《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》76.勇者、1學期を終える
【※お知らせ】
書籍化が決定しました!
応援してくださる皆様のおかげです!
ありがとうございます!
俺たちの期末テストが終わってから、10日ほどが経過した。
學園の教室にて。
「それでは、一學期の授業はこれまで。今日から40日間の夏休みになる」
教壇に立つのは、新しくクラス擔任になった元聖騎士のヘンリエッタ。
「長い休みだ。何に打ち込むかは各人に任せる。友達と遊びに行くもよし、同好會の活をするもよし。冒険者になるもよし」
冒険者か。
2000年前にもあった。
平和になった世界でもあるのか。
「長いこの休暇、有意義なものになるよう、考えて日々を過ごすように。以上! 解散!」
ヘンリエッタが教室を出て行く。
「「「いやったぁーーーーーー!」」」
同級生たちは喜満面となり、両手をばして言う。
「どこいくなにするっ?」「あたし実家に帰る!」「ぼくはサークル活かなぁ」
みんな夏休みの計畫を話し合っている。
「ユリウス君!」
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「旦那様~」
エリーゼにサクラが、俺の元へやって來る。
「今日から夏休みだね! いっぱい遊ぼうよ!」
「おう、そうだな」
勇者時代、學生生活というものを送ったことが無かった。
夏休みなんて存在しないし、一緒に友達と遊んだこともほとんどなかった。
だから俺は、今とても高揚していた。
「あにうえ~!」
ミカエルが俺に抱き著いてくる。
「朝から晩まで修行するです!」
「おうよ、みっちりやろうぜ」
義弟は笑みを濃くする。
「あ、わたしも! 夏休み中、修行したいな!」
「うちも~。そや、同好會(サークル)のみんなで合宿せぇへん?」
「「「合宿?」」」
サクラが笑顔で言う。
「海とか山に何泊かしてな、一緒に行することで協調を養ったり、友好を深めたりするやつや」
「「「おおー! いいね!」」」
なんだそれは。
楽しみすぎるぜ!
「ミカちゃん楽しみだね!」
「はいです! えりちゃん!」
義弟ミカエルは結構、同好會のメンバーと仲がいい。
サクラとも仲良くやれている。
「合宿場所はうちが手配するでぇ」
「じゃあ日程とかの打合せは俺の家でやるか」
「「「さんせーい!」」」
初めての夏休み、友達と過ごす日々を想像すると、俺は楽しみで仕方がなかった。
「…………」
「弟よ、一緒に帰ろうぜ?」
無言で立ち上がると、俺たちを一瞥もせず、教室を出て行く。
「ガイアスなに怒ってるです? テスト結果が帰ってきてから、ずっとあんな調子です」
はて、と義弟が首をかしげる。
「テストでユリウスはんに負けたこと気にしてるんちゃう?」
「……悪い、ミカエル。先にみんなを連れて家に帰っててくれないか?」
「いいです。あにうえどこいくです?」
「ガイアスをちょっと追いかけてくる。後頼むぞ」
サクラたちを義弟に預け、俺はガイアスの後を追う。
転移と追尾の魔法を使えば、弟の元へ一瞬で飛べる。
ガイアスは、渡り廊下に居た。
じっ……と壁を見つめている。
「よっ」
「兄さん……」
俺は弟の隣に立ち、一緒に壁を見やる。
生徒の名前と、得點、そして順位がかかれている。
「何見てたんだ?」
「……期末テストの順位だよ」
學年ごとに張り出されている。
高等部一年生の列の、一番左端には、こう書いてある。
1位 ユリウス=フォン=カーライル 1000點
2位 ガイアス=フォン=カーライル 943點
3位 エリーゼ・ノースウッド 798點
・
・
・
※1教科100點。10教科。平均點432點。
「……負けちゃった」
ぽつり、とガイアスがつぶやく。
「……あれだけ、頑張ったんだけどな。やっぱり、兄さんは、すごいや」
ぎゅっと弟は歯噛みする。
手をぎゅっと握りしめて、肩を震わせる。
「おまえもよくやったよ。3位を150點くらい放してるじゃないか」
「……でも、兄さんに60點近く、水をあけられているじゃないか。平均點が400點ちょっとのテストでさ、全教科満點って……ほんと、化けだよ」
俺は弟を抱き寄せて、サラサラの金髪をなでる。
ガイアスはおとなしく、俺に肩を載せて、鼻をすする。
「悔しいか?」
「……悔しいよ。すっごく」
「なら、大丈夫だ」
「え……?」
ガイアスが目を丸くして、俺を見上げる。
