《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》84.勇者、人魚の街で大歓迎される
魚人を撃退した、數時間後。
俺と同好會(サークル)メンバーたちは、海岸にいた。
「あにうえ、何するです?」
「今日は冒険お休みするって決めてたからな、ちょっと遊びに行こうと思ってよ」
「わーい! あにうえと遊ぶですー!」
義弟で天使なミカエルが、俺の腰にしがみつく。
「で? どこで遊ぶのさ、兄さん」
「おう、ちょっと深海にな」
「「「は……?」」」
仲間達が、ぽかんとした表になる。
「この深海に人魚(セイレーン)の街があってさ、そこにちょろっと遊び行こうかなって」
「「「いやいやいや! ちょっと待って!」」」
「そんじゃいくぞ」
「「「待てってば!」」」
俺は転移魔法を発させる。
サークルメンバー達と、瞬時に海底へとやってきた。
「うわぁあああ! し、死ぬ……って、あれ? 生きてる……なんで?」
「え、結界張ってあるからだぞ?」
全員にはあらかじめ、深海でも活できるように、結界を張ってあった。
「あはは! すげー! 海のなかに街があるですー!」
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俺たちがいるのは、人魚の街の外だ。
珊瑚礁でできた外壁の前にいる。
「深海でも普通に息できるとか……ほんま、すごい結界やわ。さすがユリウスはん」
「けど確か転移魔法って、一度來たことのある場所しかいけないんだよね? ユリウス君、いつの間にここに?」
「ちょっと今朝、散歩していたらみっけた」
そのときだった。
「ユリウス様ーーーーーー!」
街のなかから、しい人魚のがやってきた。
前回俺が運んできた人魚である。
「お待ちしておりました!」
「おうよ、遊びに來たぜ。俺の仲間達だ」
年は俺たちと同年代くらい。
長くウェーブのかかったピンクの髪。
満なバストを、貝殻のブラジャーで隠している。
上半は人間だが、下半は翡翠の鱗を持った魚類だ。
人魚は弟たちを見やり、ペコッと頭を下げる。
「はじめまして! 私は【フィオ】! 海神【トリトン】の娘です!」
「「「はぁあああああああ!?」」」
仲間達が、フィオを見て目をむく。
「え、どうしたのおまえら?」
「に、兄さん……海神って知らないの?」
「え、さっぱり」
「さ、さすがに【六護神】は知ってるやんな?」
「知らん」
弟がため息をつきながら、解説する。
「2000年前。兄さ……勇者神ユージーンが消えた後、この星の秩序を守るために、天上神たちが遣わした6柱の守護神のことだよ」
なるほど、勇者(おれ)がいなくなったあとに、配備された【地上神】だったのか。
神族には二種類いる。
【天上神】。
こいつらはいわゆる【神】であり、人間世界に基本、直接干渉しない。また人間の攻撃もあたらない。
【地上神】。
なんらかの理由があって天上ではなく俺たちのいる地上に存在する神のこと。元々人間だったり、神が降格されてやってくる場合もある。魔神や邪神はこいつらだな。
「フィオ、おまえ守護神の娘だったのか」
「そのとおりですっ、勇者様♡」
フィオは俺の腕にしがみついて、むぎゅーっと抱きしめる。
「あにうえにまた新しいがっ!」
「おい! ボクの兄さんから離れろよ!」「「そうだそうだー!」」
仲間達が、なぜか怒っていた。
「では勇者様♡ それにお連れの方々も、こちらになります。父が待っております!」
ぐいぐい、とフィオが俺の腕を引いて、街へと案する。
「いこうぜ、みんな」
「「「…………」」」
「え、なんで怒ってるの?」
「「「怒ってない!」」」
なぜか不機嫌な仲間達を引き連れて、俺は人魚の街へとる。
海中ということもあり、そこかしこに鮮やかな魚介類たちがいる。
珊瑚でできたしい町並みに、仲間達は嘆息を付く。
「あ! 勇者様だ!」
「ほんとだ! 我らの救世主がいらしたぞぉ!」
建のなかから、たくさんの人魚たちが出てきた。
あっという間に、俺たちは彼等に囲まれてしまう。
「「「勇者様ぁあああ!!!!」」」
ワァアアアアアアアアアア……!
