《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》29.勇者、戦う前に対戦相手を倒してしまう
それから2週間後。
今日は【武闘大會】の決勝トーナメントが行われる。
この二週間で、代表選手12名が選抜された。
選手の控え室にて。
「どぉだ兄さん! ボクが本気を出せば代表選手なんて楽勝でなれるのさ!」
弟は1年生の代表選抜戦で、見事に勝ち抜いてきたのだ。
「今までのボクとはひと味違う! せいぜい決勝戦でボクに當たるまで、負けるんじゃないよ!」
トーナメント表を見ると、ガイアスと當たるとしたら決勝戦だ。
「おう、応援ありがとな」
「応援なんて微塵もしてないよ!」
「え、だって負けるなって」
「そういう意味じゃない! とにかく、ボクに當たるまで負けるなよ。まあ上級生たちは強者揃いだし? 負けてもしょうがないけどね!」
ガイアスはそう言い殘して、控え室を出て行く。
大會は【闘技場(コロシアム)】という、學の施設で行われる。
名前を呼ばれた選手2名がメインアリーナへ行き、そこで1対1の試合を行う段取りらしい。
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トーナメント形式なので、試合數はそんなにない。
「選手は12名。シードじゃないから、俺は4戦やるのか。ガイアスとの試合が楽しみだ」
と、そのときである。
「おいおい! そこにいるのはカーライルんとこの魔無しのクズ兄貴じゃねえか!」
ってきたのは、背の高い男子生徒だ。
もちろん見たことがない。
なくとも同じクラスじゃないし、1年生でもないだろう。
ガタイのいい男だ。
制服の上からでも、筋の隆起が見て取れる。
「てめえみたいなクズがどうしてこの神聖なる武闘大會に參加してるんだぁ? あぁ? てめえどうせインチキでも使ったんだろぉ?」
男は俺に近づいて、ニヤニヤとした笑みを浮かべる。
「大方金を積んで代表選手になったんだろぉ? な、大金よこせば負けてやっても……」
「え、すまん。ここ、代表選手以外立ちり止らしいんだ。悪いけど部外者は出ていってくれよ」
ビキッ! と男が青筋を立てる。
「あぁ!? 誰が部外者だとごらぁ!?」
「え、だって見るからに弱そうだし、あんた」
大會に參加する上級生は、猛者ばかりらしい。
こんな、筋を無駄に膨らませてるだけのヤツが、代表選手なわけないよな?
「てめえ殺す! 今すぐここでぶっ殺してやる!」
バッ……! と男が上著とシャツをぐ。
「ぬぅうううん! 見よ! この鍛えられたおれの筋の躍を!」
グッ……! と【無駄な】力を込めると、【戦いに一切必要の無い】筋が膨れ上がる。
「どぉだすごいだろこの筋! 今のうちに泣いて謝れよ。そうすれば痛い目見ずにすむぜぇ!」
「え、なんで? 筋と謝ることの、因果関係がまったくわからんのだが?」
そもそも選手でもない人間が、いつまでもここに居ちゃ駄目だろ。
まったく、警備員は何をしているのだろうか。
「もうゆるさん! 殺す!この鋼のから繰り出される剛力の拳でぇ!」
ぐぉっ……!
ハエが止まるような遅い拳が、俺めがけて飛んでくる。
おいおいうちの弟よりトロいぞこいつ。
避けるまでもないが、俺を覆う魔力の鎧を毆れば、ただ事ではすまない。
俺は半をひねって拳を躱し、相手の足を払う。
男は空中で、グルングルン! と面白いように回る。
「うひぃいいいい!」
後頭部を床に激突しそうになる。
俺が腕を摑んでさらにクルン、と一回転させる。
拳豪から習った護だ。
「……な、なんだったんだよ、今の?」
男はその場に、ぺたん、とへたり込む。
そのときだった。
「あ、ハチだ。あぶねえ」
男の顔の真橫に、ハチがいた。
俺はそこめがけて、軽く拳を振るった。
ひゅっ……!
ドゴォオオオオオオオオオン!
