《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》85.勇者、古代兵も余裕で倒す

人魚(セイレーン)の街に遊びに來た。

翌朝。

俺は海神トリトンとともに、街の外にやってきた。

「で、俺に用事ってなんだ? 何すりゃ良い?」

トリトンは海底にある、【それ】を指さす。

「海底の……神殿? 跡か何か?」

見上げるそこには、石でできた建造があった。

巨大なトリトンよりも、さらに大きい。

あちこちに苔が生えており年代をじさせる。

「いいえ、あれは跡ではありませぬ。【古代兵】でございます」

「へー古代兵。これが?」

「さよう。【古代獣(ヴェスティア)】と申す、巨大兵でございます」

「ヴェスティア……ふーん。これってウミガメ?」

「その通りでございます。こやつは【海獣ケロニオイデア】……この世界に住まう古代生の1つです」

「なんでこんながあるんだ……?」

トリトンが険しい表で説明する。

「勇者神が亡き後、再び世界に混を招いては困ると、賢者サリー様がお作りなられたのです」

サリーとは、勇者ユージーンの師匠の1人だ。

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「彼の作った魔法道のひとつってことか。けど、なんで困ってるんだ?」

「魔王のような邪悪が再び暴れたら困ると、お作りなられた兵だったのですが、あるときを境に暴走したのです」

「暴走? なんで?」

「それが2000年経った今も不明なのです。暴走した6の古代獣(ヴェスティア)を止めるべく、派遣されたのが我ら【六護神】なのです」

最初から六護神がいたわけじゃなかったんだな。

「でも見たところ、この古代獣はいてないじゃないか。なら問題ないだろ?」

「……いえ。見張りの報告に寄りますと、3ヶ月前より、しずつですが活を再開しているようなのです」

ゴゴゴゴッ……と、海獣が揺れく。

だがすぐにきは止まる。

「封印はこの通り解けかけています。このまま復活すれば、暴走したこの兵によって、海に住む民を絶やしにするでしょう」

「狀況は把握した。俺はどうすりゃいい?」

「古代獣のに侵し、制裝置を……」

と、そのときだった。

ゴゴッ……!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!

「う、き出したっ!? そんな! 封印は解いていないはず!?」

跡が徐々に、砂の下から浮上してくる。

ウミガメの形をした、超巨大な古代兵が、姿を現す。

【GYOOOOOOOOOO!!!!!】

この海全を震わせるほどの、巨大な鳴き聲。

砂塵をまき散らしながら、海獣は起した。

「ユリウス殿! こうなったら一刻の猶予もありませぬ! すみやかにって制裝置を……」

「おう、わかってる」

俺は右手に、魔剣ヴェノムザードを出現させる。

「あれをぶっ壊せば良いんだな?」

「はっ!? ちょっ! 何をバカなことを! あんな巨大なものを、壊せるわけがありませぬ!」

【GYAOOOOOOOOOOOO!】

海獣が俺に向かって、突進してくる。

海のなかだというのに、かなりの速さだ。

「いかん! ユリウス殿! 危なぁあああああい!」

敵の巨が、俺をひき殺そうとした、そのときだ。

ピタッ……!

俺は片手で、海獣の鼻先をけ止めていた。

「なんと!? この巨をこうも容易くけ止めるとは!」

「よいしょっと」

鼻先を摑み、俺は海底をめがけて投げ飛ばす。

ずどぉおおおおおおお…………ん!!

鈍い音を立てて、海獣は海底に倒れた。

【GYAOOOOOOOOOO!】

海獣の甲羅の部分に、無數のが空く。

そこから數え切れないほどの、ミサイルが発された。

「なんて數だ!? ユリウス殿! 退避なされよ!」

四方八方からのミサイルの雨に対して、俺は一歩もかない。

右手に持った魔剣を軽く振る。

パリィイイイイイイイイイイイン!

攻撃反(パリィ)によって、ミサイルはすべて弾かれて、海獣へとすっ飛んでいく。

ドガガガガガガガガガッ!

海獣ののあちこちで、発が起きる。

だが見たことろ、欠損ダメージはないようだった。

「さすが亀。結構頑丈じゃないか」

「海獣ケロニオイデアの甲羅は世界で最もいと言われています。何人たりともその甲羅に傷をつけることはできぬと、サリー様の殘した文書に書いてあります」

海獣は首をばすと、大きく口を開ける。

ゴォオオオオオオオオオオオオ!

どうやら水を飲み込んでいるようだ。

ヤツの口に向かって、水が激しく吸い込まれていく。

離れた位置にいるトリトンは、吸い込まれそうになっている。

だが手に持っている銛を深く突き刺し、なんとか耐えていた。

「これは好機ですぞ! ユリウス殿、ヤツのに侵し、制裝置を……って、ユリウス殿!?」

俺はその場から微だにしない。

「ばかなっ!? なぜこの激しい水流のなか平然と!?」

「え、踏ん張ってるからだけど?」

「そんな! 足場のない水中でそんなことができるわけがないのに!」

「風魔法で空気の足場を作り、そこに立っているだけだ……これくらいで何驚いているんだ?」

愕然とした表で、トリトンが俺を見上げる。

「なんてことだ……酸素が全く存在しない深海で……足場になるほどの空気を作り出すなど……規格外すぎる!」

「そろそろ終わらせるか」

俺は手に持っている魔剣を振りかぶる。

「ユリウス殿! 無茶だ! 相手の甲羅は絶対壊れぬ防力を……」

「ていっ」

魔剣を斜めに振るう。

ズバァアアアアアアアアアアアアン!

斬撃は水中を走り、海獣の甲羅を一刀両斷する。

敵はを真っ二つにされて、かなくなった。

「…………」

トリトンは魂が抜け落ちた表で、その場に餅をついてる。

「これでいい?」

「い、今のは……いったい……?」

「え、ただ剣を振っただけだけど?」

「いや、いやいやいや! 剣を振るっただけであの巨が消し飛ぶのはおかしい!」

そのときだった。

【ふははは! よくぞこの古代兵を倒した! しかーし! 本の制裝置に憑依していたこの我が】

「てい」

ズバアァアアアアアアアアアアン!

俺はさっきと同じように、剣を振るう。

海獣の甲羅と、あとなんか黒いもやのようなものが、まとめて消し飛んだ。

「ほら、剣振っただけでできただろ?」

「いや! まぁ……え!? いやいや! 今! 何かいなかったか!? なんか黒幕的なものがおったぞ!」

「え、そんなのいたか?」

愕然とした表で、跡形もなくなった海獣。

そして、俺を見やる。

見事でございます! 勇者神ユージーン殿!」

トリトンは涙にむせながら、俺の腕を摑む。

「ありがとう! ありがとうございます! あなた様はまさに、2000年後の世に降り立った真の救世主様にございます!」

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