《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》35.勇者、不良たちを軽く撃退する

武闘大會が終わり、休日を挾んで、登校日となった。

學園の玄関前までやってきた、そのときだ。

「おらてめぇ! 金出せゴラぁ!」

「なんだ? 小さい子が、數人に絡まれてるな」

人相の悪い生徒數名が、小柄な生徒を壁際に追い込んでいた。

「お金なんて、ないっすよぅ~……」

「あぁ!? 噓つくなごらぁ!」

「貴族のボンボン様なら、持ってんだろ金ぇ~」

一人が、小柄な子のぐらを摑み、持ち上げる。

「だ、だれか助けてっすぅ〜……」

「へへっ! 助けなんて來るかよぉ。みんな見て見ぬふりしてやがるぜぇ。おれたちが怖いんだろうよ!」

「え、そんなことないぞ」

パシッ!

俺はチンピラAの腕を摑んで言う。

「なっ!? てめえ、カーライルんとこの!」

「事は知らんが、こういうのよくないな」

「うっせーな! 魔力ゼロの出來損ないは黙ってろ!」

ぐッ……!

ゴキンッ……!

「なんだ! そんなちょびっとの力でおれの腕を……って、えええ!? 肩が臼してるぅううう!?」

ぷらんぷらん、とチンピラAの右腕が、力をなくしたようにぶら下がる。

小柄な子は解放されて、餅をつく。

「ケガ無いか?」

「は、はいっす……」

目を丸くするその子をよそに、チンピラAが聲を張り上げる。

「て、てめえ何しやがった!?」

「え、【経(ツボ)】をついただけだけど?」

人のには【経】という特殊な場所がある。

刺激を與えることで、の調子を整えたり、逆に悪くすることも可能。

からツボ押しによる治癒も習っていたのだ。

「ツボついただけで肩の骨が外れるわけねぇだろ!」

「え、右腕の骨全部を外したつもりだけど? 今戻すな」

チンピラAの右腕のツボを突く。

ゴキンッ……!

「も、戻った。なんだこいつ、やべえぞ……!」

「そ、そうだ兄貴ぃ! こいつ、一昨日の試合でやべー活躍したやつっすよ!」

チンピラBが、青い顔をして俺を指さす。

「あぁ!? 不良が試合なんて見てんじゃねーぞ! おいてめえら、こっちの貴族から金巻き上げるぞ!」

チンピラ5人が、俺を取り囲んでくる。

「へへへっ! 5対1だぜぇ?」

「え? 1対1だろ?」

ドサドサドサドサッ!

「なっ!? いつの間に4人をやりやがった!?」

「え、おまえの【経(ツボ)】をついたときのと同時にだけど?」

「ばかな!? あいつらに何かしたそぶり見せなかったじゃねえか! どうやった!」

「闘気(オーラ)を針狀にして飛ばして、【眠りの経(ツボ)】をついただけだが……こんなの普通にできるよな?」

「でっ、できるか! バケモノかぁてめえっ!」

額に大汗をかきながら、チンピラAがぶ。

「どうする? お仲間が倒れてるけど」

「し、死ねゴラぁああああああ!」

チンピラAが、実にとろくさいきで、大ぶりのパンチをかまそうとする。

俺は人差し指を立てて、チンピラAの額をつつく。

トン……。

「なっ!? か、かねえ!」

「筋直の【経(ツボ)】をついた。そこでし反省してな」

「てめっ! このっ……! こんのぉ……!」

チンピラAは顔を真っ赤にしてこうとする。

だが石像のように直したままだ。

「やだぁ、なぁにあの変なポーズ。だっさぁい」

通行人が、チンピラAを見てあざ笑う。

確かに片足を上げて、腕を振り上げるという妙なポーズだ。

「て、てめえ覚えてろよぉ! 【オスカ】さんに言いつけてやるからなぁ!」

「オスカ? まあ1時間もすればけるようになるからな。じゃ」

俺はその場を離れようとしたそのときだ。

「おーぅい、【セルカ】、だいじょぶかぁ?」

「あ! ネルソン先輩!」

【風紀委員】の腕章をつけた、3年生の【ネルソン先輩】がやってきた。

「騒ぎを聞きつけて駆けつけてみれば……なんだ、ユリウス。おまえが片付けたのか?」

「え、なにを? 俺何かしたか?」

先輩は目を丸くすると、苦笑する。

「この程度のピンチはピンチにならんか。さすがユリウス」

上級生の先輩から、なんか知らないが心された。

「うちの後輩を助けてくれてありがとな。こいつ風紀委員のくせに良く絡まれるんだよ」

「うう、めんぼくねーっす……」

セルカと呼ばれた子は、ペコペコと頭を下げる。

「ユリウス、風紀委員やってみないか? 君みたいな凄腕の素晴らしい人材を私たちはしてるんだ」

「せんぱいほどの強い人が居れば心強いっす! 一緒に學園の風紀をす輩を取り締まってしいっす!」

「え、まあ、別にいいけど」

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