《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―28― 新しい初回クリア報酬!

「クゴォオオオオオオオオオ!!」

ボス部屋にった途端、モンスターが雄びを上げながら僕を出迎えてくれる。

冒険者ギルドにってあった報と僕は照らし合わせる。

名前は水晶の巨兵(クリスタル・ゴーレム)。

このトランパダンジョンのボスであり、巖の巨兵(ゴーレム)の変異種。

が巖のような見た目をしている巖の巨兵(ゴーレム)に対し、水晶の巨兵(クリスタル・ゴーレム)はテカテカと明に輝く鉱石にを包んでいる。

その上、大きさは巖の巨兵(ゴーレム)のおよそ2倍。その巨ゆえに、足を前に出すたびにズシン、と地響きが僕の耳をつんざく。

水晶の巨兵(クリスタル・ゴーレム)は360度に回転する頭をクルクルと回転させていると思ったら、ピタリと回転を止めた。目のような箇所が僕のことをまっすぐ見つめている。どうやら僕に照準を合わせたらしい。

次の瞬間、水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)が腕を真下へ振り下ろした。

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僕はステップでわす。

やはり予想通りというか、水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)は巨大なモンスターなため攻撃力や防力は優れているが素早さは大したことがない。

だから、この攻撃なら容易にさけられる――

「うわっ」

水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)の繰り出した拳が地面に撃ち落とされた瞬間、周りの地面がめくれるような衝撃が周囲を襲った。

拳をさけて安心しきっていた僕は、その衝撃に巻き込まれてその場で勢を崩す。

まさか、これほどの威力を持っているとは。

まだ勢を立て直している最中。

キラリ、と赤いが目にった。

頭上を見上げれば、水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)の目が赤くっていることに気がつく。

確かに、ギルドの報によれば――っ。

ビュンッ!! と、水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)の目から赤いビームが放たれていた。

「あぶなっ!」

間一髪、ビームを避けながらそう口にする。事前にギルドで知っていなければ、恐らく避けることはできなかっただろう。

「余裕だと、思っていたんだけどな……」

水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)はきが遅いとされる部類のモンスターだ。きが読みやすい分、攻撃を見極めて盾で守りながら壁に吹き飛ばされるのは容易だと思っていた。

けど、ビームに限っては別だ。

攻撃の速度が一瞬なだけあって避けるのが難しい。一発なら、なんとか回避することができるが何発も連発されたら恐らくかわせない。

「2発目を撃ってこない……?」

水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)のきを注視しながら、そう口にする。水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)は腕を使った理攻撃ばかりで、ビームを撃ってくる気配がなかった。

ビームは連続して撃つことができないのかな?

そんな予測をしてみる。恐らく僕に最も有効打になりうる攻撃がビームであることは水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)側もわかっているはず。なのにビームを中々撃ってこない。それは撃たないのではなく、撃てないと考えるほうが自然だ。

あっ、目が赤くった。

次の瞬間には、ビームが僕めがけて放たれていた。

「うん、これなら苦労しないでよけられるかな」

僕はをひょいと橫にかしビームをかわす。

ビームを何発も撃てないなら、僕にとって水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)は脅威ではない。

あとは、タイミングを見計らって、こっちから當たりにいきたいんだけど……。

と、そんなとき水晶の巨兵(クリスタルゴーレム)が橫毆りの攻撃をする。

それを僕は盾でを守りながら自分から當たりにいく。

パリンッ、と〈巖の巨兵(ゴーレム)の小盾〉が割れる音を聞きながら、僕のは壁に叩きつけられるように吹き飛ばされる。

「〈回避〉!」

壁にぶつかる瞬間、そう口にすることでが壁をすり抜けていく。

なんとか報酬エリアに辿りつけたようだった。

「開けるだけなのに、なんかドキドキしてきた」

僕は寶箱に手をかけていた。

初回クリア報酬がなんなのか、事前にギルドで調べているから知っているはずだけど、初めて手にする報酬だからどうしてもワクワクしてしまう。

焦らしたって仕方がないため早速中を開ける。

「あっ、本の形をしている」

そう、中にっていたは一冊の書だった。書といえば〈極めの書〉を思い出すが、あれは表紙が違う。

ステータスを開いて、詳細を確かめてみた。

◇◇◇◇◇◇

〈習得の書〉

スキル〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉を習得できる。(譲渡不可)

◇◇◇◇◇◇

これが僕の求めていたトランパダンジョンの初回クリア報酬だ。

〈習得の書〉は數ないスキルを手できる手段の一つ。このトランパダンジョンでは〈クリティカル率上昇・小〉というスキルを手できる〈習得の書〉が手にるわけだ。

そんなわけで早速使ってみる。

「ホントに習得できたのかな……」

〈習得の書〉の使用後、本當にスキルが増えたのか確認するため、自分のステータスを開いた。

◇◇◇◇◇◇

アンリ・クリート 13歳 男 レベル:1

MP:90

攻撃力:10

力:50

知 :60

抵抗力:60

敏 捷:1150

スキル:〈回避〉〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉(NEW!)

◇◇◇◇◇◇

「おぉっ、本當にスキルが増えている」

初めて増えたスキルにちょっぴり興する。

これで攻撃力の低さをカバーできたらいいんだけど。

「そうだ、せっかくだし新しいスキルをどこかで試してみよう」

本當なら初めてのダンジョンを突破した後なので、疲労が溜まっていることだし、いつもなら家に直帰するとこだが、どうしても新しいスキルを実したいという思いが勝った。

そんなわけで、僕は新しいスキルを試すべく、別のダンジョンに向かった。

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