《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》81.邪神、弟たちを勇者と勘違いし敗北

転生勇者ユリウスが、ダンジョンに潛ってから數日後。

とあるダンジョンの奧地にて。

邪神【ポイズンアヌビス】。

顔は犬、は人間。

的に毒々しい紫をした邪悪なる神だ。

アヌビスは地中深くに隠れ潛み、復活の時を狙っていた。

その邪神のもとに、【4人編】の冒険者パーティがやってきたのだ。

『よくぞこの我の居場所を突き止めた、ほめてやろう、下等生ども』

邪神の発する言葉には、魔力が宿る。

通常なら聲を聴くだけで、人間は立っていられなくなるはずだ。

『ほぅ、この邪神を前にして恐怖せぬか。なかなかではないか』

「あいにくと、化けは見慣れてるからね」

冒険者パーティの、金髪の年が、臆することなくアヌビスを見返す。

彼がこのパーティのリーダーであろう。

『この場所を突き止められた以上、生かしてはおけぬ。死ぬが良い、矮小なる存在よ』

アヌビスは両手を広げる。

手のひらにはが開いてあった。

そこから毒ガスが噴出された。

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ぶしゅぅううう……!

『ふっ、下等生ごときに、萬を溶かす【呪毒】は々大人げなかったかな……』

「は? この程度の毒で、何を得意がってるんだよ? 【浄化(ピュリフィケーション)】!」

カッ!

突如として、聖なるが邪神の住処を照らす。

あたりを漂っていた毒ガスが、一瞬にして晴れたではないか。

『なっ!? なにぃいいい!?』

毒ガスは地面をドロドロに溶かしていた。

しかし冒険者パーティたちは、無傷。

「こんなのあにうえが練習用に使った毒と比べたら、赤ちゃんみたいなもんです!」

『バカなっ!? 天使だと!? 人間の分際で、天使を従えるなんて!』

天使の年を中心に、防結界を張っているようだった。

確かに強力な天使の魔法なら、邪神の毒を防げるかもしれない。

だが先程の浄化の魔法、威力が桁外れだった。

『そうかわかったぞ、そこの金髪!』

ビシッ! とアヌビスが金髪年を指さす。

『貴様……【勇者】だな!』

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そうとしか思えなかった。

を溶かすと言える、この最強の邪神の毒を、たかが人間ごときが消せるわけがないのだ。

「みんなアホばっかです。眼科大繁盛です?」

「行くぞ! 兄さんが來るまでに……倒すんだ!」

金髪年、天使、黒髪、エルフの【4人】。

『勇者パーティだな、なるほど、相手にとって不足なし! こちらも全力でいかせてもらおう!』

「なんか哀れです。おまえメガネいるです?」

邪神は手をパンッ! と突き合わせる。

彼の前後左右に、巨大な棺が出現した。

棺桶からは、見上げるほどのミイラが出現。

金髪勇者たちに襲い掛かる。

「ミカエル、結界をエリーゼたちに張れ、サクラは式神の用意!」

天使ミカエルは、エルフエリーゼのそばに移

の結界をる。

一方で黒髪サクラは、懐からお札を取り出す。

「おいでませ、【鵺(ぬえ)】!」

サクラの放ったお札は、空中で変形し、1匹の獣となった。

翼を生えた虎のような化けは、の出した式神。

高速で飛翔した鵺は、ミイラ男の巨大な腕を、爪でたやすく引き裂く。

『なんだと!? われの使い魔は魔族と同程度の強さを持つというのに!』

「鵺(ぬえ)、エサはたっぷりあるで。たんとお食べ」

獣は次から次へと、ミイラ男のに食らいついては、捕食していく。

者だ! 式神使いのを殺せ!』

ミイラ男たちが、いっせいに、黒髪たちに押し寄せる。

手をばすが、の壁に阻まれる。

ボシュゥウウウ……!

『そ、そんな馬鹿な!? 能力【死をいざなう魔手】、れたものを即死させる強力な能力が、たかが結界に阻まれただとぉおお!?』

邪神は天使の結界を見て、目を見開く。

『即死攻撃を防ぐ防結界なんて……通常の天使では無理、ま、まさか熾天使!? 最上級天使を勇者は従えてるというのかぁ!?』

金髪勇者は、雙剣を構え、邪神に近づいてくる。

『召喚魔法で攻撃だ! いでよ、大毒蛇(ヴァイパー)!』

アヌビスの足元に、巨大な魔法陣が出現する。

中から巨大な毒蛇が、無數に湧き出てきた。

『ふはは! Sランクモンスターの大軍を呼び寄せたぞ! 勝ったな!』

「ガイアス君! 準備オッケーだよ!」

「ミカエル、発と同時に結界を解け! サクラは式神に仲間を載せて空中退避! エリーゼ、5秒後に撃て!」

勇者ガイアスの指示に従い、流れるような連攜が行われる。

結界が解けたその一瞬、エリーゼは無防備になる。

だがサクラの式神がそれをカバーしつつ、は魔法を使う。

「【冥府魔道葬(ヘルヘイム・レクイエム)】!」

突如、大量の毒蛇の足元に、闇が広がる。

深淵から無數の、影の手がびてくる。

それらは毒蛇を1匹殘らず捕まえると、影の中に引きずり込んでいった。

『きょ、極大魔法!? 失われし最強最古の闇魔法を! あんな小娘が! し、しかも詠唱時間が短すぎる! ありえないぃい!』

揺するアヌビスをよそに、ガイアスが疾風のごとく薄する。

バッ! と飛び上がり、雙剣を振り上げる。

『バカめ! 邪神のを人間ごときの剣で切れるわけがないだろう! 返り討ちにしてやる!』

アヌビスは猛毒を、ガイアスに直接噴する。

だが金髪勇者の瞳は微塵も揺るがず、2本の剣を振り下ろす。

ズバァアアアアンッ!

