《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―26― 次なるダンジョンを探す!

「ついに敏捷の數値が1000を超えたか……」

僕は家で自分のステータスを確認しながらそう呟く。

いつの間にか、パイラルダンジョンの周回回數が100を超えていたらしい。

「とはいっても、他のステータスが未だに2桁なんだよね」

他のステータスを見ながらそう口にする。

いくら敏捷が高くても、これでは強いとはいえない。

特に攻撃力。

せめて狼(コボルト)を倒せるぐらいはしい。

「そろそろ考えてもいいかも……」

これだけ敏捷があがったのだ。

もうし難易度の高いダンジョンに潛っても問題はなさそうだ。

そうと決まれば……。

「早速、冒険者ギルドにいこーっ!」

やっばり街に行くってだけでドキドキする。

僕は左右にキョロキョロしながら街を歩いていた。またギジェルモに會ったら、どんな目に遭うかわかったもんじゃない。

ダンジョンは基本、町外れにあるためダンジョンに向かう際はあまり心配しなくてもいいのだが、冒険者ギルドがあるところは街中だ。どうしても人通りの多い場所を歩く必要があり、そんなわけでギジェルモが人混みにまぎれているんじゃないかとドギマギしてしまう。

「とりあえず、冒険者ギルドに著いた」

著いたからって安心してはいけない。

中にギジェルモがいる可能は多いにある。だらか、そーっとしだけ扉を開け片目を使ってギルドの様子を見て回る。

うん、見た限りギジェルモはいなさそうだ。

そのことに僕はほっとする。

「あなた、そこにいると中にれないんだけど」

「うわっ!?」

いきなり聲をかけられたせいで、思わず聲をあげて驚いてしまう。

「お、驚きすぎよ。こっちまでびっくりするじゃない」

後ろを振り返るとそこにいたのは一人のの子だった。同い年ぐらいの子だろうか。僕よりしだけ背が高い。ちなみに、僕は背が低い自覚がある。

そのの子は銀に輝く艶びやか髪のを持っていて、よく手れされた髪だとわかる。服裝も高そうなのをに著けていたし、金持ちの家の子なんだろう。

そしてなにより、そのの子の後ろに數人の大人が立っている。の子が先頭に立っているから、恐らくこのの子が男たちをひきつれているのに違いない。

どこかの貴族の子だったりするのだろうか。

「あの、そこからどいてくれないと中にれないんだけど」

銀髪のの子は苛立った口調でそう口にする。

「ご、ごめんなさいっ」

僕は慌ててわきに避ける。

すると、銀髪のの子は男たちをひきつれてギルドの中にはいっていった。

僕もそれに続くように中にる。

向かう先は掲示板だ。

そこに書かれているダンジョンの報を目當てにここに來たんだから。

「こうして見ると、ダンジョンってホント多いよなぁ」

まず、掲示板にられているダンジョンの數に圧倒される。この町はダンジョンがたくさんあることで有名だったはずだ。

だから、多くの冒険者がこの町に集まっている。

「パイラルダンジョンより難しいダンジョンってなると、この辺りかな……」

僕は掲示板を眺めながら口にする。

掲示板にはダンジョンの難易度ごとにられている傾向にあり、右にられているダンジョンほど難易度が難しくなっていく。

「このダンジョンならいけるかな……」

初回クリア報酬も悪くない。

それに、今の僕ならギリギリ報酬エリアまで辿りつける程度の難易度のはず。

「あなた初心者よねっ」

「え……っ」

話しかけらけたので後ろに振り向くと、さっきの銀髪のの子が立っていた。

僕は悪い意味で有名なせいで、僕に話しかけてくる冒険者なんて滅多にいない。だから、向こうから話しかけられたことにまず驚いてしまう。

「あなた、レベルはいくつ?」

「い、1ですけど」

唐突にレベルを聞かれたので正直に答えてしまう。

すると、銀髪のの子は飽きられたようにため息をした。

「そこにられているのは中級者向けのダンジョンよ。あなたは初心者なんだから、そっちに書かれているような簡単なダンジョンに行きなさい」

「あ、ありがとうございます……」

どうやら僕に忠告するために、わざわざ話しかけてくれたらしい。

なので、戸いつつもお禮をいい、言われた通り初心者向けのダンジョンがられている方にむかった。

まぁ、でも初心者向けのダンジョンには用がないんだけど……。

とはいえ、忠告を無視したと思われたくないので、一通り見ているフリをしてから、僕はギルドを出ることにした。

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