《最弱な僕は<壁抜けバグ>でり上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】》―94― 報料
コンプレジョダンジョンの15階層になにがあるのか報を集めようと、朝早くに冒険者ギルドに來た。
ダンジョンに関することが書かれた掲示板を眺めては、どこかに書かれてないか探してみる。
うん、どこにも書かれていないや。
他のに比べて、コンプレジョダンジョンに関する報がない。町で最難関のダンジョンだから、潛る冒険者もないせいで、その分報もないのかもしれない。
困ったな、と思いつつ、なにか良い案がないか頭を悩ませる。
誰か詳しい人がいれば、いいんだけど。
と、頭を巡らせて、一人だけ心當たりに行き著く。
「ロドリグさんなら、知っているかも」
ロドリグさんの異名は『ガラボゾ最強の男』。彼はソロでこの町にあるダンジョンを全て制覇することを目論んでいる人だ。
殘りは最難関のコンプレジョダンジョンだけらしいし、現在コンプレジョダンジョンに挑んでいる最中らしい。
だから、彼に聞けば々と教えてくれるはずだ。
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そんなわけで、僕はロドリグさんを尋ねることにした。
◆
うっ、すごいお酒の匂いだ。
扉にった瞬間、僕は思わず鼻をつまんだ。
部屋の中はお酒の匂いで充満していた。
僕がたずねたのは〈名も無きクラン〉がたむろしていると噂の飲み屋だった。
お酒の飲みすぎで潰れたのか床に寢ている冒険者が真っ先に目にる。どうやら、朝までずっと飲み會をしていたらしい。
「よぉ、アンリじゃねぇか」
見ると、ひときわ背の大きい冒険者がジョッキを片手に椅子に座っていた。
彼こそが『ガラボゾ最強の男』、ロドリグさんだ。
見ると、ロドリグさん以外の男は酔いつぶれており、皆倒れている。もしかして、皆、ロドリグさんにお酒を付き合わされたのかもしれない。
「ずっと飲んでいたんですか?」
「まぁな。俺たちで、この町にあるお酒を全部飲み盡くしてやろうと思ってな」
そう言いながら、ロドリグさんは笑う。
今、この町は結界のせいで流が滯っている。お酒も輸できないせいで高騰していると聞いたけど……。
まぁ、これからレイドモンスター相手に命をかけて戦う冒険者だから、ということでお酒を特別に振る舞ってもらえたのかもしれない。
「そのロドリグさんに聞きたいことがあって……」
「あん? なんだ?」
「コンプレジョダンジョンについて、詳しくお聞きしたいなぁ、と思いまして」
「なんでだ?」
「レイドモンスターと戦うまでに、レベル上げをしたいんです。コンプレジョダンジョンが一番効率いいじゃないですか」
「でも、お前のレベルは50付近じゃねぇか。そのレベルじゃ、コンプレジョダンジョンは難しいぞ」
「えっ、でもこの前、巨大芋蟲(ジャイアント・ワーム)なら倒せましたよ」
「あん? パーティーを組んで行ったのか?」
「いや、一人で」
そう言うと、ロドリグは目を見開いて驚愕をあらわにしていた。
「信じられん。そのレベルで倒せるモンスターではないはずだが……」
まぁ、僕の場合、異様に高い敏捷のステータスやスキル〈必絶ノ剣〉とかのおかげで、レベルはあまり參考にならないのかもしれないけど。
「まぁ、そういうことなら教えてやるが。それで、なにを聞きたい?」
「えっと、まず15層になにがあるか教えてしいんですけど」
「15層には中ボスがいるんだよ」
「中ボスですか?」
「あぁ、恐ろしく強いモンスターだな」
それからロドリグさんから、中ボスのモンスターについての詳細が語られる。
確かに、聞いた限りだと、そのモンスターは強いので、ギジェルモたちが15層にろうとしなかったことに得心がいく。
「その中ボスを倒したら初回クリア報酬は手にるんですか?」