「な、なんやこの歓迎っぷり……?」
「兄さんがまた何かしたんでしょ……」
「「「ああ……」」」
諦念にもにた表を、仲間達が浮かべる。
「魚人どもから街を救ってくださりありがとうございます!」
「あなた様に救われたこと、子々孫々までお伝えいたします!」
「勇者様ばんざーい!」
「「「ばんざーい!!!!!」」」
ワァアアアアアアアアアア…………!
人魚達の群れに取り囲まれ、俺たちはきができない。
「皆様、通してください。勇者さまたちは、我が父トリトンへの謁見が控えているのです」
フィオの言葉に従い、人魚達が離れる。
「さっ♡ 參りましょう♡」
彼はまた俺の腕を摑んで、ぐいぐいと引っ張る。
「……どきなよ」
ぐいっ、とガイアスがフィオと俺を離す。
「どうしてどかなければいけないのでしょう? もしや勇者様の婚約者ですか?」
「バッ……! ばかぁ! そんなわけないだろ! ボクはこの人の弟だよ!」
「でしたら、私と勇者様の邪魔をしないでくださいますか?」
「いいや、それはできへん相談やなっ!」
サクラやエリーゼ、そしてミカエルが、俺の腕やら腰やらにしがみつく。
「ユリウスはんは、うちらのもんや!」
「そ、そうだぁ! ライバルはもうノーサンキューだよ!」
「あにうえハーレムは序列制です! るなら【(にゅう)ハーレム】手続きしやがれです!」
よくわからないが、何かもめ事になっているようだ。
「みんな、落ち著いて。町中だし、騒ぎ起こさないようにな」
「「「はーい……」」」
みんなが俺から離れる。
だが、ガイアスだけが殘った。
キュッ……。
「ん? どうした弟よ、手なんて繋いで」
「そ、その……予防! ほ、ほっとくとまた別のを無自覚に捕まえそうだから」
よくわからんが、まあ別に兄弟で手を繋ぐのなんて普通だしな。
俺たちは人魚姫フィオに連れられ、海神のいるお城までやってきた。
「おお! あにうえ街もキレーだったけど、お城もめっちゃキレーですねぇ!」
長い廊下を渡り、俺たちは城の奧、謁見の間までやってきた。
「お父様、勇者様をお連れしました」
「おお、勇者よ。よくぞ參られた」
部屋の奧に座っていたのは、巨大な男の人魚だった。
「でけー! あにうえ、巨人です? バトルするです?」
「ここの海を守ってる神様だ、失禮のないようにな」
海神トリトンの前へと、俺たちはやってくる。
トリトンは玉座からたちあがると、俺の前で跪き、頭を垂れる。
「……お初にお目にかかる、【勇者神】よ」
聲を潛めて、俺にだけで聞こえる調子で言う。
「え、なんで知ってるのおまえ?」
「その清澄なる生命の輝き、尋常ならざる強さを見れば明らかでございます」
うーん、まあ特に隠してるつもりはないんだが、バレてしまったようだ。
「六護神がユリウスはんに、へりくだっとる!」
「す、すごい……ユリウス君、神様にも一目置かれてるなんて!」
仰天するふたり。
一方でガイアスとミカエルは、普通にしていた。
「いちおう、この世界ではユリウスってことになってる。おまえもそういう対応にしてくれ」
「……あい、わかりました。ユリウス殿」
トリトンは居住まいを正し、また深々と頭を下げる。
「ユリウス殿、このたびは未曾有の危機を救ってくださり、誠に謝申し上げる」
「え、俺何かしたっけ?」
特に何かしたつもりはなかった。
「あなた様は悪しき魚人たちからこの街をお救いになられたではありませぬか?」
「あー……あったねそれ」
「「「いやいつだよ!?」」」
「え、今朝」
「「「今朝ぁ!?」」」
仲間達が目をむいてぶ。
「ちょっと朝の散歩のついでにさ」
「か、片手間に未曾有の危機を救うなんて……ほんま、凄いお人や」
「さっすがあにうえー!」
わぁわぁ、と仲間達が歓聲を上げる。
「兄さん……何かやらかしたら、ちゃんと報告しろよな。朝ベッドにいなかったから心配したよ……」
「すまんすまん、次から気をつけるよ」
俺は弟の頭をぽんぽんとでるのだった。
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