《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―81― 新しい目標

「うーん、難しいなぁ」

ベッドに橫になりながら、両手を上に抱えて、水魔法の練習をしていた。

両手から、水の塊を作り出す。水の塊をフワフワと浮かせることはできるが、細かく制できるかというかそんなことはない。

力を抜くと、浮いていた水の塊は重力に従って下に落ちる。

「うぎゃっ」

ちょうど僕の顔に水が落ちてきてしまったので、思わず聲をあげてしまった。

「やっぱり戦闘では使えそうにないか」

とはいえ、諦めるのはまだ早いだろう。最終的に魔法を使えるようになれば、戦闘の幅が広がり今よりもずっと強くなるのは確か。

そのためには、ステータスの知の數値をあげるのがいいんだろうけど、それには一つ問題がある。

レベルを上げる際に、ステータスがあがるのはもちろんのことだが、その際、どの數値があがるかは一定の法則がある。

その法則とは、モンスターを倒した際に、最も活用したステータスが、他のに比べ上がりやすいというものだ。

的に説明したほうがわかりやすいか。

レベル1のとき、僕の攻撃力はたったの10だった。それに比べ、知は60と知の數値のほうが上回っていたわけだ。

だが、現在レベルが48になった今、攻撃力が164に対し、知は115となっている。

そう、レベル1の段階では知のほうが上回っていたのに、現狀では攻撃力のほうが高い。

それは僕が短剣を主に使って、モンスターを倒していったおかげで、攻撃力が他のに比べ上がりやすかったからだ。

つまり、知を上げるには魔法を使ってモンスターを倒す必要があるわけだが、今の水魔法では最弱の狼(コボルト)すら、倒せそうにないため、正直難しい。

だが、僕にはもう一つ策がある。

この前、アレアトリオダンジョンを周回して〈暁闇(ぎょうあん)の杖(つえ)〉という武を手にれたことを思い出す。

〈暁闇の杖〉は裝備するだけで、知が1000もあがる優れもの。

これを裝備できれば、僕の知がいくら低くても強力な魔を扱えるはず。

ただ、〈暁闇の杖〉には裝備推奨レベルが70という壁がある。僕はまだレベルが48なので、非常に遠いな、とじた。

「よしっ、がんばってレベル上げをしよう!」

誰に言うでもなく、そう宣言をして僕はベッドから起き上がる。

「それじぁ、行ってくる」

僕は部屋を出る前に名稱未定にそう言う。空返事だったが、まぁいつものことなので、気にせず外にでた。

レベル上げは自分より強いモンスターを倒したほうが効率がいい。

となれば、今の僕にとって最も効率が良さそうなダンジョンはアレアトリオダンジョンになるだろう。

〈魔導書〉を手にれるべく、何度も周回したダンジョンだし、道中のモンスターなら、難なく倒すことができるはずだ。

「と、待てよ……」

ふと、頭の中に妙案が浮かぶ。

「同じ〈魔導書〉をもう一度使えばどうなるんだ?」

〈魔導書〉のおかげで、水魔法を習得できた。だが、火、風、土が殘っている。

オーロイアさんは獨學でなんとかしなさいと言っていたが、僕なら〈魔導書〉を複數個、手にれることが可能だ。

なぜなら、初回クリア報酬を何度も手にれることができるから。

「よしっ、アレアトリオダンジョンを周回しよう!」

最初はレベル上げのつもりだったが、こうなったら〈魔導書〉をたくさん手にれるまで、何度だって周回してやろうじゃないか!

評価いただけると幸いです。

引き続きよろしくお願いします。

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