《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》77.勇者、弟たちと合宿しにいく

一學期が終了し、俺たちは夏季長期休暇にった。

夏休み1日目。

【同好會(サークル)】のメンバーが、俺たちの屋敷に來ていた。

カーライル家の庭にて。

「いくですよ、あにうえー!」

「おう、かかって來い」

ミカエルのが、まばゆくる。

その瞬間……消えた。

「「「消えた!?」」」

エリーゼ、サクラ、そして弟のガイアスが目をむく。

ガキィンッ……!

俺の構えた剣と、ミカエルの【天の剣(レーザーソード)】がぶつかり合う。

「み、ミカちゃんが消えた!と思ったらユリウス君と斬り合って……ああまた消えた!」

ミカエルは超高速でき、四方八方から俺に攻撃を加えてくる。

キンキンキンキンキン!

「は、早すぎて見えへん……分裂してるんあれ……?」

「いや、ただの殘像だよ……たぶん」

ガキキンッ! キンキンッ! ガギンッ!

「うわぁあああああ!」

ミカエルは背後に吹っ飛び、屋敷の壁に激突する。

ドガァアアアアアアアアン!

衝撃で屋敷が半壊する。

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「み、ミカちゃーん! だいじょうぶなのー!?」

エリーゼが目をむいてぶ。

「問題ないです、えりちゃんっ」

バサッ……と翼を広げて、ミカエルが俺たちの元へやってくる。

「やっぱりあにうえは強いです! すごいですー!」

俺の腰に、義弟が抱きつく。

「兄さん、ミカエルは何をやっていたの?」

「え、【(こうたいじゅつ)】だろ?」

「「「こうたいじゅつ?」」」

「存在を一段上げて、そのものとなり、速移を手にれる技……え、これくらい一般教養だよな?」

「「「んなわけあるかっ!」」」

俺はミカエルとともに首をかしげる。

「なぁミカ、普通だよな?」

「はいですあにうえ、じょーしきです」

殘り3人が、ぐったりした表で肩を落とす。

「ユリウス君……すごすぎる……」

「次元が違いすぎるわぁ。ほんま旦那様は恐ろしい方やでぇ」

「まったく兄さんは無自覚にすごいことするんだから。あ、壊れた屋敷直しておくね」

ガイアスがスッ……と右手をばす。

半壊した屋敷を、弟が【疑似・創生魔法】を使って、元に戻す。

「「ちょっと待った!」」

「え、な、なんだよ……」

子2人に、ガイアスが気圧される。

「あんたもちょっと人間離れした技つかっとるで?」

「え……そ……そうかな?」

「壊れたもんあない簡単に直せるかっちゅうに。いつもお兄さんと義弟ちゃんを人外扱いするけど、あんたも大概やで」

ガイアスはショックをけたような表を浮かべ、その場にしゃがみ込む。

「……化け2人に囲まれてて、気づかなかった! ボクも同じカテゴリーにれられるなんてっ!」

なぜか知らないが、ガイアスは自分の頭をガリガリかいていた。

「しかしユリウスはんもミカちゃんも強すぎて、戦い方あまり參考にならへんわぁ」

「そうだね、別格ってじ。ちょっと自信なくしちゃうなぁ……」

「……ちっ。意識の低いどもだな。それでも兄さんの同好會(サークル)に所屬するメンバーかよ」

弟のついた悪態に、サクラたちがムッ……と顔をしかめる。

「ガイアス。友達にそんな口の利き方、駄目だろ?」

「誰が友達だよ。こいつらは単なるサークルの知り合いに過ぎないよ」

ふんっ! とガイアスがそっぽ向く。

うーん、弟がふたりと仲良くなればいいなと思っていたのだが。

一學期では、まったく仲が深まっていない。

弟が孤立するのは、兄としていかんともしがたい。

なんとかしてやれないだろうか……。

「ところでユリウスはん、合宿のことなんけどな」

サクラが俺に近づいてきて言う。

