《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》41.勇者、弟に正を明かす

俺は隕石を消し飛ばした數分後。

弟の部屋にて。

ガイアスは地面にもちをつき、俺を見上げて言う。

「ねえ……兄さん。教えてよ……? いつの間に、そんな強大な力を手にれたの……?」

ガイアスはを震わせながら、俺に問うてくる。

「ボクの知ってる兄さんは、生まれたときから魔力を一切持たない落ちこぼれだった。剣も魔法の腕も、ボクよりもずっとずっと下だった……」

顔をあげて、ガイアスが言う。

「ついこの間まで最底辺の人間だったあんたが、こんなにも強くなったのはどうして? 何をしたら、そんな風になれるんだよ……。ねえ、教えてくれよ」

「なにしたら、って言われてもな」

勇者ユージーンとして、力を手にれるまでに何をなしてきたかを説明することはたやすい。

だがそれは、弟の求めてる答えではない気がした。

「…………」

本當のことを打ち明けるべきだろうか。

たとえ信じてもらえなくても、それでガイアスの気が休まるなら……。

「それとも、兄さんは最初からボクを騙していたの? 生まれたときから、今日までずっと」

「それは斷じて違う。誤解しないでくれ」

「じゃあ、何をすればあんたみたいに強くなれるんだよ? ボクも、あんたみたいに強くなりたいんだよぉ……」

ぐすぐす……と涙を流すガイアス。

俺は泣いてる弟を見て、心を決めた。

「ガイアス、聞いてくれ。俺は……2000年前にいた勇者神、ユージーンの生まれ変わりなんだ」

「……は?」

呆然と、ガイアスは俺を見つめる。

「なに、言ってるの……兄さん?」

「信じられないだろうが本當なんだ。勇者神の俺は死んで、その強さを持ったまま、ユリウスとしてついこの間転生したんだ。急に強さをに付けたわけでも、今日まで実力を隠していたわけでもない」

はぐらかすのは、不誠実だと思った。

ガイアスにも、そして【ユリウス】にもだ。

「…………」

弟はうつむく。その表はうかがえない。

「そ、」

「そ?」

「そんなこと、信じられるかぁあああああああああああ!」

ガイアスは走った眼で聲を荒らげる。

「勇者神の生まれ変わり? 転生? そんなバカげた話がこの世に存在するわけないだろ! ボクをからかうのもいい加減にしろよ!」

「え、本當なんだけど? からかってもないぞ」

「ちくしょお! くそ! 真面目に聞いたボクがばかだった!!」

ガイアスは立ち上がり、俺をにらみつける。

「あんたが強いことは、よーくわかったよ。それに、自分の強さの訣を言いたくないこともね!」

「え、ほんとのこと言ったつもりだったんだけど?」

「とぼけるのもいい加減にしろよ! いいか兄さん、よく聞け!」

ビシッ! とガイアスは俺に指をさす。

「ボクは負けないぞ! いくらあんたが、理不盡な強さを持っていようと、たとえ天地ほど実力が離れてようと! 絶対にあきらめない!」

力強い言葉で、弟が宣言する。

「ボクは兄さんを超えて最強になる! そして、この家の、真の後継者となる! ボクは強くなるぞ、絶対に!」

その瞳には強い意志のが宿っていた。

「あんたに勝つのは、このボクだ!」

ふんっ、とガイアスが鼻息荒く言う。

「おう、そうか。じゃあ一緒に修行するか」

「は……?」

「え、だって強くなりたいんだろ? 手伝ってやるよ」

「いや……え、話聞いてた?」

「おう。けど今のままじゃダメダメだ。基礎が全くなってない。一から鍛えてやるよ」

前世の俺は、孤児だった。

家族はおろか、兄弟すらいなかった。

だからこうして、自分に挑みかかってこようとするこの弟に、いとおしさのようなものを覚えた。

ギリっ! とガイアスは歯噛みする。

「馬鹿にすんな! あんたを超えるって言っただろ! ボクにだってプライドがあるんだ!」

「けど我流でやるよりは効率良いんじゃないか。他に俺より強い師匠がいるなら別だけど」

「そ、それは……」

うつむき、震える弟の肩に、ポンッとれる。

「強くなりたいんだろ?」

「……うるさい!」

バシッ! と俺の手をガイアスが払う。

「あんたには頼らない!」

「遠慮すんなって。じゃ明日朝5時に庭に集合な」

「勝手に決めるな! 誰が行くかバーカ!」

しかしその翌日、ガイアスは朝5時に、ちゃんと集合していた。

俺は転生して初めて、ここでやりたいことがし、見つかった気がしたのだった。

【※読者の皆さまへ とても大切なお願い】

この話で第3章終了、次回から第4章に突します!

「面白い!」

「続きが気になる!」

「ガイアスはもっと徹底的にボコボコにされろ!」

と思ったら、

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つまらなかったら星1つ、素直にじた気持ちで全然かまいません!!!!!!!!

なにとぞ、よろしくお願いします!

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