《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》61.勇者、弟と朝練で古竜を倒す

學園長アリシアとの一件が終わってから、2週間ほどが経過した。

7月上旬のある日。

早朝。

俺は弟のガイアスとともに、山の中にいた。

「で、できたっ! 転移魔法……できたよ兄さん!」

弟が青い目を輝かせながら、俺に言う。

しい金髪が朝日に照らされて輝いていた。

「おう、よくやったぞ」

ガイアスの頭をなでると、弟はうれしそうに笑う。

「あとは【マーカー】を置かずに自在に転移できるようになれば、一般レベルだな」

「できないよ! ただでさえ、転移は失われた古代の超魔法って言われてるんだよ!?」

はぁ、とガイアスがため息をつく。

「いいや、できるさ。大丈夫、兄貴を信じな」

「……ほんと、兄さんに言われると、何でもできる気になるから不思議だよ」

俺たちは朝練に來ている。

この世界に來てから數ヶ月。

今ではすっかり、弟の訓練に付き合うのが日課となっていた。

「それで、今日は何の訓練するの?」

「おお、昨日ちょうどいい練習相手を見つけてきたんだ。こっちの窟な」

俺はガイアスとともに、窟へと移する。

「そう言えば兄さん、そろそろ期末テストだけど、ちゃんと勉強してる?」

「え、期末テストって何?」

「……夏休み前に行われる、學力と実技の試験だよ。ホームルームで言ってたろ?」

呆れたようにため息をつく。

「まあなんとかなるだろ。お、ついた。この窟だよ」

山中にあいただ。

俺たちはり口に立っている。

「兄さん、何が居るの? ゴブリン? ……まさか魔族ってことはないよね?」

「ないない。朝練だしな。かるーく汗を流せる程度の相手だよ」

俺は、全集中の技能を使う。

大気中の魔素を集めて魔力に変換。

それを、【ほんのちょっぴり】、窟へ向かって飛ばす。

そのときだ。

『我の眠りを妨げる者は誰だぁぁああ!』

ドガァアアアアアアアン!

窟の天井を突き破り、そいつは翼を広げて飛び上がる。

ずずぅううううん……!

「なっ!? ど、ドラゴン!?」

「え、トカゲだけど?」

黃土し大きいトカゲだ。

「いやいやいや! どう見てもドラゴンだよ! 名のある竜なんじゃないの!?」

「ただのトカゲだって、大げさだなぁ」

『この古竜種【ベヒーモス】を前にトカゲだと! 我を愚弄するな下等生め!』

見上げるほどの巨

は巖で構されている。

ベヒーモスは巨大な足を、俺たちめがけて振り下ろす。

「ほら、潰されちゃうぞー」

「くっ……!」

ガイアスは魔力と闘気を、スムーズに合する。

そうすることで、莫大な能力を得る。これを【】と言う。

ずずぅううううううううん!

『ほぅ? 古竜の一撃をけ止めるか。人間にしてはやるではないか!』

「に、兄さん……駄目だ……おもすぎるよ……」

額に脂汗を浮かばせながら、ガイアスがつぶやく。

「筋繊維の一本一本に、魔力を流すイメージをするんだ。そうすればもっと膂力を発揮できる。やってみな」

「そんな化けじみたこと、兄さんくらいしかできないよ!」

『ヌハハハ! 潰れろぉおおおおおお!』

ベヒーモスが弟に重を乗せる。

そのときだ。

ゴォオオオオオオオオオオ!

ガイアスのから、銀に輝く闘気がれ出る。

『お、おお……!? なんだ、足がもちあがる……!』

「せやぁああああああ!」

ガイアスは勢いをつけて、ベヒーモスを押しのける。

敵の前足が浮かび上がり、バランスを崩して倒れた。

ずどぉおおおおおおおおおおん!

「はぁ……はぁ……できちゃったよ……」

「おう、お疲れさん。今のじだよ」

呆然とする弟の肩に、俺は手を置く。

「ありがとう。でもボクちょっと怖いよ……なんかどんどん人外(にいさん)に近づいてるみたいで」

そのときだった。

『我を転倒させるとは、良い度だなぁああああ!』

ベヒーモスは天高く飛び上がる。

勢いよく落下してくる。

『踏み潰されろぉおおおおおおおお!』

「さ、さすがにアレは無理だよ……!」

迫り來る古竜。

ぶつかる寸前で、俺は手で払う。

ばちーーーーーーーーん!

『ぬわぁあああああ!』

ベヒーモスは高速で空の彼方へと飛んでいった。

「信じられない……古竜を片手で軽くあしらうなんて……」

「大丈夫、おまえもできるようになるから」

「できるわけないだろぉおおお!」

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