「【カシクザキ】っちゅー、海に近い街どうかな思ってるんやけど」

「カシクザキ……どこそこ?」

「王都から南西に下った先にある海辺の街や。溫泉もあるしええ街やで」

なるほど……そこなら遊ぶところが多そうだ。

「いいじゃん、そこにみんなで行こうぜ」

「「さんせーい!」」

エリーゼとミカエルが笑顔で手を上げる。

一方で、ガイアスが柳眉を逆立てていう。

「ボクは遊びになんて行かないよ」

「なんでだ、弟よ?」

「遊ぶ暇なんてないよ。ボクは1秒でも早く兄さんに近づきたいんだ」

向上心があることは、立派だと思う。

俺はガイアスのチャレンジ神にはいつも心させられる。

「けどなガイアスよ。を鍛えるだけが、強くなることじゃないぞ」

「はぁ? なにそれ、意味わからないよ」

うーん……なんて説明したら良いのだろうか。

ガイアスは、確かに強い。

だが、まだ【足りない】のだ。

それは腕っ節の強さじゃ決してない。

もっと概念的な……こう……上手く説明できないけど。

「とにかくボクは遊びになんていかないよ」

「え、じゃあお前一人になっちゃうけど?」

「なっ!? 兄さん、こんなメスどもと、一つ屋の下で寢泊まりするのかよ!?」

「てい」

ぺちんっ。

「メスとか言うな。友達……だろ?」

「誰が! だってこいつらはボクから兄さんを奪……」

「俺を? うば?」

「~~~! とにかく! ボクの目の屆かないとこでこいつらと一緒に過ごすのは止!」

ぐいっ、とガイアスが俺の腕を引っ張る。

「部外者は帰りなよ。兄さんはボクのものだ。ボクと一緒に居るんだ」

「はぁ? あんた何勝手に決めてるん?」

「そ、そうだー! ユリウス君はわたしたちと海に行くんだもんね!」

左右からと弟に挾まれる。

「あにうえモテモテです?」

義弟が俺の腰にずっとひっついたままだ。

うーん……遊びばっかりじゃだめか。

それだとガイアスが合宿に來てくれないし……。

かといっていつも弟たちとやってる修行では、エリーゼ達がついて來れない。

「そうだ、みんな【冒険者】やってみないか?」

「「「冒険者?」」」

弟たちが、首をかしげる。

「依頼をけてモンスター倒したり、ダンジョンに潛って貴重なアイテムを取ってきたりする便利屋みたいなもんだ」

「いや……それは知ってるけど、なんで?」

「みんなには実戦経験が足りてない。的に俺から教えをけるだけじゃ上の段階へは行けない。能的に問題に対処できる力をにつけるべきだ」

「「なるほどっ!」」

子チームは割合、あっさりと納得した。

だがガイアスは、嫌そうな顔で言う。

「何で今更モンスターを? ボク魔族は普通に倒せるんだよ」

「ガイアス。これも修行だ。しかも、おまえにこそ必要なものだ」

「ボクにこそ……?」

ガイアスは強くなった。

だが、弟はまだ、【大切なことに】気づけていない。

冒険者をみんなでやるなら、きっと見つけることができるはずだ。

「……わかった。冒険者、やるよ。みんなについてく」

「え、結構あっさり承諾したな」

もっとごねると思っていた。

「だって兄さんが最良と判斷したんだろ? ならボクは、あなたを信じるよ」

ふっ……と淡く微笑むガイアス。

「むー、あにうえー! ガイアスとばかりイチャイチャしないでほしーですー!」

「なっ!? へ、変なこと言うなよミカエル!」

後ろで控えていたエリーゼ達が、ミカエルに同調する。

「そ、そうだぁ! ユリウス君はみんなものだー!」

「あんた獨り占めはよくないで弟君?」

「う、ウルサい黙れ!」

とまあ、かくして。

俺たちは海辺の街へ合宿に行くこととなり、そこで冒険者をすることになったのだった。

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