『ぬぐわぁああああああ!』

ガイアスの雙剣は、邪神を十字に切り裂いた。

その剣には莫大な魔力と、そして闘気が載っている。

『こ、これはまさか、け、剣聖の奧義【虛空剣】!? 萬を切り裂く破邪の一撃だとぉおお!?』

をバラバラにされ、アヌビスは地面に、橫たわる。

『か、完璧なコンビネーション……個々の強さも恐ろしいほど。なるほど、これが勇者パーティの強さということかぁああ!』

「なんかもうギャグでやってるです、おまえ?」

首だけになっても、邪神は生きている。

だがもう瀕死だ。

『見事だ勇者よ……しかし! この邪神、ただでは死なぬ! こうなったら奧の手だ! ぬぅん!』

突如として、邪神のを、黒い煙が包んだ。

「おー、邪神でっかくなったです」

『ぬはははははは! これぞ命と引き換えに、一度だけ巨大化できる邪神のよぉおおお!』

ボス部屋の天井に頭がつくほどに大きくなったアヌビス。

邪神は両手を下に向けて、毒ガスを噴した。

「! がいあす危ないです! 退避!」

「くっ!」

ガイアスは邪神から離れる。

ミカエルが両手を広げ、先ほどよりもレベルの高い防魔法を使う。

ブシュウウウウウウウウウウウ!!!!

迷宮の堅い壁や床を、瞬時に溶かしていく。

ミカエルの結界も徐々に削られていく。

「くっ! なんて強力なんです!」

「ミカエル! くそっ! 結界を張っているから、こっちからじゃ攻撃できない……ボクが毒のなかを突っ込んで斬る!」

「あほ抜かせ! 死ぬ気か!」

バシッ! とサクラが頬を叩く。

「でも、このままじゃじり貧だ……」

『ぬははは! 絶しろ勇者ぁ! 死ねぇええええい!』

アヌビスが、巨大な腕で、ミカエルの結界を毆り飛ばそうとした、そのときだった。

パシッ!

巨大化した邪神の拳を、黒髪の年が片手でけ止める。

『なっ!? わ、われの一撃をけ止めるだと!? 何者だ貴様!?』

「え、ただの冒険者だけど?」

「ユリウス君!」「良かったぁ……」「あ、これで終わりです。お疲れさまでしたです」

「わるい、トイレ混んでてさ。転移して戻ってくるのに時間かかった」

「め、迷宮は転移が使えないはずなのに……」

呆然とするガイアス。

「え、次元の壁切って転移すればいいんじゃないの?」

「もう訳わかんないよ!」

ユリウスと呼ばれた年は、邪神の腕をひねり、投げ飛ばす。

『ぬぐわぁああああああ!』

どしぃいいいいいいいいん!

「あ、あの巨を軽々と! さすがはユリウスはんやで!」

『くぅ! そんな馬鹿な!? 強化した猛毒のなか、どうして平然としていられる!?』

天使の最高結界すら溶かす毒ガスのなかも、ユリウスはケロッとしている。

「え、これ毒だったの? 2000年前の毒使いなら、星を一瞬で溶かすほどの毒を使ってたし、毒への耐なんて必須だったぞ?」

『そんな人外の魔境が存在するわけないだろぉおおおおお!?』

「邪神がツッコんでるです。2000年前にいなかった邪神ですねきっと」

驚愕するアヌビスに、ゆっくりとユリウスが近づいてくる。

『ひぃいい! 化けぉ! 來るなああ!』

ユリウスは飛び上がり、一瞬で邪神の顔面付近までいくと、拳を振る。

ドゴォオオオオオオオオオオオオオン!

年の一撃は、毒ガスを吹き飛ばし、邪神を吹っ飛ばす。

さらにその余波でダンジョンの分厚い壁をすべて破壊。

それどころか地下に蓋をしていた巨大な山脈すらも、一瞬で消し飛ばす。

そして空を覆っていた分厚い雨雲も、文字通り雲散霧消させ、晴れやかな空を出現させた。

「「「…………」」」

まっさらな青空の下で、ガイアスたちは呆然としている。

「おー、あにうえすげーです! 何の奧義使ったんです?」

「え、ただのパンチだけど?」

仲間たちは、深々とため息をつく。

「あかん、桁が違うわ。すごすぎる」

「わたしたちも、もっともっと強くならないとね!」

「ぼくもあにうえみたいに、強くなるですー!」

一方で、ガイアスは頭を抱えて、こうぶ。

「みんな目を覚まして! このままじゃ全員化けになるからぁああああ!」

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