「前にも言ったろ、悔しいって思ってるなら大丈夫だ。おまえは、強くなれるよ。今よりもっともっとさ」
そのときだった。
「そーです! ガイアス! なれるですー!」
ミカエルが俺たちの元へ、駆け寄ってきた。
「おまえ、みんなは?」
「送り屆けてきたです。あにうえたち遅いから、心配して見に來たです」
義弟はガイアスを見上げて、目元を指で拭う。
「ガイアスは、あにうえの次に強くてすごいです」
「……嫌みかよ」
「ちっがーう!」
ぶんぶん! と義弟は首を振る。
「あにうえに食らいついてるの、ガイアスだけです。ただの人間が、しかも短期間でここまで長した。ありえないことです」
熾天使の言葉に、ガイアスは安堵の吐息をらす。
「兄さん、ミカエル……ボク、強くなれてる?」
俺と義弟は、笑って言う。
「おう、もちろん!」
「すでに下級天使くらいには強いです。もう十分ばけものです」
俺たちが言うと、ガイアスは安堵の表を浮かべる。
兄と義弟の2人に言われて、彼の中で、俺の言葉が真実だと、信じてくれたのだろう。
「夏休み、頑張ろうぜ。きっともっと、強く長できるさ。俺がしっかり面倒みるよ」
「いっぱい修行するです!いっぱいあそぶです!ガイアス!」
弟は晴れやかな表で、「うん!」と言う。
その後、俺たちは笑顔で帰路に著く。
かくして、一學期は終了し、夏休みに突するのだった。
【※読者の皆さまへ とても大切なお願い】
この話で第5章終了。
次回から第6章、夏休み編に突します!
また、読者の皆様おかげで、【書籍化】が決定しました!
いつも応援してくださる皆様のおかげで、ここまで頑張ってこれました!
本當にいつも、たくさんの応援ありがとうございます!
引き続き頑張って書いていきますので、これからも兄と弟の語を、よろしくお願いします!
最後に!
「面白い!」
「続きが気になる!」
「ガイアスもっともっと頑張れ!」
と思ったら、
下の【☆☆☆☆☆】から作品への応援おねがいいたします!
面白かったら星5つ、
つまらなかったら星1つ、素直にじた気持ちで全然かまいません!!!!!!!!
なにとぞ、よろしくお願いします!
【本編完結済】 拝啓勇者様。幼女に転生したので、もう國には戻れません! ~伝説の魔女は二度目の人生でも最強でした~ 【書籍発売中&コミカライズ企畫進行中】
【本編完結済】 2022年4月5日 ぶんか社BKブックスより書籍第1巻が発売になりました。続けて第2巻も9月5日に発売予定です。 また、コミカライズ企畫も進行中。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。本當にありがとうございました。 低身長金髪ロリ魔女が暴れまくる成り上がりの物語。 元チート級魔女の生き殘りを賭けた戦いの記録。 212歳の最強魔女アニエスは、魔王討伐の最終決戦で深手を負って死にかける。 仲間を逃がすために自ら犠牲になったアニエスは転生魔法によって生き返りを図るが、なぜか転生先は三歳の幼女だった!? これまで魔法と王國のためだけに己の人生を捧げて來た、元最強魔女が歩む第二の人生とは。 見た目は幼女、中身は212歳。 ロリババアな魔女をめぐる様々な出來事と策略、陰謀、そして周囲の人間たちの思惑を描いていきます。 第一部「幼女期編」完結しました。 150話までお付き合いいただき、ありがとうございました。 第二部「少女期編」始まりました。 低身長童顔ロリ細身巨乳金髪ドリル縦ロールにクラスチェンジした、老害リタの橫暴ぶりを引き続きお楽しみください。 2021年9月28日 特集ページ「今日の一冊」に掲載されました。 書籍化&コミカライズ決まりました。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。 2022年2月17日 書籍化に伴いまして、タイトルを変更しました。 舊タイトルは「ロリババアと愉快な仲間たち ――転生したら幼女だった!? 老害ロリ魔女無雙で生き殘る!! ぬぉー!!」です。 2022年2月23日 本編完結しました。 長らくのお付き合いに感謝いたします。ありがとうございました。 900萬PVありがとうございました。こうして書き続けられるのも、読者の皆様のおかげです。 この作品は「カクヨム」「ハーメルン」にも投稿しています。 ※本作品は「黒井ちくわ」の著作物であり、無斷転載、複製、改変等は禁止します。
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