《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》36.勇者、三家も余裕で倒す

り行きで風紀委員となった。

その日の晝休み。

俺はセルカとともに、校の見回りをしていた。

廊下にて。

「セルカって、俺の後輩に當たるのか?」

「ハイっす! 自分は中等部の2年生っす!」

「中等部ってなに?」

「せんぱいたちがいるのは高等部。15歳からのが通うっす。中等部は13~15歳の子。校舎は繋がってるッス」

俺が思うよりも、この學園は規模が大きいのかも知れない。

「それにしても、ユリウスせんぱい、この間の武闘大會、みたっすよ! すごかったっす!」

「え、そうか?」

「はいっす! 強いし、かっこいいし、優しいし……!」

ニコニコとした笑顔で、セルカは俺の隣を歩く。

「自分、せんぱいのこと、誤解してたっす。やっぱウワサなんて當てにならねーっす!」

「ウワサねぇ。どんなじなの?」

「え、ええっとぉ……。怖い先輩だって」

セルカが目を泳がせながら言う。

転生前の俺は、し素行が悪かったのだろうか。

と、そのときだった。

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「ちょっとストップ」

「え、なんすか?」

ドガンッ……!

「なっ!? じ、地面にクレーターが!?」

「ほぉ、おれの【重力魔法】を避けるか。運の良いやつだな」

廊下の奧から、ハンサムな男子學生がやってくる。

「お、【オスカ・ペンドラゴン】さんだ!」

「オスカ? え、誰それ?」

「この國の大貴族、三家の一角! 【ペンドラゴン】公爵の次男坊っす!」

そう言われてもわからん。

「ふっ……三下どもが騒ぎ立てるから、どんな強敵かと思いきや、カーライルのとこの【忌み子】じゃないか。期待して損した」

ふぅ、とオスカが落膽のため息をつく。

「誰かと勘違いしてないか?」

「かもしれないな。おまえのような魔無しのクズに、手下どもが後れを取るとは思えない。……が、念には念をれておこう」

すっ……とオスカが懐から杖を取り出す。

「おいおい人違いだったらどうすんだよ」

「関係ない。おれは最上級の魔士の家系。お前を含め、有象無象とは格が違うんだ」

「偉いならなにやってもいいって聞こえるんだけど?」

「當然だ。強ければ偉い、偉ければ何をやってもいい、それが世界の常識だ」

オスカは杖先を俺に向ける。

「【重力(グラビティ)】」

俺を中心として、重力場が発生する。

ドガンッ!

地面に亀裂が走り、重さに耐えかねて、床にが空く。

「ふっ……ザコが」

「え、誰が?」

「なにぃいいいいい!?」

すかした笑みを浮かべていたオスカが、大きく口を開いてぶ。

「そんな馬鹿な!? お、おれの必殺の重力魔法がなぜ効かない!?」

「え、対魔法障壁を24時間展開してるんだけど?」

相手の魔法攻撃を無効化するバリアだ。

2000年前じゃ、外出時、特に街の外に出るときは必須だった。

「障壁!? ふざけるな! それは超高難易度の防魔法! 1秒発させるのだって難しい魔法を、常時発させられるやつがどこにいるんだよ!」

大汗をかいて、オスカは揺する。

「さて、三家とやらの魔法、見せてくれよ」

「くっ! 【重力(グラビティ)】!」

「さっきのチンケな魔法で終わりじゃないんだろ?」

「【重力】! 【重力】! 【重力】ぃいいいい!」

こいつさっきから何んでるんだろうか?

「そんな馬鹿な……なぜ魔法が発しない!?」

「え、【反魔法陣(アンチ・マジック・フィールド)】を自展開させてるからだけど?」

「なんだそれは!?」

「相手から魔法攻撃をけたとき自で展開する魔法陣だ。これの発中、相手は同じ魔法を使えなくなる。え? なんでこんな戦闘の基礎技を知らないの?」

オスカは顔を真っ青にして言う。

「くそっ! こうなったら、ペンドラゴン家の最終奧義! はぁあああああ!」

彼の杖先に、魔力が集まっていく。

「これで潰れろ! 【大重力(ラージ・グラビティ)】!」

しーん……。

「何で発しないんだよぉおおおおお!」

「え、あ、ごめんごめん。【反魔法陣】って違う魔法でも、同系列なら消しちゃうんだ。ちょっとまってな」

俺は魔法陣をしまう。

「これでよし。さ、遠慮無く魔法打ってくれ」

なぜか知らないが、オスカはその場に膝をつく。

「まるで、赤ん坊扱いじゃないか。この、三家であるおれが、カーライルのクズ相手に……」

よくわからないが、オスカは戦意を失っているようだった。

「せんぱい、まじすげーっす!」

一部始終を見ていたセルカが、キラキラした目を俺に向ける。

「え、俺何かしたっけ?」

オスカは両手をついて、失意のどん底みたいな顔をするのだった。

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