中ボスに挑むかどうかは報酬の容次第だなと思ったので、そんなことを聞いたのだ。
「いや、初回クリア報酬はなかったかな……。ただ、経験値ボーナスはあったはずだ」
「経験値ボーナスですか……」
ふむ、レベル上げを集中的にしたい僕にとっては非常においしい。
「ほらよ」
と、一通り語り終えたロドリグさんが僕に手をのばす。
なんの意図があるのかわからず、僕は首を傾げた。
「報料だよ」
「えっ」
僕は思わずしかめっつらをした。
「意外とお金にがめついんですね」
と言いながら僕はポケットから貨をとりだし手の平にのせた。
「クランのリーダーとか興味ないようだったので、お金にも興味ないんだと思っていました」
ロドリグさんは強かったのに、自分より弱いギジェルモがリーダーを務めることを許していた。
リーダーをやれば、いろんな人からお金を絞りとれるため、そのリーダーをやろうとしないロドリグさんはてっきりお金に興味ないんだと勝手に思っていたが。
「俺は強くなることにしか興味がねぇ。だが、お金をたくさん手にれば、強い武が手にる。そしたら、強くなれるだろ。だから、金は好きだ」
「じゃあ、なんでギジェルモがリーダーを務めていたことを許していたんですか?」
「組織を運営するのは意外と面倒なんだよ。俺なら、その間、ダンジョンに潛って攻略していたほうが、ずっと強くなれる。今、クランのリーダーをやっているのも、レイドモンスターを倒して、報酬をけ取るためだ。討伐さえ終わったら、この地位なんて、とっとと捨ててやる」
なるほど、と僕は心する。
ロドリグさんは強くなることに対して、どこまでもストイックに考えているんだ。
僕もその姿勢をぜひとも見習いたい。
「そうだ、コンプレジョダンジョンに関して、もう1つおもしろい報がある」
ロドリグはニッ、と意地汚い笑みを浮かべていた。
「どうせ教えてほしいなら、報料を払えですよね」
「あぁ、そうだ。よくわかったな」
彼が言い終わる前に、僕は貨を取り出し投げ渡す。
「おもしろい報ってのはな、コンプレジョダンジョンには隠し部屋があるんだよ」
「隠し部屋ですか?」
「あぁ、そうだ。隠し部屋にれば、それはそれは貴重なものが手にるんだ」
「その、隠し部屋にはどうやってるんですか?」
隠し部屋のことが気になって、しだけ前のめりになってしまった。ぜひとも、その部屋にって貴重なものとやらを手にれたい。
「さぁな? わからん」
だが、ロドリグさんは首を橫にふるだけだった。
「えっと、もしかして、それを知りたければ、もっと報料をよこせってことですか?」
「かっかっかっ! 小僧、おもしろいこと言うな。だが、本當にわからないんだよ。隠し部屋のり方が。それにったら、なにがあるのかもわかっていない」
「じぁ、なんで隠し部屋があることを知っているんですか?」
「扉があるんだよ」
「扉ですか……?」
「あぁ、通稱開かずの扉。幾多の冒険者がその扉を開けようと苦心したが、今でも開けることできていない。まぁ、開けるにはなんらかの條件を達する必要があるんだろうけどな」
「ちなみに、その開かずの扉はどこにあるんですか?」
「ん? あぁ、どこだったかな。確か、16層とか17層とか下の方の階層だったと思うが」
詳しい場所はわかっていない様子。
だったら、僕の力で探してみよう。
「ロドリグさん、々教えてくださり、ありがとうございます。また、聞きたいことがあったら、教えてもらってもいいですか?」
「あぁ、もちろん。まぁ、そのたびに、報料はもらうけどな」
言いながら、ニタリと笑うロドリグさんを見て、僕は苦笑する。
それにしても、開かずの扉か。
開けるための條件がわかっていないようだが、僕なら問題なくることが可能だろう。
なぜなら、僕には壁抜けがあるんだから。
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