《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》115.勇者、みんなと夕飯を食べる
対校戦の初日を終えて、俺たちは宿に泊まることになった。
夕方。
俺たちは宿の食堂にやってきた。
「おー! 食事たくさんです! バイキングってやつです? わーい!」
「すごいねミカちゃん! よりどりみどりだよ!」
「いこっ、えりちゃんゴーゴー!」
だーっ、と義弟とエリーゼが、料理の方へ走っていく。
テーブルには大皿がのっており、麺類やスープなど、とりどりの料理が並んでいた。
「まったく、子供なんだから……」
「俺たちも適當に取って座ろうぜ」
お盆を手に取って、列に並ぶ。
好きな料理をお皿に盛って、テーブルへ。
「兄さん、どこに座る? 席は自由みたいだけど」
「そうだなー……お、あそこにしようぜ」
「って、え? ちょっと兄さん!」
テーブルには大男が座っていて、山盛りのどんぶりを食べていた。
「味い! 味い!」
「よ、カズマ。隣良いか?」
「うむ! ユリウス君! どうぞ座ってくれ!」
「そんじゃ失禮してっと」
円形テーブルには、カズマだけが座っていた。
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「他の連中は?」
「うむ! いるぞ! 今ちょうど列に並んでいるところだな!」
テーブルの上には、カラになったどんぶりが山積していた。
「よく食うなぁおまえ」
「腹が減っては戦はできぬからな!」
「へー、お前の世界のことわざか?」
「うむ! よくわかったな! さすがユリウス君だ!」
俺もまた彼と並んで食事を取る。
ガツガツ、と米をかき込む。
「うむ! 良い食べっぷりだ! だが負けないぞ!」
カズマがペースアップする。
「やるじゃないか、俺も負けるか」
俺もまたガツガツとどんぶりご飯を食べる。
「ちょっと兄さん! だからなんで敵と仲良くするんだよ!」
背後には弟が、お盆を片手に持っている。
「いいじゃねえか。競い合う仲間、戦友だろ?」
「ユリウス君の言うとおりだぞガイアス君! ここは戦場ではない! ならば我らがいがみ合う必要は無い!」
「いやまぁ……そうだけどさ」
俺はカズマを見やる。
「おまえほんと悪いやつじゃなさそうだな。気にったよ」
「おれも君のような強く気高い男は好きだぞ!」
ガシッ、と俺たちは肩を組む。
「…………」
ガイアスは俺の隣に座って、ぐいっ、と肩を引っ張る。
「どうした?」
「別に。頬に米粒がついてたからとってあげようってだけ! ほらくなよ!」
「おう、悪いな」
弟がハンカチで俺の頬を拭く。
「ユリウス君! こっちの頬にも米粒がついてるぞ! おれが取ろう!」
「お、サンキュー」
左頬の米粒を取ると、カズマはそのまま食べた。
「ちょっとあんた! なにしてるんだよ!?」
「む! なにか問題でもあるかいガイアス君!」
弟は立ち上がり、顔を真っ赤にしてカズマを指さす。
「た、た、食べる必要がどこにあったんだよ!」
「しかし米粒がもったいないではないか! 殘したら農家さん悪いじゃないか!」
「いやそうかもしれないけど……」
「おまえなに怒ってるんだ、弟よ?」
むすっ、とした顔になるとガイアスが座って黙々と食事をし出す。
「腐腐腐……♡ 腐腐腐……♡ 三角関係……素晴らしいですね……♡」
いつの間にか、正面にダンタリオンが座っていた。
「おう、ダンタリオン。よければ一緒に食事しないか?」
「ありがとうございます……腐腐腐♡」
ダンタリオンの前には、茶碗に白米しかなかった。
「おまえそれで足りるの? おかずは?」
「今……目の前に……ありますので……腐腐腐……♡ ご心配なく……つづけて……どうぞ……♡」
そこへ、サクラたちがやってくる。
「あんたらなに男同士でラブコメしとるん?」
「あー! ずるーい! あにうえが他の男とイチャついてるー!」
王立のメンバーが、料理を持ってやってきた。
「カズマせんぱいなにしてるんすか? 敵チームと一緒に食事なんて」
神聖皇國のメンバーを連れて、アルトが俺たちのとこへ來た。
「うむ! 友を深めているのだ! 皆も座ろう!」
「まあ、別に良いっすけど……」
王立と神聖皇國のメンバー達で、同じテーブルを囲む。
「がいあす修羅場ってるです?」
「してない! 変なこと言うなばかミカ!」
「へー、あんたも極東出なん? 奇遇やね。うちサクラ」
「うん! アタイは【黒姫 ツカサ】ってんだ! よろしくな姉ちゃん!」
それぞれが食事を取っていた、そのときだった。
