《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》74.勇者、テストのついでに全軍を壊滅させる

俺たちは期末テストをけていた。

今日は最終日。

「ではこれより、魔法実技の試験を始めます」

場所は學園の校外。

幅広い草原が、どこまでも広がっている。

「おのおの、【3種類】の魔法を、離れたあの【カカシ】めがけて放つように」

魔法學の先生が指差す先には、魔法威力を測るカカシが置いてある。

ここから離れた場所においてある。

四方には何もなく、草原が広がる。

もともと學園は郊外部にあるので、滅多に人は訪れないらしい。

「……おかしいな」

「ん? どうした弟よ」

「中等部の時、期末テストの魔法実技の試験やったんだけど、教練室(トレーニングルーム)で行われてたよ? なんで屋外に?」

弟の疑問に、先生が疲れたような顔で言う。

「今年はユリウス君という規格外の生徒がいますからね。室でのテストは危険と判斷しました」

「た、確かに……兄さんがやると大慘事を無自覚に引き起こしますからね」

ガイアスは真剣な表で、俺に言う。

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「兄さん、ボクに気を使って手抜きは無しだからね」

「わかってる。全力でやるよ。あ、でも人が死なないように調整はしていいよな?」

「そ、そうだね。うん、でも手加減はしないでよ?」

「安心しろ。手加減せず誰も殺さないように調整するからさ」

俺たちは拳を合わせる。

「ではこれより、魔法実技の試験を行います! 一人ずつ順番に魔法を打ってください。あ、ユリウス君、君は最後ですよ」

「え、なんで?」

「君が先にやると、後の生徒がみなやる気を喪失してしまいますから、當然の処置です」

よくわからないが、まあ試験監督に逆らうつもりはない。

かくして、試験が開始された。

順々に魔法を三種使う。

ぽひ……。

ぱひゅ……。

しゅぽっ……。

同級生たちの魔法は、基本的に詠唱魔法、しかも威力は目に見えて弱い。

しかし……。

ドゴォオオオオオオオオン!

「おお! サクラ君、素晴らしい! 中級魔法【業火球(フレイム・ストライク)】」

びょぉオおおおおおおおお!

「エリーゼ君も見事な中級魔法【風裂刃(ウィンド・ストーム)】です!」

同好會メンバーは、他の生徒たちとは比べにならない、威力の高い魔法を使う。

「旦那様の教えのおかげやわ~」

「ありがとう、ユリウス君! おかげでわたし、こんなにすごい魔法、詠唱なしでできるようになったよ!」

ふたりが俺の腕を、左右から抱きしめる。

「いいなぁ、あの二人。めっちゃ強くなっててよぉ……」

「くっそ、おれもユリウスと仲良くしてればよかった……!」

「今からでも同好會れないかなぁ……」

そんなふうに実技試験は、つつがなく進んでいった。

ややあって。

「さて、最後……ユリウス=フォン=カーライルくん!」

「はーい」

先生に呼ばれ、俺は前に出る。

ざざざっ……!

「え、なんでみんな俺から離れてくの?」

「ボクの後ろに! ミカエル、おまえも結界をるんだ!」

ガイアスが魔法障壁を展開する。

「あにうえは殺傷しないよう調整するって言ってたです。なぜ結界がいるです?」

「人をたとえ殺さなくても、地形を余裕で変するくらいの離れ業はやってのけるでしょ、この人!」

ミカエルはうなずくと、天使が使う最大の防魔法を展開する。

「うっし、いくぞー」

俺の周囲に、魔法陣が展開する。

無數のそれらは、重なり合う。

「まずは、【煉獄業火球(ノヴァ・ストライク)】」

突如、空に巨大な魔法陣が出現。

そこから小型の太と見まがう、巨大な火の球が出現。

地上へと落下し、すさまじい発を起こす。

ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

草原が一瞬にして灰燼に帰す。

熱風は周囲の木々等を軽々と吹っ飛ばす。

「う、うわぁああああああああ! し、しぬぅううう!」

「みんな踏ん張れ! 結界が……く! もたない! ミカエルの結界も限界だ!」

俺は2種類目の魔法を使う。

「つぎに、【天墮雷剣(ディバイン・カリバー)】」

突如暗雲が立ち込める。

超巨大な雷の剣が、地上へと落ちる。

カッ……!

ずっどぉおおおおおおおおおおおおおおおおん!

「ひぃいいい! こ、この世の終わりだぁあああ!」

「この星の反対側までぶち抜いたです! あにうえすごーい!」

「ばかな! ボクと熾天使が全力で張った結界をこんな簡単に割るなんて!」

手加減は抜きだからな。

それに、弟たちが見ている。

無様はさらせない。

「最後に、【神聖治癒(イノセント・シャイン)】」

またも天に魔法陣が出現。

そこから、巨大な神が出現する。

神様だ……神様ご本人だ!」

「天地創造の神を……召喚しただとぉ!?」

學生で良く知ってるな、と思ったが、どうやら別の人がんだらしい。

魔法で召喚された、神は、手を広げる。

まばゆいが地上を満たす。

すると瞬時に、破壊された大地と、貫通された星のが、何事もなかったかのように修復された。

同級生たちは、ガイアスとミカエルも含めて、腰を抜かしていた。

あとには、靜けさだけが殘る。

「う、うわぁああああああああ!」「ひぎぃいいいい!」「化けだぁあああああああああ!」

どこからかび聲とともに、たくさんの何かが走り去っていく足音がする。

「お見事ですユリウス君!」

先生が満面の笑みを浮かべて、俺の手を握る。

「どれも素晴らしい極大魔法でした! 広範囲せん滅の火魔法、星を貫くほどの撃墜の雷魔法、そしてそれにより破壊されたものすべてを一瞬でなおす魔法! 見事としか言いようがない!」

「え、そう? 2000年前なら、このくらい普通だったぞ?」

「怖いよ! 2000年前怖いよぉお!」

ガイアスは頭を抱えてぶのだった。

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