衝撃波はハチを消し飛ばし、背後の壁をまるごと破壊した。
「やべ、やりすぎた」
「…………」
男は鼻水を垂らし、大口を開けながら、背後の壊れた壁を見やる。
控え室の壁と、向かい側の廊下の壁も破壊してしまった。
俺は修復魔法で壁を直す。
「ふぅ。さて、部外者はそろそろ出ていって」
「ひぃいいいいいいい! バケモノぉおおおおおおお! 助けてママぁああああ!」
男は大泣きしながら、部屋を出て行った。
「なんだったんだ? まあ、出て行ったから良いか。さて、一回戦目の相手は誰かなーっと」
ややあって、審判の先生がってきて言う。
「ロドルグ選手の棄権により、第一回戦、勝者ユリウス!」
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私たちだけ24時間オンライン生産生活
VR技術が一般化される直前の世界。予備校生だった女子の私は、友人2人と、軽い気持ちで応募した醫療実験の2か月間24時間連続ダイブの被験者に當選していた。それは世界初のVRMMORPGのオープンベータ開始に合わせて行われ、ゲーム內で過ごすことだった。一般ユーザーは1日8時間制限があるため、睡眠時間を除けば私たちは2倍以上プレイできる。運動があまり得意でない私は戦闘もしつつ生産中心で生活する予定だ。まずは薬師の薬草からの調合、ポーションづくり、少し錬金術師、友達は木工アクセサリー、ちょびっとだけ鍛冶とかそんな感じで。 #カクヨムにも時差転載を開始しました。 #BOOTHにて縦書きPDF/epubの無料ダウンロード版があります。
8 986/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193お薬、出します!~濡れ衣を著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】
田舎から出てきた15歳の少女メディは町の治療院で薬師として働いていた。ある日、患者が毒殺されそうになる事件が発生する。 多數の目撃者や証言により、メディが犯人とされてしまった。先輩に當たる治癒師がメディの高評価に嫉妬して陥れたのだ。 「やっぱり薬なんて危ないわ。治癒魔法こそが安全よ」 今までの功績に免じて、院長はメディを追放処分とした。しかし治癒魔法ではすべての體調不良は癒やせない。 何年も入院していた患者の難病を癒やすなど、メディは治癒師顔負けの実力を発揮していた。 治療院の評判に大きく貢獻していたのだが、彼女がいなくなると雲行きが怪しくなる。 一方、メディは新天地で薬屋を開くことにした。萬病をも治すという噂が広まり、いつしか客層もおかしなことになっていく。 王國最強と呼ばれた『極剣』の女剣士や破滅的な威力の魔法を放つ『皆殺し』と呼ばれたエルフ魔術師と、気がつけば特級戦力が集うようになった。 メディは今日も聲を張り上げる。 「お薬、出します!」 やがて治療院は新たな動きを見せるが、やはり傾き始める。 メディの薬屋は辺境を飛び出して名が知られるように――
8 64【書籍化・コミカライズ】三食晝寢付き生活を約束してください、公爵様
【書籍発売中】2022年7月8日 2巻発予定! 書下ろしも収録。 (本編完結) 伯爵家の娘である、リーシャは常に目の下に隈がある。 しかも、肌も髪もボロボロ身體もやせ細り、纏うドレスはそこそこでも姿と全くあっていない。 それに比べ、後妻に入った女性の娘は片親が平民出身ながらも、愛らしく美しい顔だちをしていて、これではどちらが正當な貴族の血を引いているかわからないなとリーシャは社交界で嘲笑されていた。 そんなある日、リーシャに結婚の話がもたらされる。 相手は、イケメン堅物仕事人間のリンドベルド公爵。 かの公爵は結婚したくはないが、周囲からの結婚の打診がうるさく、そして令嬢に付きまとわれるのが面倒で、仕事に口をはさまず、お互いの私生活にも口を出さない、仮面夫婦になってくれるような令嬢を探していた。 そして、リンドベルド公爵に興味を示さないリーシャが選ばれた。 リーシャは結婚に際して一つの條件を提示する。 それは、三食晝寢付きなおかつ最低限の生活を提供してくれるのならば、結婚しますと。 実はリーシャは仕事を放棄して遊びまわる父親の仕事と義理の母親の仕事を兼任した結果、常に忙しく寢不足続きだったのだ。 この忙しさから解放される! なんて素晴らしい! 涙しながら結婚する。 ※設定はゆるめです。 ※7/9、11:ジャンル別異世界戀愛日間1位、日間総合1位、7/12:週間総合1位、7/26:月間総合1位。ブックマーク、評価ありがとうございます。 ※コミカライズ企畫進行中です。
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東堂院力也は、地球最強の男だ。 ある日、居眠り運転のトラックから少年少女を助けるために、彼は犠牲となった。 「…………む? ここは……?」 彼が目を覚ますと、見知らぬ森にいた。 狀況整理に努めているときに、森の奧から女性の悲鳴が聞こえてきた。 「きゃあああっ!」 「むっ! 女の悲鳴か……。今向かうぞ!」 東堂院力也は駆け出す。 しばらくして、女性の姿が見えてきた。 數人の男に押さえつけられている。 服を脫がされ、半裸の狀態だ。 「そこまでだ! 賊どもめ!」 東堂院力也が大聲でそう言う。 男たちが彼を見る。 「何だあ? てめえは!」 「けっ。通りすがりの冒険者かと思ったが……。見たところ丸腰じゃねえか」 「消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」 賊たちがそう言って凄む。 果たして、東堂院力也はこの賊たちを撃破し、女性を助けることができるのか。 格闘チャンプの異世界無雙が、今始まる。
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