《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―31― もう一度、使うと……?

「〈習得の書〉をもう一回使えばどうなるんだろう?」

ふと、そんなことを思いつく。

〈習得の書〉を使えばスキル〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉が習得できる。

だけど、すでに〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉を持っている狀態で〈習得の書〉を使ったらどうなるのか? 気になったのだ。

「多分、他の冒険者は試したことないよね……」

〈習得の書〉は初回クリア報酬なため手できる機會は一回しかない。だから、他の冒険者は試しようがない。

だけど、僕なら〈習得の書〉をいくらでも回収できる。

「よしっ、もう一度トランパダンジョンに行こう」

もしかしたら、〈習得の書〉を二回使おうとしても『使用できません』なんてダイアログが流れるかもしれないけど、やってみなきゃなにもわからない。

好奇心は行するには十分な理由なはずだ。

「やっとついたぁー」

トランパダンジョンの報酬エリアにて、僕はぐったりとびをしていた。

途中、転移トラップにひっかかり大回りになってしまったのだ。

「それじぁ、早速あけてみよー!」

疲労のせいかなんかテンションがおかしいな。

まぁ、いいやとか思いつつ寶箱をあける。

「うん、やっばり初回クリア報酬の〈習得の書〉がっている」

◇◇◇◇◇◇

〈習得の書〉

スキル〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉を習得できる。(譲渡不可)

◇◇◇◇◇◇

ステータスも確認してみるが文言も一致している。

僕の予想では、すでに〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉を持っている人が〈習得の書〉を使ってもなんの効果も発しない、だ。

もし、本當になんも起きなかったら、苦労してここまで來た意味って全くなくなるんだよな……。

〈習得の書〉は譲渡不可のタイプのアイテムなので、売ってもなんの価値にもならないし。

まぁ、悪いことばかり想像しても意味がない。

とりあえず、使ってみる。

「おっ」

の形をしている〈習得の書〉がり始める。

これはアイテムがなんらの効果を発揮する合図。

「つまり、なにかは起きるってこと……?」

僕は戸いながらもそう口にする。

気がつけば〈習得の書〉は消え失せて、代わりにメッセージが表示された。

◇◇◇◇◇◇

スキル〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉の所持を確認。

理攻撃クリティカル率上昇・小〉は〈理攻撃クリティカル率上昇・中〉にレベルアップしました。

◇◇◇◇◇◇

「え……っ!?」

理攻撃クリティカル率上昇・中〉にレベルアップってどういうこと?

慌ててステータス畫面を表示させる。

◇◇◇◇◇◇

アンリ・クリート 13歳 男 レベル:4

MP:93

攻撃力:19

力:55

知 :65

抵抗力:63

敏 捷:1158

スキル:〈回避〉〈理攻撃クリティカル率上昇・中〉(UP!)

◇◇◇◇◇◇

「ほ、本當にスキルが小から中に変わっている……」

どうやら〈理攻撃クリティカル率上昇・小〉を所持している狀態で、〈習得の書〉を使ったらスキルがレベルアップするらしい。

これは、喜ぶべきことに違いない。

「わーい!」

なので両手を広げて喜ぶ。

ともかくレベルアップをしたのはわかったが、的にどう強くなったかまではわからない。

クリティカル攻撃が當たったさいの威力があがったのか、それともクリティカル攻撃が出やすくなったのか……。

「これは検証が必要そう」

検証といえば、狼(コボルト)。

よーし、これから狼(コボルト)狩りをするぞー!

結論から述べると、クリティカル攻撃がでやすくなった。

ナイフで狼(コボルト)の首を掻っ切りながら、そんなことを思う。

狼(コボルト)を30以上は狩っただろうか。

すでに、クリティカル率上昇が中になった恩恵をじていた。

小だった頃は30回に一回ぐらいの頻度でクリティカル攻撃がでていたが、中になったら10回に一回ぐらいの確率でクリティカル攻撃がでるようなったのだ。

「さらにスキルを長させたら、どうなるんだ……?」

ふと、そんなことを思う。

〈習得の書〉は初回クリア報酬だけど、僕なら何回でも回収できる。

そうと決まれば、トランパダンジョンの周回だぁー!

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