《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》128.勇者、カズマと戦う

対校戦2日目、午後の部最終試合【フェンシング】。

俺は神聖皇國の主將(キャプテン)、カズマと一騎打ちをすることになった。

帝國闘技場のグラウンドには、石でできたバトルフィールドが設置されている。

四方には柱が立っており、俺たちが中にると、が四方を囲む。

「結界か」

『ご明察、さすがユリウスくんですねぇ。そのフィールドには超強力な結界(バリア)を張らせてもらいましたぁ』

「なかなかの強度だな。部を別次元化させることで、外へのダメージをそもそも無かったことにする仕組みだな」

『そこまで見抜いているとはぁ、やはりユリウスくんは素晴らしいですねぇ~』

理事長が嬉しそうに言う。

一方で、アンチが首をかしげる。

「き、君の言ってることまるで理解できないのだが、僕が間違っているのかな……?」

次の対戦相手であるアンチは、結界の外、すぐ近くで観戦するようだ。

「うむ! おれもよくわからない! が、全力で戦っていいのだなっ!」

Advertisement

カズマが爽やかな笑みを浮かべる。

「おう。おまえの【とっておき】も出していいんだぜ?」

転生者の集まりである、神聖皇國の選手達。

彼らはみな特別な力を持っている。

そのなかでもカズマは別格で、なんと2つのチート能力を持っているのだ。

「それはできない! すまないな!」

「なるほど、使用権限を與えられてないんだな。殘念だ」

俺たちはフィールドの中央に立つ。

「本當の全力が出せずすまない! だが、今のおれが使える全力で、君に挑ませてもらう! 正々堂々、真正面からな!」

「おう、け止めてやるぜ、おまえの全力」

ガシッ、と俺たちは手をつなぐ。

「腐腐腐……♡ なんて熱い友……♡ ユリウス様けも……よきものです♡」

「だ、ダンタリオンくん! いつの間に……」

アンチのとなりに、東部連邦の主將がいつの間にかいた。

「二人の熱いセ……熱いバトルを間近で見ようかなと♡」

「君なんか変なこと言いかけてなかった!?」

俺たちは手を離すと、し間を開けて相対する。

Advertisement

『フェンシングはこちらの用意した細剣(レイピア)を使ってもらいまぁす。相手に5撃與えた方が勝ちですねぇ』

「自分の獲が使えないんじゃ、不利じゃないか?」

カズマは野太刀を使うからな。

「気にするな! おれは剣の形をしていれば何でも大丈夫だ!」

「そうか。そんじゃ……いくか」

俺たちは事前に渡されいてた細剣を手に、構える。

『それではぁ……はじめ!』

俺たちは理事長が【め】と言い終わる瞬間に、中央で剣をぶつけ合っていた。

ガキィイイイイイイイイン!

「うひぃいいいいい! 超人バトルがはじまったぁああああああああ!」

剣同士がぶつかった衝撃波が、四方八方に広がる。

バリィイイイイイイン!

「えぇええええ!? 絶対壊れないバリアが壊れてるよ!? どうなっているのこれぇ!?」

「お二人の放つ、圧倒的なパワーがぶつかり合って、その衝撃に結界がもたなかったのでしょう。さすが……ユリウス様♡」

カズマが剣を振り上げる。

「ぬぅうんん!」

炎を纏わせ、カズマが振り下ろす。

俺は同じ斬撃を當てることで、衝撃を打ち消す。

衝撃で石造りのステージに、隕石が落ちたような窪地ができる。

「うぎゃああああ! 死ぬって! ユリウス死んじゃうってぇえ!」

「いいえ……平気です。あの程度じゃあの方はやられません」

俺はカズマの剣をけ止めていた。

そのまま弾き返す。

パリィイイイイイイイン!

上空へと吹っ飛んでいくカズマ。

俺は地面を蹴って、彼の後を追う。

「やるな、ユリウスくん!」

ボッ……! とカズマが背中から炎を出し、その推進力で空中で勢を整える。

凄まじい勢いでこちらに突っ込んでくるが、それを剎那で見切ってかわす。

がら空きの背中に、俺は一撃をたたき込む。

ズドオォオオオオオオオオオオオン!

