それから名稱未定と共に、ダンジョンの奧へと進んでいった。

どんなモンスターも名稱未定の手があれば、簡単に丸呑みできはてしまうので、非常に楽に進むことができる。

ただ、水晶亀(クリスタルタートル)だけは非常に大きなモンスターなため、呑み込むのに苦労していた。

「なぁ、名稱未定って一応モンスターなんだろ？」

「はい、名稱未定ちゃんは沒になったレイドモンスターですけど？」

「さっきからモンスターを食べているけど平気なの？　同じ種族同士、殺し合っていることになっているけど……」

ふと、気になったので聞いてみる。

見ると、名稱未定は無言で首を傾げていた。自分の行に関して、深く考えていなかった様子だ。

「人間だって、人間同士で殺し合うじゃないですか？」

「それはそうかもしれないけど」

「それとおんなじじゃないですか」

「そうなんだ……」

まぁ、名稱未定が気にしないっていうなら、僕からはなにも言うことはないんだけど。

そして、中ボスである飛竜(ワイバーン)も名稱未定によって、一撃で撃破。

僕はあれだけ苦労したのに……。

そんで開かずの扉までたどりつく。

「それで、どうするんだ？」

名稱未定がいうには、自分には壁抜けをする方法があるらしい。だが、的な方法までは聞いていなかった。

「きひひっ、々お待ち下さいな」

そう言って、名稱未定は両腕を手にし、口を開ける。

「名稱未定ちゃんの能力はモンスターの捕食、そして、モンスターの生です。食べたモンスターを質変えて、別のモンスターとして生できるわけです」

そう言われて、初めて名稱未定と出會ったことを思い出す。

確か、あのときはギジェルモの一味を捕食して、不格好な巨人(トルペ・ギカンテ)というモンスターを生していた。

「今日捕食したモンスターを使って、壁抜けに使えそうなモンスターを作ろうと思います」

そう言って、名稱未定は両腕からびた手を重ね合わせ、モゴモゴとかす。

「きひひひっ、できましたぁ」

現れたのは、輝く寶石のを持った巨大な獣だった。

「水晶亀(クリスタルタートル)の寶石のようにい、巨大芋蟲(ジャイアント・ワーム)の寶石を食べる質、そして、火を吐く猟犬(フエゴ・ハウンド)と首なしラバ(ヘッドレスミュール)の中間のになったじですかね。名付けるとしたら、寶石狼(ジョヤ・ロボ)といったところでしょうか」

◇◇◇◇◇◇

〈寶石狼(ジョヤ・ローボ)〉

討伐推奨レベル：９８

寶石のようない皮をもった巨大な狼

◇◇◇◇◇◇

〈鑑定〉すると、名稱未定の名付けた通りの名前がでてくる。

「それで、これからどうすんの？」

「さぁ、勝手に襲ってくると思うので、あとは、うまくやってください」

「そんな投げやりな！」

そうんでいるうちに、寶石狼(ジョヤ・ローボ)が僕目掛けて襲ってくる。

早い——！

流石、討伐推奨レベルが９８なだけあって、スピードが他のモンスターと格が違う。

「〈回避〉」

と、うまくモンスターの攻撃かわしつつ、名稱未定のを持ち上げる。

ガチンッ！　と、金屬同士がかち合うような音が聞こえる。

寶石狼(ジョヤ・ローボ)の突進を僕が小盾でけ止めたおかげで、発生した音だ。

そのまま僕と名稱未定のは開かずの扉へと吹き飛ばされる。

「〈回避〉！」

そして、ぶつかる直前に〈回避〉を使うことで、が壁にすり抜けていった。

「きひひっ、隠しダンジョンには一なにがあるんでしょうね」

楽しげな名所未定の聲が聞こえた。

新作投下したので、その宣伝です。

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