《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―57― 〈鑑定〉スキル

僕の目標は最強の冒険者になることだ。

それは妹を元に戻すために必要な〈賢者の石〉を手にれるために、最上級未踏破ダンジョンX(エックス)ダンジョンを攻略するために必要なことだからだ。

とはいえ、達するには非常に時間のかかる目標だ。

まずは簡単な目標から立てて、それを達すべく努力すべきだろう。

「當面の目標はガラボゾの町において最難関のダンジョンのクリアを目指そう」

難易度としてはC級。

レベルは最低でも80は必要だろうか。

ひとまずそれを目標に、レベル上げに専念しようか。

「坊主、70萬イェールだぞ。それは」

高い……。

けど、これを買うために今日までお金を貯めてきたんだ。

出し渋るつもりはない。

「これで、お願いします」

僕は70萬イェール分の貨がった袋を手渡す。

そして、店主から目的のけ取った。

◇◇◇

〈習得の書〉

スキル〈鑑定〉を習得できる。

◇◇◇

僕はステータス畫面で手にれたを確認する。

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冒険者ならパーティーに一人は〈鑑定〉スキルを持っているべきだ、という格言がある。

というのも、見たことないモンスターや素材と遭遇したときに、〈鑑定〉スキルがあれば、正がなにか把握することができるからだ。

僕は今後もソロで活するつもりでいるため、どうしても〈鑑定〉スキルを手にれておく必要があった。

〈習得の書〉を使用し、無事〈鑑定〉を習得する。

「なぁ、お前はなにかしいものがあるか?」

ふと、隣でじっと立っている名稱未定に聲をかける。

「…………」

恐らく僕の聲は聞こえているはずだが、彼はなにもしゃべろうとはしなかった。まぁ、しいものはないってことでいいのだろう。

「僕はこれからダンジョンに行くけど、お前はどうする?」

と、再び名稱未定に聲をかける。

また無視されるかもと思ったが、今度は不満そうではあるものの一応口を開いた。

「名稱未定ちゃんがどうしようと、人間のお前には関係ないと思いますが」

「えっと、この辺りは治安の悪い場所だから、できれば宿屋に戻って大人しくしてしいんだけど」

「馬鹿にするのも大概にしろ人間。この名稱未定ちゃんに良からぬことをしようとした人間がいたら、逆に殺してやるわ」

……彼なら、本當に躊躇なく殺すんだろうな。

「できれば、殺すのはやめてくれ。エレレートの手を汚してほしくない」

言っても無駄なんだろうな、と思いながらもそう忠告する。

けれど、意外にも彼は反論することなく「ふんっ」と鼻を鳴らしてはどこかへ立ち去ろとする。

「どこに行くの?」

「お前の言う通り、大人しく宿に帰ってやろうとしているんだが? それのなにが不満なんですか?」

「あっ、それならいいんだけど……」

確かに名稱未定は宿のある方角へ行こうとしていた。

心配だから、自分も一緒についてこうかと苦悩するが、下手に刺激してたら彼が心変わりする可能もある。ここは彼を信じて見送ったほうがいいだろう。

それに、仮に彼が襲われたとしても彼なら簡単に反撃することは可能だ。なにせ、名稱未定は僕なんかよりずっと強い。

だから、僕は一人でダンジョンに向かうことにした。

「行ったですか」

名稱未定は目で後ろを確認して、アンリが反対方向へ向かったことを確認した。

これで自由のになれたが、だからといってなにかしたいことがあるわけではない。

名稱未定は宣言通り宿屋にまっすぐ向かうつもりだった。

「ねぇ、君かわいいね」

見上げると背の高い男が自分のことを見下ろしていた。がっしりとした格や腰に剣を持っていることから冒険者なんだろう。

かわいい、か。

言われた言葉を心の中で反芻する。

ふと、通路沿いにあった店のガラス越しに映った自分の姿が目にる。きらびやかな金髪に、き通るような白い格は貧相だけど、見ようによっては保護を掻き立てるような可憐さだ。

確かに、これはかわいいのかもしれない。

名稱未定にとって、人間なんてどれも一緒に見える。全部が駆逐すべき餌であって、そこには男の區別すらない。人間だって、個ごとの子鬼(ゴブリン)の違いなんてわからないはずだから、恐らくその覚と一緒だろう。

だからこそ名稱未定は、かわいい、と言われてもそれがどういったものなのかピンとこない。

「ねぇ、名前はなんて言うの」

「これからどこに行くの?」

「せっかくだからさー、お兄さんたちとお茶していかない?」

気がつけば自分の周りには複數人の男たちが集まっていた。

どうしようかな? と名稱未定は考えていた。

道行く人々は自分たちの存在には気がついているはずだけど、チラチラと様子を伺うだけで、なにもしてこない。

まぁ、困っているとはいえ冒険者相手に楯突こうとする者はいないのだろう。

「おいおい、さっきから俺たちにビビって黙っているじゃん」

「別に、怖いことなんてするつもりないんだからさ。仲良くしようよー」

考え事をしていただけだが、どうやらそれをビビっていると思われたようだ。

ウザいな、と思いつつ、ふと、いいことを思いつく。

「キヒヒッ」

これから起こることを考えたら、思わず笑ってしまった。

駄目だ、もうし我慢しないと。

「えーっと、名稱未定ちゃん、これから用事あるから、帰りたいんですけどー」

「なんの用事? なんだったら、その用事が終わるまで俺たち待つよ」

「えー、そう言われても困るんですけど。だって、お兄さん方、名稱未定ちゃんの好みのタイプじゃないしー。てか、もっと自分の鏡見ろっての。そんなブサイクで、よくこんなにかわいい名稱未定ちゃんに聲をかけることできましたねー。の程をしれって言うんでしょうか?」

「なんだ、こいつ……」

「あんま調子に乗るなよ」

あはっ、いらついている、いらついている。ちょっと煽っただけで、いらつくなんて、冒険者ってやっばり単純なんだ。

「どうせお兄さん方、かよわい名稱未定ちゃんのによからぬことをしようって魂膽なんでしょう。きゃー、こわいー」

「おい、どうする?」

「冒険者相手に調子にのったらどうなるか、わからせてやろうぜ」

「お前、こっちこい!」

そう言って、男の一人が名稱未定の腕を強引に摑み、路地裏に連れて行こうとする。

キヒヒッ、名稱未定ちゃん、これからどうなっちゃうんでしょうか。

モンスターを〈〉で閉じるのやめました。

一応、今までの全部消したんですけど、見落としあるかもしれません。

その際、誤字報告していただくと助かります。

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