《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第12話 新しい魔法の力で村の食糧事を1日で解決する

「さて、早速植魔法の力を試してみよう」

父上が呼んでくれた植魔法使いさんを街まで送り屆けた後、僕はまた村の外の森に來ていた。

し開けた土地に麥の種を蒔いて……。

「植魔法”グローアップ“発!」

すると、見る間に地面から芽が出て、急速に長していく。そしてあっという間に立派な穂が育った。

「すごい、なんて役に立つ魔法なんだ……」

僕は野菜の種も捲いて、急速に長させてみる。

さっきまで森の中のただの開けた土地でしかなかったが、あっという間にとりどりの野菜が溢れた。

とりあえず、村のみんなを呼んで試食會をしてみよう。

――――

「という訳で、新しい魔法を使って麥や野菜を育ててみました」

「「領主様、凄えええぇ!」」

村人の皆さんは、大興だった。

「素晴らしいです! これだけたくさんの野菜があっという間に!今の季節に実らないはずなのに!」

「コレでもう食うものに困らない!」

「領主様が來てから、暮らしが良くなるばかりだぜ!最高だ!」

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「俺たちの領主様は最高だ!」

「やはり領主様は神の使いでは?」

村人の皆さんが喜んでくれたようでよかった。これも父上のおかげだ。

ありがとうございます父上。最高のプレゼントをもらいました!