「なに!? 何が起きたのかね!? 飛んだと思ったら次の瞬間落ちてきた!? もう何が起きてるのか見えないよぉおお!」

『ユリウス選手1點。のこり4點』

カズマがクレーターの中で立っている。

「素晴らしい視力だ! 見事だぞ!」

「おまえもやるな。結構強めに打ち込んだのに、ノーダメージか」

俺は空中からカズマを見下ろす。

彼はピンピンしていた。

「では……參る!」

ゴォオッ! とカズマから激しく炎が吹き荒れる。

それは地面をドロドロに溶かす。

「【凰天翔】!」

カズマは炎を吹き出し、その推進力で上空の俺へと突進してくる。

剎那……いや、時間という概念を超越した、神速の刺突。

正面でけるのは危険だ。

俺は相手の直線攻撃をバク宙で避ける。

そのままカズマは飛んでいき、見えなくなった。

「ひぃいいいい! 月が! 月が消えてるぅううううううう!」

よく晴れていたので、空に月が浮かんでいるのが見えた。

カズマが技を繰り出した瞬間、まるごと燃え盡きたのだ。

「空気のない宇宙空間でも炎を出せるとは、やるじゃあねえか」

「ちょっと!? 何心してるのかね!? 月がなくなったらの満ち引きとかやばいことになるのだよ!?」

「え、問題ないぞ。もう治したし。ほら」

無から有を作り出すことくらい、俺には容易いことだ。

消し飛んだ月をまるっと元通りにする。

「そんなお手軽に月を消したり作ったりするなんて! 神様か何かかねきみたちぃいいいい!?」

「え、普通の生徒だけど?」

「君たちに普通は異常だってことそろそろ気づき給えよぉおおおお!」

そうこうしてると、カズマが宇宙からこちらめがけて超スピードで落下してくる。

「そりゃまずいな」

俺は観客をその場からいったん、別次元へと転移させる。

「【不死鳥天槌】!」

もはや知覚できるレベルじゃない、超高速落下からの突き。

自らが隕石となって落下してくるカズマめがけて、俺は剣を振るう。

ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!

衝撃波は超高エネルギーの熱波となって、周囲に拡散する。

闘技場のステージはおろか、建まるごと。

そして帝都の街を熱波は飲み込み、すべてを灰に帰す。

帝都だけでなく周辺の草原はすべて荒野へと変わり、隣接する海を広範囲で干上がらせた。

「これを真正面からけ止めるとは……!」

カズマの奧義を、俺は剣でけ止めている。

俺は剣をそのまま振る。

パリィイイイイイイイイイイイイイン!

