《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》27.勇者、に囲まれ弟から嫉妬される

俺が邪神を倒してから、數日後。

朝。

學園の教室、一番奧の席に俺は腰掛けていた。

「おっす」

「ユリウス君、おはよう♡」

ハーフエルフのが笑顔を俺に向けてくる。

エリーゼは俺の隣に、著するように座る。

の大きなが肘に當たる。

「特待生で授業免除なのに、ユリウス君って真面目に授業聞くよね。尊敬しちゃうなっ♡」

むぎゅっ、と彼が俺の腕を抱きしめる。

「授業の方が効率よく、この世界での知識を吸収できるからな」

「勉強熱心だな勇者よ。心♡」

エリーゼとは逆側に、銀髪の・魔王ヴェナが座る。

もまた俺の腕を摑んで、大きな房で挾んでくる。

「あら、ヴェナさん。使い魔は教室にいちゃいけないので、さっさと出て行っては?」

「囀(さえず)るな小娘。自分に魅力が無いから我を遠ざけてるようにしか聞こえぬぞ?」

朝からふたりは、仲良くおしゃべりしているなぁ……と思ったそのときだ。

「お、ガイアス。おはようさん」

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俺の隣を、弟が通りかかる。

彼は苦い顔をして、フンッ! と鼻で俺を笑う。

を侍らせてるからっていい気になるなよ! 見ろ!」

バッ! とガイアスが背後を指す。

そこには、同級生のの子たちがいた。

數にして3人。

「取り巻きはボクの方が多いんだからな! 自分の方が魅力あるって勘違いすんなよ!」

と、そのときである。

「席に著け、ホームルームを始めるぞ」

先生がってくる。

ガイアスは俺をにらみつけると、席に座る。

「今日は転校生を紹介する。れ」

「失禮します~」

り口が開き、そこに居たのは……。

「なんだ、サクラじゃん」

同級生達が、いっせいに目をむいた。

「極東の第一皇さまだ!」

「うっわめっちゃ人ー!」

男子生徒達が浮き足立つ。

サクラは黒板の前に立ち、ぺこりと頭を下げる。

「九頭竜 サクラ言います。みなさん、よろしゅぅなぁ♡」

「「「よろしくおねがいしまぁす!」」」

男子生徒達が喝采を上げる。

「おいおい人で有名なサクラ姫さまと同じクラスかよ!」

「やったぁ超ラッキー! おれ、アタックしてみようかなぁ~」

一方でサクラは、俺の方を見やると、ニコッと笑う。

「ちなみにぃ、うちはユリウスはんのお嫁さんやから、あしからずぅ~♡」

「「「はぁあああああ!?」」」

「王族の婚約者だって!? くそっ! なんでいつも兄さんばかり!」

愕然とする男子生徒達。

サクラが駆け足でやってくる。

エリーゼと俺の間に、よいしょと座る。

「來ちゃった♡」

むぎゅーっとサクラが俺に抱きついてくる。

「ちょっと! なによあなた! ユリウス君はわたしの隣に座ってたんですよ!」

「ん~? なんやこの?」

すぅ……っとサクラが目を細める。

「わたしはユリウス君と深い仲の! エリーゼです!」

「へぇ、そ。よろしゅーな。うちの旦那ともども♡」

「きー! 離れなさいよ!」

ふたりが仲よさそうに話し合っている。

さて、と先生が続ける。

「授業を始めるぞ……」

「ここにいらしたのね!」

スパーンッ!

ドアが勢いよく開くと、そこには法を包んだ、赤髪のの子がいた。

「やっと會えましたわ~♡」

の子は満面の笑みを浮かべて、俺に近づいてくる。

サクラと俺の間に座り、むぎゅーっと抱きしめてくる。

「だれ? うちの旦那に何勝手に抱きついてるん?」

赤髪はぺこり、と頭を下げる。

「わたくし、【メアリ・アタモニ】。今代の聖を務めさせてもらっているものです」

「なっ!? 國の重要人がどうして兄さんに會いに!?」

ガイアスが目を剝いてる。

「セイファートの後継者か。何のよう?」

「このメアリ、命の恩人であるあなた様にお禮を言いたく參上いたしましたの!」

「え、俺なんかしたっけ?」

「無自覚に人助けをなさる……ああ! なんて素晴らしいお人!」

メアリは俺に尊敬の眼差しを向けてくる。

「ちょっとあなたどいてよ! 狹いでしょ!」

「ユリウスはんを寢取ろうゆーなら、極東を敵に回すことになるで?」

「くくく……數多くの良いを侍らせるとは、さすが勇者。どこぞの有象無象を引き連れて、悅に浸るヤツとは大違いだなぁ?」

ヴェナが誰かに向けて言ってる。

「皇に聖……なんで兄さんにはこんな良いが次々と集まるんだよ! チクショウ!」

「が、ガイアス君……気を落とさないで!」

「うるさい! おまえらブスを何人引き連れてても、兄さんには勝てないんだよ!」

ガイアスは立ち上がると、教室から出て行ってしまうのだった。

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