「流石メルキス、村を発展させるために一番大事な食糧問題の解決に真っ先に著手するなんて」

「僕はただ、村人たちがお腹を空かせて困っているのを見過ごせなかっただけだって」

「それが凄いんだよ。將來的には、この王國も任せたいな」

悪戯っぽく笑いながら、マリエルが頬を突いてくる。

王國を任せるって……。話のスケールが大きくなりすぎだ。

「では、これから畑を増やしていきましょう!」

「「おう!!」」

意気揚々と農をとってくる村人さんたち。

「さて、まずは森の木を斬って土地を確保しねぇとな」

「コレは骨が折れるぜ。1ヶ月かかるかもしれねぇ」

「それは僕に任せてください。筋力強化魔法“フォースブースト”発!」

僕は數十倍に膨れ上がった筋力で木を斬る。

「普通1時間かけて斬る樹を、一撃で三本もまとめて斬った……?」

モンスターが出てきたので、それもついでに叩き斬る。小一時間ほどして、村の元々の広さと同じだけの面積の土地を切り開いた。

「さて、次は切り株を全部掘り起こして、雑草を抜かなきゃな」

「コレは骨が折れるぜ。1ヶ月かかるかも知れねぇ」

「それは僕に任せてください。火屬魔法“ファイヤーボール“発!」

加減した威力のファイアーボールが、切り株を一瞬で消し炭にする。周りに生えていた雑草も熱風を浴びて燃え盡きた。

「普通1時間かけて掘り起こす木の切り株を、一瞬で消し飛ばした……?」

僕は片っ端から切り株を燃やしていく。魔法の威力を加減する練習にもなって一石二鳥だ。

小1時間ほどして、全ての切り株と雑草を焼き払った。

ついでに、土屬魔法“ソイルウォール”でと土地を囲み、モンスターがり込まないようにする。

こうして、村と同じだけの面積の、畑に適した土地が誕生した。

「領主様、凄すぎるぜ……」

「俺たちほとんど何もしてねぇ」

村人さんたちは、もはや呆れ始めていた。

「よし、今度こそ俺たちの出番だ! 土地を耕すぞ」

「領主様ばっかり働かせるわけにはいかないからな!」

村人さんたちが、競うようにクワで土地を耕し始める。

僕は耕された所から土地に種を蒔き、植魔法で長させていく。

ーー夕方には、一面野菜ができていた。

魔法は便利だが、連発すると土地の栄養が枯れてしまう。しずつ使わないといけない。

なので毎日大量の野菜を生産して出荷して荒稼ぎする、ということはできない。それでも、コレだけの広さの畑を確保すれば村人の食糧は安定して供給できるだろう。

「これで、これでもう食うものに困らないんだな・・・」

村人さんたちは、安堵していた。極まって泣く者もいた。

「よし、お祭りにしよう! 収穫祭だ! 今日はみんなでお腹いっぱい野菜を食べよう!」

というマリエルの提案で、今日の夜は宴になった。

広場で火を起こし、贅沢に料理が振る舞われる。

「うまい、領主様の育てた野菜うめぇよ!」

村人の皆さんが楽しそうで何よりだ。

「コレも食べて、メルキス!」

マリエルが僕の口元に料理を運んでくる。

「むぐ……味しい!」

ロードベルグ伯爵家の屋敷にいた時の料理人さんの方が、腕はいいはずだ。なのになぜか、今の料理の方が味しくじられる。

――ロードベルグ伯爵家の教え其の6。『人との絆を尊ぶべし』。

その教えを、僕は真に理解できたような気がする。

ーーーー

ーーーーー

數日後、ロードベルグ伯爵家の応接間。

ザッハークに雇われ、植魔法でメルキスを襲った男が、ザッハークに詰め寄っていた。

「どういうことだ、話が違うぞ!? メルキスはハズレ才能(ギフト)の雑魚って話だったじゃないか!」

魔法使いの男は怒り狂っていた。

「メルキスが強いだと? そんなアホな。確かに同世代の中では頭一つ抜けて強かったが、貴様ほどの使い手が手こずる相手では……」

「ふざけるな、馬鹿みたいに強かったぞ! なんだあのバケモノは! パワー、スピード、魔力、全部が桁外れじゃねぇか! 王國騎士団長よりも遙かに強いぞ!」

「お、王國騎士団長よりも……!?」

ザッハークは混している。ハズレギフト持ちであるメルキスが、何故そんなに強くなっているのか。

「ザッハークさん、これは契約違反だぜ。俺はあんなバケモノの相手をさせられて、死にかけた。違約金として最初の依頼料の10倍、2000萬ゴールド払ってもらおうか」

「に、2000萬ゴールドだと!? ふざけるな!」

「払わないっていうんなら良いぜ。あんたが俺を使ってメルキスを消そうとしたってこと、王家と王様に報告してやる。証拠はばっちり作ってあるんだ」

魔法使いの男がにやりと笑う。

「國王陛下と王様に気にられているメルキスの暗殺未遂がばれたら、あんたはどうなるかな?」

「ぐぬぬ……」

結局ザッハークは、2000萬ゴールド支払うこととなった。

これにより、ロードベルグ伯爵家の會計事は非に苦しくなった。

魔法使いが去った後、応接間ではザッハークとカストルが怒り狂っていた。

「おのれメルキスめ……! ヤツのせいでとんだ追加出費だ!」

「許せませんよねぇ、父上! ですがメルキスは全パラメータが桁外れに高かったといいます。一何故でしょう? ハズレ才能(ギフト)しか持っていないはずなのに」

「決まっている! あいつはこの屋敷にいるときから、実はパラメータが異常に高かったのだ! しかし、それを隠して手を抜いていたのだ! 訓練の時も、一生懸命やっているフリをして力を半分も出していなかったに違いない」

「なんだって!? 毎日毎日休まず訓練する、真面目なところは尊敬していたのにあのクソ兄貴! 許せないですよねぇ……!」

ザッハークとカストルが歯ぎしりする。

「こうなれば、手段は選ばん。さっきの男とは比べにならないほどのアウトロー、本の盜賊団を差し向けてやる。數々の村を襲い、略奪し焼き払ってきた最悪の盜賊団をな」

こうしてザッハークはまた裏の人脈を使って盜賊団をメルキスの村に差し向けようとするのだが……。

結局また自分の首を絞め、メルキスの村を発展させることにしかならないのだった。

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