《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》156.化け

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転生勇者ユリウスの弟……ガイアス。

対抗戦、最終試合。

ガイアスは神聖皇國の主將カズマとの一騎打ちに挑んでいた。

「ぜぇ……! はぁ……! はぁ……!」

ガイアスは霊裝を使って、カズマに大ダメージを與えた。

土煙がフィールドを覆い盡くす。

「はぁ……はぁ……や、やったか……?」

『マスター! 回避を!』

ガイアスは自分の剣、無雙セイバーからの忠告をけ、回避行を取っていた。

彼の髪のがパラ……と舞う。

そして背後の固い結界がざっくりと切り裂かれる。

ぼっ……!

……やっと音が、後からやってきた。

ガイアスの眼では、敵が何をしてきたのか追えていなかった。

さぁ……とガイアスのの気が引く。

もしもセイバーがいなかったら、今頃真っ二つだった。

「頑丈な結界を……一撃で引き裂くなんて……」

客席に張られた結界は、縦に一閃されている。

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ドロドロと……まるで高熱の刃で切り裂かれたような痕ができていた。

ガイアスは敵……カズマを見やる。

「霊裝……!」

そこにいたのは、霊裝をまとったカズマの姿。

真っ赤な外套にを包み、髪のすらも灼熱に染まっている。

見た目だけじゃない。

彼は立っているだけで、空気を焦がすほどの熱を発していた。

『太神をにまとうことで、超高熱をにつけたようです。近づくこともままならないうえに、攻撃にバフがかかります』

カズマの持つ野太刀が青く煌めいている。

あれは超高熱を超えたことによって、刃がプラズマとなっているのだ。

「絶対切斷の、プラズマの刃に……不可侵の炎熱結界か……化けめ!」

兄ユリウスにはおよばずとも、遠くない位置に居る化け

それがこの、転生者カズマという男だ。

「……見事な、一撃だった」

カズマはようやく口を開く。

だがいつもの明るさは鳴りをひそめていた。

その表には悔恨が浮かんでいる。

「……本當に素晴らしい一撃だった。できれば長く、君と打ち合いたい。できれば、正々堂々と、気兼ねなく、君と刃をえたかった」

カズマがガイアスをにらみつける。

ずん……とに鉛をまとったような重さをじる。

殺意。

それはガイアスから戦意を削ぐ。

「すまない、ガイアス君。おれは君を……殺さなくてはならない」

本気だ、とガイアスは悟る。

カズマは手心を加えることなく、本當に殺すつもりだろう。

なくない數の敵と戦い、実戦経験を積んだからこそわかる。

殺される。あの化けに、食い殺される……と。

「悪い……ね。ボクは、約束があるから、負けられないんだ!」

兄と、そしてチームメイト、友達との約束がある。

ガイアスは己をい立たせ、カズマに向かって特攻をかける。

霊裝をまとったガイアスは凄まじいスピードでカズマに接近。

だが……。

ごぉおおおおおおおおおおお!

「げほっ! がはっ! げほっ!」

近づけば炎のの効果で、ガイアスのに大ダメージを與える。

「ぬぅうううううううううううん!」

怯んだところにカズマが一撃をれてくる。

恐るべきパワーばかりに目が行く。

だがスピードも凄まじい。

ガイアスはバク宙することで敵の攻撃をかわす。

音がやはり遅れてやってくる。

地面が縦にばっくりと割れた。

セイバーという剣の神がついてるからこそ、剣を使った相手が、どういう攻撃をしてくるのか予想できる。

……裏を返せば。

カズマが剣を使ってこなかったら、今のきに全く対処できていない。

「ぬぅん! ぬぅうん! ぬぅううううううううううううん!」

カズマは一歩もかない。

一撃必殺を、何度も放ってくる。

その斬撃を躱すだけでやっとだ。

反撃に出たくとも相手の持つ炎ののせいで近づけない。

「せやぁ……!」

遠くから斬撃を飛ばす。

だが氷の刃から放たれた斬撃は、カズマのを傷つけることなく消える。

恐るべき防力と攻撃力。

ガイアスは絶する。

「こんなの……どうやって倒せば良いんだよ!」

『マスター! 回避を!』

カズマが一歩で間合いを詰めてきた。

野太刀による攻撃ではない!

「しま……!」

カズマが取ったのは肘鉄による一撃。

「がはっ……!」

恐ろしい膂力とスピードを持って、ガイアスは腹部に攻撃をけた。

そのまま背後へとすっ飛んでいく。

がバラバラになってしまったと錯覚するほどの一撃。

風に飛ばされた木の葉のように翻弄される。

空中でなんとか制を整えようとする。

だが……。

「甘い……!」

「!?」

カズマは一瞬で背後に回っていた。

今度もまた野太刀を捨てている。

全霊を込めた、鋼鉄の拳。

とっさにガイアスは防姿勢を取る。

「ぬぅうううううううううううううううん!」

ガイアスの腕ごとカズマがパンチを繰り出してくる。

……死んだ、と思った。

が消えてしまったと錯覚するほどの……強烈な一撃だった。

痛みをじる間もなかった。

一瞬で地面にたたきつけられ、ガイアスは天を仰いでいる。

「がは……げほっ! げほっ! げほっ!」

息が苦しい。

呼吸をしようにも、口からもれるのは嗚咽と、そして

に全く力がらない。

治癒魔法が追いつかない。

甚大なダメージをけ、けないで居る。

「剣による攻撃は、君の相棒が読んでしまう。ならば打撃によって攻めたまでだ」

全く息切れしていない、カズマ。

一方で、たった數度攻撃をけただけで、ボロボロのガイアス。

……桁が違う。

敵は……はるか怪だった。

手が屆いたと思った。

霊裝をにつけて、やっと化け(ユリウス)たちと並べたと。

だが、それはおごりだった。

強いやつは、ごまんと居るのだ。

「……すまないな、ガイアス君。本當に、すまない」

カズマの口かられている。

それがガイアスが與えたダメージではないことは、理解してる。

彼は悔しくて歯噛みしているのだ。

「……君はすごい剣士になる。間違いない。おれや、ひょっとしたらユリウス君すら凌駕する剣士に【なれた】」

野太刀を、ガイアスの鼻先に突きつける。

「すまない、ここで君を殺すことを、許してくれ」

彼が剣を掲げる。

刃がさらに青く輝く。

高熱の刃が天へとびていく。

空気を焦がし、雲を蒸発させるほどの……熱量。

「ああ……おわった……」

ガイアスは諦めた。

もう駄目だ。これは、どうやったって、勝てっこない。

ごめん……兄さん……。

「がいあすぅううううううううううう!」

そのとき、響いたのは義弟の聲。

ミカエルが立ち上がって、ガイアスにエールを送る。

自分を誰より嫌っていたはずの、義弟が。

「あきらめんな! あきらめんな、です! 立てやぁああああああああああ!」

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