「はいはいみなさぁん、聞いてくださぁい」
ぱんぱん、と理事長が手をたたく。
「明日以降の予定と大會のルールについて話しますよぉ。対校戦のメンバーは注目してくださぁい」
白スーツを著たうさんくさい男、ルシフェル理事長が、部屋の中央で言う。
「まず対校戦の基本的なルールから説明しますよぉ」
①複數の種目を、數日間かけて行う。
②1つの種目には、全學園の生徒が參加する。ただし參加人數は種目ごとに異なる。
③種目ごとに順位をつけ、順位に応じてポイントが割り振られている。
1位:+2ポイント
2位:+1ポイント
3位:-1ポイント
4位:-2ポイント
④全ての種目が終わり、ポイントの合計が一番高い學園が優勝。聖杯を手にする。
「ううー……あにうえー……説明が長いですー……難しいよぉ~……」
「1種目勝つだけじゃ優勝しない。なるべく多くの種目で勝った學園が優勝ってことだ」
「おー! 舊兄上よりわかりやすい説明! さすがあにうえ! 舊はお払い箱です!」
「軽くディスられとるで理事長、なんやかわいそうやな」
だが當の本人はどこと吹く風、説明を続ける。
「大會に際して則事項がいくつかありまぁす」
①選手による選手の殺害は厳。その時點で大會敗退とみなす。
②不正発覚は大會敗退とみなす。
③選手の出場を強制した場合は厳罰。-100ポイントとする。
④何人たりとも選手以外の人間による妨害・殺害行為を止とする。発覚した場合はその學園を敗退と見なす。
⑤そのほか①~④以外にも公序良俗に反する行為が発覚した場合は、その都度ペナルティを科す。
「以上でぇす」
「「「「…………」」」」
「おやぁ? みなさんどうしましたぁ? そんな意外そうな顔をして」
「はいはい! 舊兄上」
「なんです、ミカエル君」
義弟が立ち上がって、理事長に言う。
「何か企んでそうないかにもな悪人面しておいて、なんだか大會のルールがクリーンすぎるです? 逆にあやしいです」
「こ、こらミカ! 失禮だろ!」
ぐいっ、とガイアスが義弟を座らせる。
「がいあすは変だって思わなかったです? 絶対舊兄上は何か企んでるです。ルール多すぎて、これじゃあ干渉できないです?」
「ま、まあ……それはボクも若干思ったけど……」
ルシフェルはニヤァ……と笑って言う。
「開會式の時にも言いましたが、他國との戦爭ではなく、対校戦は學園行事の1つです」
俺たちを見渡していう。
「皆さんが學園を卒業し、社會に出て辛いとき心を支えてくれるのは、學生時代の楽しかった思い出や友人達です」
ルシフェルが悪魔のような笑みを浮かべる。
「今回の対校戦が、君たちにとってかけがえのない財産の1つになってくれるよう、ワタシは心から願っているのですよ」
みんな戸っている。
「そない極悪人みたいな顔で、教育者みたいなきれい事いわれてもびっくりするっちゅーねん」
「失禮なぁ、ワタシはっからの教育者ですよ」
ジッ……とルシフェルが、俺、ではなく、ガイアスを見やる。
「まだ未な【生徒】を教え、育てるのが……ワタシの使命ですから」
にぃ、と悪魔のように口の端をつり上げて、ルシフェルが言う。
「ま、説明は以上になりまぁす。今日はしっかり食べて、たっぷり寢て、明日の競技に備えてくださいねぇ」
そう言って、ルシフェルは食堂を出て行く。
「だってさ、弟よ。心配すんな」
俺はガイアスの頭をなでる。
「理由はどうあれ、今回の大會は、學生行事の一環だ。そこまで肩肘張る必要は無い」
「うん……」
「心配な気持ちはわかるが、カズマたちはライバルでもあるし、競い合う友達でもあるんだ。みんなで仲良く闘おうぜ?」
ガイアスは目を閉じて、こくりとうなずく。
「ねえ、カズマ……さん」
ガイアスが真っ直ぐにみて言う。
「カズマでいいぞ!」
「……じゃあ、カズマ」
すっ、と手をばす。
「さっきは……その、敵とか言ってごめん」
「うむ! 気にするなガイアス君! 集団をまとめるリーダーなのだ、慎重になるのは當然だ! おれは君のそういう真面目なところが好きだな!」
ニッと笑ってカズマと弟が握手する。
「明日からの試合、正々堂々と、楽しもうじゃないか!」
「うん、こちらこそよろしく」
うんうん、またガイアスが友達を増やしてくれたようで、俺は嬉しいぜ。
「うふふふ……♡ 相思相の三角関係……♡ 3人プレイ……ありですね……♡」
「もうほんと臺無しだよ! もう!」
かくして、1日目終了。
明日から競技が本格的に始まるのだった。
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