カズマが上空へと弾き返される。

そのすきに、俺は創生の力を使って、消し飛んだ全てを一瞬で治した。

別次元から、人間達を連れてきて、元の場所へと転移させる。

「…………」

ぺたん、とアンチが餅をついて震えている。

「え? どうした?」

「君……今、すごいことしなかったか……?」

「そう? 普通じゃん?」

「いやいやいや! カズマが帝國を消滅させたと思ったら、次の瞬間君が消し飛んだものを全て元通りにしたじゃないか!? どっちもおかしいよ!」

「別次元に転移しても……わたくしたちはその様子を違う次元から観測していました。やはり……素晴らしいです、ユリウス様♡」

観客たちはあまりに信じられない景に、今何がなにが起きたのか、ただしく認識していない。

そのなかで、アンチはしっかりと事象を観測していた。

「結構タフな神もってるんじゃんか。さて……と」

俺は上空のカズマを見やる。

「今ので4點だ。もうあとがないぜ?」

『ユリウス選手、攻撃反(パリィ)で1撃、その後吹き飛ぶカズマ選手に追撃で連撃を喰らわせて、4點』

「うむ! しかしユリウスくんも、いい點數もらってるぞ!」

『不死鳥天槌でのダメージはないのですが、余波で吹き飛んだ小石でを切っていますねぇ。こちらも4點にカウントしまぁす』

小石を全部避けきるのはさすがに難しかったか。

「飛んでくる小石14268335469個までは避けたんだけどなぁ」

「デタラメで言ってるんだよ!? そうだよね!?」

俺は空中のカズマを見やる。

「すまない、ユリウスくん! 君にまともにダメージを與えてないのに、同じ點數なのが申し訳ない!」

「気にすんな。ルールだからな」

ニッ……! と俺たちは笑い合う。

「ユリウスくん、君は本當に見事な剣士だ! 転生者と全力でぶつかって、ここまで無事でいられたのは君が初めてだ!」

「そりゃどうも。俺もここまですげえ強いやつは久々に見たぜ」

「正直2つの奧義を使って、おれは立っているのもやっとだ。だから……持てる力全てをこの一撃に込める……!」

バッ……! とカズマが剣を、太に向ける。

上空から、がカズマに降り注ぐ。

は剣先に集中し、どんどんと膨れ上がっていく。

「なんだね!? 何をする気なのかね!?」

「え、超小型の太を作り出そうとしているんだろ?」

アンチが、ぽかーん……とした表になる。

「な、なんだって……?」

「だから、太のエネルギーを集めて、剣先に超小型の太を生してるんだよ」

「もう……わけわかんないよぉおお! え、そんなの無事で済むのかい!?」

「大丈夫だ、おまえらは俺が守る」

俺はアンチたちを再び別次元へと転移させる。

帝國……いや、大陸に住まう人全員を、この世界から一時的に、別の次元へと避難させる。

「その力は使えないんじゃなかったのか?」

「ああ! でも、君に勝つために、おれが無理矢理使えるようにした!」

「ははっ、規格外なヤツだな、おまえ」

「君ほどではないよ! では……參る!」

した超小型の太を、カズマが振り上げる。

俺はレイピアを手に、刺突の構えをとる。

「【超新星(ハイパー・ノヴァ)】!」

「【崩壊剣(アルティマ・ソード)】!」

全てを焼き盡くす、破壊の炎。

全てを消し飛ばす、破壊の

超高エネルギーをめた斬撃が、俺とカズマの間でぶつかり合う。

その瞬間、文字通りすべてが消し飛んだ。

帝國や王國、周辺國家の建だけでない。

俺たちのいる大陸まるごとが、ぶつかり合ったエネルギーの余波によって消し飛ぶ。

6つの國を有するこの大地が、破壊のエネルギーによって、すべて失われる。

大地を、空を、海を文字通り消し飛ばし、あとには何もなくなる。

「ふぅ……」

俺は創生の力を使って、消し飛んだ全てを元通りにする。

転移の力を使って、別次元に移させたこの大陸に住まう命全部を、元の場所へと返した。

「「「…………」」」

あとには、靜寂だけがただよう。

グラウンドでは、カズマが大の字になって倒れていた。

に汗をかいて、荒い呼吸を繰り返している。

「おれの負けだ!」

『勝者、ユリウス選手!』

理事長が勝利をコールしても、誰も言葉を発せていなかった。

俺はカズマの元へ行く。

「ナイスファイト」

「ありがとう!」

俺はカズマの腕を引いて、よいしょと立ち上がらせる。

「完敗だ! 見事な一撃だった!」

立っている力すら殘っていないみたいなので、俺は彼のを支えて歩く。

「さすがユリウスくん! 素晴らしい試合だった!」

「俺も楽しかったぜ。またやろうな」

「うむ!」

俺はカズマとともに、フィールドを出る。

そこで、ようやくアンチがハッ……! と正気に戻る。

「ギブアップ! ギブアップ! ぎぶあああああああっぷ!」

『ということで王立が1位、帝國が2位。神聖皇國3位で、東部連邦4位。以上で五種競技終了でぇす』

【※読者の皆様へ お願いがあります】

「面白い!」

「続きが気になる!」

「更新頑張れ!」

と思ったら、

下の【☆☆☆☆☆】から作品への応援おねがいいたします!

面白かったら星5つ、

つまらなかったら星1つ、素直にじた気持ちで全然かまいません!!!!!!!!

なにとぞ、よろしくお願いします!

    人が読んでいる<【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください