〉を手にしたギジェルモは気にそう宣言する。

盾を売ったお金でこれから呑みに出かけるんだろう。

取り巻きたちもギジェルモの言葉に歓聲をあげていた。

「またなにもできなかった……」

一人になった僕はそう呟く。

結局、ステータスの敏捷ばかり高くなっても腕を摑まれただけで抵抗できなくなる。

「くそっ……」

涙目になった目を腕で隠しながら、僕はそう言葉を吐いた。

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