《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》24.勇者、わがまま王の噓をあばく

森の中で隣國の姫【サクラ】と、その従者【春虎(はるとら)】と出會った。

その後、俺たちは同じ馬車に乗って、王都を訪れていた。

「なんやぁ、あんたも夜會に參加するんかぁ」

「ああ、奇遇だな」

とはいえサクラはお姫様だからな。

貴族の集まるような場所に、招かれていても不思議ではない。

「おにいさんも貴族なんかぁ?」

「ああ。ユリウス=フォン=カーライルだ」

サクラの目が、まん丸になる。

「あんたカーライル公爵の長男さんかぁ。ウワサと全然ちがくてびっくりしたわぁ」

「ウワサって?」

「あんま気にせんほぉがええわぁ。それにウワサはやっぱり當てにならんわ。実はこぉんなに男前で、頼りがいのある素敵な男やったからなぁ♡」

ややあって。

俺たちは王城まで到著した。

り口で荷を預け、俺とサクラたちは、夜會の會場までやってきた。

たくさんの貴族達が集まり、談笑している。

あちこちにテーブルがあって、その上には味そうな料理が並んでいた。

「……見て、【カーライルの忌み子】よ」

「……ほんと、珍しい」

貴族達が俺を橫目に、何事かをひそひそ話し合っている。

「おにいさん、お料理食べに行きましょ♡」

「おう、そうだな。俺も腹減ったしな」

サクラとパーティ料理を食べに行こうとした、そのときだ。

「ユリウス殿! ユリウス=フォン=カーライル殿!」

「え、だれ?」

髭を生やした男が、急ぎ足で俺に近づいてきた。

ふぅふぅ、と息を切らして、俺の前に立つ。

「ユリウス殿! このたびは、娘が無禮を働いた! まことに、申し訳なかった!」

知らないおっさんから、頭を何度も下げられた。

「しかしありがとう! わが娘の浮気を許してくれたこと、心より謝する」

「え、なんのこと?」

お互い、話がかみ合っていなかった。

「ユリウス!? それに、お父様も!?」

青ざめた顔をして、ヒストリアが俺たちに近づいてくる。

え、お父様ってことは、この人が國王か。

「う、うそ……なんで生きてるのよ。だって、腕利きの盜賊を雇ったのに……」

ぶつぶつ、と何事かをつぶやくヒストリア。

「……わが娘よ、どういうことだ?」

國王がどすの利いた聲で尋ねる。

「盜賊を雇う? いったい、どういう理由で?」

「そ、それはぁ……」

ヒストリアの顔は、真っ白になっていた。

「わが娘よ、そなたは申したな。ユリウス殿に土下座して謝り、和解したと。婚約解消は、取り消すと言われたと」

「え、俺そんなこと言ってないけど?」

ヒストリアは必死の形相で、俺にしがみつく。

「ゆ、ユリウス! ごめんなさい! もう一度わたしとやり直しましょう!?」

「え? いやだよ」

「そんな! お願い! お願いよ!」

「ヒストリアぁあああああああああ!」

國王は聲を荒らげると、思い切り、娘の頬を毆りつけた。

「貴様ぁ! 噓をついたどころか、証拠隠滅のために、ユリウス殿の命を狙ったのだなぁああああああ!」

なんだなんだ、と周辺の貴族たちが集まって來る。

「……うそ、ヒストリア王が?」

「……殺人未遂?」

「……うわぁ」

國王からも、そして貴族たちからも、白い目でヒストリアが見られる。

「ち、ちがうの……これは、ちがうの……」

よわよわしく、ヒストリアがつぶやく。

「衛兵! この犯罪者を捕まえて、牢屋にぶち込め!」

國王の命令で、衛兵たちが集まって來る。

は力なくうなだれ、大人しく連行された。

「ユリウス殿、このことでお話がある。今すぐ、別室へご足労いただけないだろうか」

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